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日記はこれから書かれるところです。

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2006.02.26
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パターナリズム paternalism は、語源を pater(父)とし、馬鹿っぽく直訳すれば「父主義」である。

お父さんはお前のことを思ってこうするんだ。ってこと。

憲法学においては、パターナリズム的に未成年者や障害者への自由制限が可能だとされる見解が従来唱えられてきたが、ここ最近は、学際的研究者を中心に否定的に扱われてきている。

掲題も全く同様の趣旨で、バーリン曰く、カントが言ったとのこと。正確には、「パターナリズムは考えうる限り最大の専制である」である。

あ、ちなみに、パターナリズムの訳語は一定していないが、「父権的温情主義」とか「父権的干渉主義」とか、端に「温情主義」とか「父権主義」とか訳されている。


■「お前のためだ」

パターナリズムの根源的問題性は、「父」が「子」より判断力が優れているということが、いつのまにか前提されてしまっていることだ。

わが家庭には、子どもがいないのであるが、さて、子どもが「うろんな客」(エドワード・ゴーリー)として現れたときに、俺としては、えらそーに説教垂れてやる自信がない。(皆さんお気づきの通り)とても完成品とは言えない人間である俺が、なんで「えらそーに」そんなことできますか。

人は、自分は正しいと思い出したときからヤバクなると俺は信じている。その正しさが相対的であったとしてもだ。

おいおい、そんなこと言ったら、全うな子どもが育たないだろって?

あんたの言う「全う」なんて、大したことないでしょ(笑)。

とりあえず、森巣博が育てたパトリック・モーリスよりも頭の良い子を育てた方だけ、俺に反論してくださいね。

ちょっと、森巣博でも引用しようか。〔『無境界家族』p.11〕

もし不登校児が、子供の心に巣食った社会規範に反する「人格障害」や「行為障害」であったとしても、息子には、わたしや世間には理解しがたい息子自身の個的な理由があったからこそ、登校を拒否していたのだ。それを「親」という、わかったようなわからないような権威のみを持ち出し、息子に対して「偉そーに」説教することなどわたしにはできない。

〔中略〕

子供を説教している親を見掛けると、わたしはいつも夢想してしまうことがある。頭を垂れ、昏い力を眼底に抱き、憤怒の炎をもやすあの少年が、もしわたしだったら、とつい考えてしまうのだ。
正義の名において社会の陳腐な常識を並べたてる父親に向かって、反撃するんだ。
ちょっと古いが、造反有理。少年(と少女)よ、大志を抱けっ。
「それなら父さんは、何なのさ」
この一撃である。
この重い問い掛けに答えられる父親とは、いったい世界中に何人ぐらい居るものなのか。わたしはこの問いに答えられない。おそらく世界中の多くの父親たちもそうであろう。


ちなみに、この育てられ方をしたパトリックは15歳で大学入学、19歳でケンブリッジの大学院のいきなり博士課程へ。言うまでもなく、数々の賞を在学中受賞。その後もすごいがこれくらいでいいでしょ。これ以上のご子息ご令嬢がいらっしゃれば、どうぞ反論ください。

まあ、とにかく、「お前のためだ」なんて言うとき、結構自分勝手だよね。ってこと。


■パターナリズムの問題

上では、パターナリズムが言われるときの前提構造を見た。そこに絡むが、パターナリズムの一番の問題は、「お前は考えるな」が裏に含意されていることだ。

パターナリズムにおいては、「父」が理由をわかっていればいいわけで、「子」は考えずに従わなければならない。

しかし、「父」の勝手ってけっこうあるよな?

ここには、いつも語っている「直感」とかの問題があるわけだ。


■事例――猥褻雑誌

きた。これです。「パターナリズム」といえばこれです。

昨今のコンビニの「エロ雑誌コーナー」は、バカ丁寧にも、18歳未満には立ち読みすら禁じている。

これは俺の住む土地のパターナリスティックな条例による。

子どもがあんな雑誌を読んだら大変だ(直感!)、と、こうです。

おいおい、読まない方が大変だよ!

世のお父様方、思い出してください。エロ雑誌読みましたよね?

読まない奴の方がヤバクないですか?

健全に育った中学生・高校生が読まない方が問題じゃないですか?

世のお母様、あなたは「ご主人(フェミコードに引っ掛かってますが)」から満足させてもらってますか。もしYesなら、それは「ご主人」がそうした本を読んでいたからです。感謝しましょう。もしNoなら、それは「ご主人」がそうしたことに疎かったからです。

お子さんに、「勉強しないと、お父さんみたいになるわよ」と言う前に、「エロ本読まないと、お父さんみたいになる」ことを心配しましょう。

(ところで、猥褻規制については、法理的に唯一成り立つとすれば、フェミニズムからの「女性の性の商品化批判」の主張だけだと俺は考えている。)


■事例――ワイマール

もうちょっと、真面目にいこう。

パターナリズムを考えるとき、どうしても積極的自由と切り離して考えることはできない。なぜなら、積極的自由とは「正しさ」を求める運動であり、それに従えばよいという基準をつくる機制であるからだ。誤解を恐れず言えば、あらゆる制度はある種パターナリスティックなわけだ。

パターナリズムは、権力側の一方的措置として考えるのでは不十分。そこには必ず関係性の問題が生じてくる。つまり、相互依存の関係。

「お前はこうすればいいんだよ」と言われるときには、言うまでもなく裏に「考えるな」があり、弱者側には、常に「じゃ、どうすればいいんですか?」が問いとして保存され続けるわけだ。

完璧な歴史記述かどうかは別に、ワイマール期にこの積極的自由が高じたことが、ナチスを誘導したという論がある。確かに、無思考とナチスへの期待が、悲劇を導いた可能性は否定できまい。

最も民主的と言われたワイマール。その民主制を担保したのが生存権を主とする社会権の発展だった。それが無思考を誘導するような相互依存関係をつくった可能性は否定できないのではなかろうか。

(問題は、権力=被権力の構造において、「考えるな」があったことにあるわけで、俺が一部でも社会権を否定しているなんて思わないでね。)


■本題。

さて、やっと本題。

miyauさんにTBで教えて頂いた問題を俺も繰り返す。

ってか、まず、もう取り上げられてる方々のところ見てきて(笑)。


「そぞろ日記」miyauさん

PSE法に見る「新自由主義の影」-PSE法に対する署名にご協力お願いいたします

国民の立場に立つ国会議員は誰だ-PSE法関連続報


「本に溺れたい」renqingさん

天下の悪法、「電気用品安全法」に反対する


ええと、いろいろと扱ってるブログ・サイトが多いようですが、上の二者を入り口として、リンク先へ行けば、いろいろわかりますので、紹介はこの二者だけで(笑)。


■電気用品安全法の何が問題か

上で概略を知って頂いたものとして、俺なりの見解を。

経済産業省「電気用品安全法の概要」

俺は、これがもちろん財界との癒着から来ているものと見ているわけだけど(普通、そう見えるよな)、それよりも、権力側が、俺らを「子供として扱い出している」ことに大変な危険を覚えるわけだ。

「国民保護法」「人権保護法」「電気用品安全法」・・・

名前は立派だ。

しかし、「保護」とか「安全」ってのを、押し付ける政府ってのは、絶対に危険だ。父親面する政府。

俺は専制政治が待っている気がしてならんわけだ。

「パターナリズムは考えうる限り最大の専制である」

こういう構造に問題を感じる方は、ご署名を。

電気用品安全法(PSE法)に対する署名





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Last updated  2006.02.27 04:07:44
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