■感染予防についておさらいしよう■
都と国の協議がようやく終わった。
都の幹部は、ほぼ満額回答だと喜んだということだが、精査してみれば、だいぶ骨抜きになっている。
(こういうところに、小池知事の人気取りの構えが見られて嫌になる。)
今回の決定では、小規模事業者までは補償はできないから、あとは自己責任でやってくれ、と言っているようで、おそらくいくらかの悲劇が待ち構えているだろうと思われる。
(そして、その時、この知事はどういう態度をとるだろうか。今までのように都合が悪いことにはほお被りをするのだろうか。)
小規模事業者にこそ、協力金が必要なわけで、1000平米を超える床面積の店舗を構えている会社であれば、むしろ政策融資でなんとかなる。
そのあたりの精査がなされていないところは、残念だ。
だが、まあ方針が出ないよりは出た方がいい。
■感染予防をおさらいしよう
感染のパターンは主3つと言われている。
接触感染
飛沫感染
エアロゾル感染
この中で圧倒的なのは接触感染だと言われている。
そして、接触感染を防ぐ方法もはっきりしている。
こまめな手洗い・指先消毒
顔(目・鼻・口)を手で触らないこと
この2つを守れば、接触感染は防げると言われている。
(だが、人は無意識に顔を触るものだ。)
飛沫感染はそれほど多くないと言われている。特に皆がマスクをしていればかなりの程度防げると言う。
(だが、食事中はこれの危険が大きくなる。酒を飲んだ場合はなおさらだ。)
エアロゾル感染は、ほとんどの場合気にしなくていいが、3つの条件が揃った時に危険だと言われている。
それが、密閉・密集・密接だ。
三密だ。
言葉が独り歩きし、三密のどれか一つでも危険なことのように語られているが、政府からの説明では、この3つが揃うことが危険だとされている。
逆に言えば、
喚起がなされていること
人口密度が高くないこと
(マスクなしに)向き合って話さないこと
このどれかができていれば、グッとエアロゾル感染の可能性は下がるとされている。
何にせよ、接触感染が最も感染の可能性が高いということで、外出自粛が求められていると言える。
そして、三密という言葉で印象付けられたために不安になりやすいエアロゾル感染については、いまだはっきりしたエビデンスはないとされている。
■何に脅えているのかわからずに脅えるな
ほとんどカウンセリングの領域になってくるが、自分の人生を生きられない人の多くは、自分の不安の正体をつかめていない人だ。
何が怖いのだろう。
死ぬこと?
死ぬのは怖いかもしれない。
では、このウイルスで死ぬ確率はどれくらいだろう?
5割は無症状
そして8割は軽症
死ぬのは1〜2%(ほとんど高齢者)
もちろん海外には若者の死亡例もあるが、割合でみれば極めて低い。
自動車事故で死ぬのが怖いからと、子供を勝手には家から出させないくらいの心配症の人もいるのだろうか。
とにかく、可能性は極めて低いが、それを防ぐためにできることは何か考えよう。
あるいは、老齢家族に感染すこと?
たしかにそれも怖いかもしれない。
死に目に会えない可能性もある。
それは避けたいと思うかもしれない。
では、それを防ぐためにできることはなんだろう?
世間から非難されること?
それも怖いかもしれない。
しかし、このウイルスは本当に抑え込めるだろうか?
■感染予防の無駄?
上に感染予防のことを書いたが、基本的なことを忘れてはいけない。
もっとも重要なことは、
われわれには免疫が無い
ことだ。
つまり、ウイルスを取り込めば簡単に感染する。
結局、完全に家に閉じこもっていなければ、かなりの確率で感染する。
ニューヨークはロックダウンしてからすぐに、スーパーマーケットでの感染が広がった。
夜の店を避けたからといって、それで感染が防げるものではないのかもしれない。
つまり、
仮にロックダウンして、一時的に抑え込めたとしても、必ず再燃する。
早くに慣れて、このウイルスと付き合っていかなくてはいけないのかもしれない。
たぶん、大切なのは、心のケアの方なのだろうと思える。
■みんな簡単にかかるし、もうかかっているかもしれない
さらに言えることがある。
みんな簡単にかかるし、もうかかっているかもしれない。
これだ。
無症状者が半分だ。
高齢者だらけのダイヤモンド・プリンセス号でだって、無症状者が半分だった。
■あっという間に広がるという救い
もし世間から非難されるのが怖いなら、たぶん、もう安心だ。
あっという間に広がる。
誰か知り合いが罹っているなら、あなたの周りの何人かももちろん罹っている。
感染は乗数倍に広がる。
東京の感染者数は、舛添要一に言わせれば、公表の10倍はいるだろうということだが、おそらく、そんなものではないだろう。
ほとんどの人にとって、気付かない程度のものだ。
まあ、だから、行政にはしっかり抗体検査のサンプル調査を行なって、正しい施策を打ってほしいと言い続けているわけだ。
■できることはなにか
結局、重要なことは、
自分が何を恐れているのかを知ること
そして、そのためにどうすれば良いかをかんがえること。
そのうえで、政府から詳しく伝えられている「感染予防策」を講じること。
結局できることはそれしかない。
それ以上のことを求めても無駄だし、意味がない。
たとえ死期を宣告されたとしても、人間には善く生きられる可能性がある。
いや、われわれはみんな死を宣告された存在だ。
必ず、死ぬ。
だからこそ、どのように生きたいのかを考えないといけない。
もし不安に脅えているなら、それは自分の人生を考えたことがないからだ。
死ぬときは死ぬ。
失うときは失う。
でも、人生には希望がある。
できることがある。
不安に煽られた人生なんて、とてももったいないと思う。