The Long Goobye !
先週、チラッと書きましたが、大好きな映画監督、ロバート・アルトマンが亡くなりました。とりあえず、朝日新聞の記事より抜粋。 ロバート・アルトマンさん(米映画監督)が20日、ロサンゼルスで死去、81歳。 人間群像を描く卓越した手腕と挑戦的な作品で知られた。 ミズーリ州カンザスシティー生まれ。朝鮮戦争の野戦病院を舞台にしつつ ベトナム戦争への批判を込めたとされる70年のコメディー 「M★A★S★H」でカンヌ映画祭の最高作品賞パルムドールを受賞。 75年の「ナッシュビル」で全米批評家協会賞の作品、監督賞を受賞するなど、 実力派として認められた。 90年代以降、「ザ・プレイヤー」「ショート・カッツ」「ゴスフォード・パーク」 などの作品で再び高い評価を得た。 アカデミー監督賞には5度ノミネートされたが受賞を逃し続け、06年に 「映画のつくり手と観客双方を刺激し続けてきた業績」を理由に名誉賞を授与された。 アルトマン監督との出会いの契機は一冊の文庫本でした。高校時代に引越しする友人からシコタマ譲ってもらった文庫本の中に、朝鮮戦争を舞台にした反戦コメディの“M★A★S★H”(リチャード・フッカー著 角川文庫~廃刊)ってのがあり、愛読書になりました。その後、大学進学で上京してみると、さすが、映画の都、東京! 憧れのPiA(発刊間もない時期で薄っぺらかったなぁ)をめくると3本1000円とかで山ほど映画をやってる!いきなり、映画化された“M★A★S★H”が三軒茶屋で上映されてたのを発見し、すかさず見に行ったのがアルトマンとの出会いでした(あらすじ等はこちら)。この映画に出演してたのが、エリオット・グールド、ドナルド・サザランド(キーファーのとうちゃん)、トム・スケリット、ロバート・デュバルという面々。いまだに一癖ある妙な役者が好きなのも、思えば、この映画がキッカケなんですね・・・笑 そうこうしながら大学生活も何となくスタート。世は女子大生ブーム(オールナイトフジ全盛期)、“ディスコでナンパ”に精出す学生が多い中、マージャン、パチンコにジャズ喫茶で文庫本を貪るという暗~い日々を送っておりました(笑)この頃は、所謂、ハードボイルドにハマッてまして、ハメット、チャンドラー、ロス・マクドナルドからR・B・パーカーとかの世界に溺れておりました。自ずと、これらを原作とした映画もイロイロ見に行きました。チャンドラーといえば、多くの方が、最後の長編“プレイバック”に出てくる、 「男はタフでなければ生きていけない。やさしくなければ生きていく資格がない」という超有名なセリフを想起されると思いますが、生憎、この本は映画化されてません。映画でおそらくイチバン有名かつ評価高いのは、H・ボガード主演の“3つ数えろ”(原作は“大いなる眠り”)でしょう。しかし、個人的なベストは、これまたアルトマン監督の“ロング・グッドバイ”(原作は“長いお別れ”)!偶然にも、MASHに主演してたエリオット・グールドが探偵フィリップ・マーロウを演じてます(あらすじ等はこちら)。正直、原作とは細部もマーロウのキャラも違ってるんですが、個人的には、アルトマン印のマーロウ像の方が断然好きです。やる気なさそうでモッサイ(笑)グールドのマーロウが最高!脱走する飼い猫ネコ(原作には出てこない)や物まね好きなガードマンとか脇役も効果的です。あちこち寄り道しながら、有名な「ギムレットには早すぎる」ってセリフのラストに持っていくシナリオもお見事!なかなかWOWOWさんが放映してくれない(何度かリクエストしたけどw)んで、民放の吹替版しかビデオに録ってないんです。そろそろDVD買おうかな・・・近年の作品では、ザ・プレイヤー(92年)やショート・カッツ(93年)、クッキー・フォーチュン(99年) が個人的お勧めです。という訳で、アルトマン監督の思い出を書くうちに、何故か学生時代を振り返ることになってしまいました(汗)“長いお別れ”ならぬ“長い駄文”にお付き合い頂いた方、ありがとうございます。Long Goodbye, Mr.Altman !