テーマ:食べ物あれこれ(49621)
カテゴリ:料理・パン焼き・菓子・食材
ケーニッヒスベルガークロプセ(ケーにッヒスベルク風肉団子) posted by (C)solar08 ケーニッヒスベルクというのは、現在のロシアの飛び地、カリーニングラードのこと。 戦前はドイツの領土で、ドイツ人が住んでいました。敗戦直前から戦後にかけて、現地のドイツ人はたいへんな思いで、現在のドイツへと逃げてきました。 このケーニッヒスベルクの名前がついた料理、ケーニッヒスベルガー・クロプセ(クロプセというのは団子といった意味)は、いわばドイツの家庭料理です。 ドイツ東部やベルリンでは、レストランでも見かけましたが、私が住む南ドイツでは見たことがありません。 これはやっぱり自分でつくって、食べるもの。 といっても、友だち(ドイツ人女性)は、あるとき急にこれが食べたくなって、缶詰のケーニッヒスベルガークロプセを買って食べたのだとか。やめてよね、そういうの、っと言いたくなりましたよ。 この料理はいわば肉団子のホワイトソース煮とでもいえますが、ホワイトソースには牛乳は絶対に使わないのと、ケッパーのピクルスを入れるのが特徴です。 私はひき肉料理はきらいなのですが、これだけは別。ときどき作ります。 作り方はとても簡単。 ・500gのひき肉(牛か子牛)とみじん切りにして炒めた玉ネギ一個分、パン粉(私は自分で焼いたバゲットをミキサーで細かくしました)半から1カップ弱、卵一個、塩・胡椒をよくこねて、団子状に丸めます(大きさは自由ですが、ミートボールよりは大きめに)。 ・スープストック(鶏がらなどのスープなら上等、ないときはブイヨン)1リットルにローリエと数粒の粒胡椒を加えて煮立て、細火にしてから、丸めた肉団子をそっと入れ、弱火で10分ぐらい煮ます(レシピによって時間はまちまち、長く煮ると固くなります)。ミートボールのように前もって炒めたりしてはいけません!そのままスープに入れてください。 ・ソースを作ります。 別鍋に大匙3杯のバターを溶かし、大匙2杯の小麦粉を入れて、ちょっと炒めてから、白ワイン(適当な量)と上の煮汁を加えて、泡だて器で手早く溶かしてから、弱火で煮立てます。加える煮汁の量は、ソースの固さに合わせて調節。私はポタージュよりちょっと薄めが好きです。 ・このソースにケッパーを大匙2、3杯(量は好みですが、これだけは絶対に欠かせません)、塩、胡椒、ナッツメッグ、砂糖少々、生クリーム半カップから1カップ(私はサワークリームを入れます)を加えたら、先の肉団子をそっと入れて、ちょっとだけ煮て出来上がり。 ・実は私はこのソースに、おろし西洋ワサビ(ホースラディッシュ)と醤油を数滴たらしています。まあ、隠し味。本物のワサビでもいいでしょうが、高いのでチューブ入りのホースラディッシュ。 ・付け合せ(つまり日本でいうご飯にあたる「主食」)はジャガイモと相場が決まっています。 私は皮付きでゆでたジャガイモをドデンと出して、食べる人に自分で皮をむいてもらいます(楽だし、ジャガイモの味が逃げない)。 今日は、このほかに、人参のグラッセとチリメンキャベツのベーコン煮を添えました。どんな野菜でも合いますよ。ほうれん草もおいしかった。 このホワイトソースは牛乳が入っていないので、しつこくなくて、いくらでも食べられます。ケッパーのおかげで、ちょっと酸味があるのがいい感じ。 ケーニッヒスベルク生まれで、二歳のときから何年もかかって(!)、母親と姉妹と共にドイツへと逃亡してきた「連れ」は、覚えてもいない故郷のことには無関心ですが、この料理だけは好き。 でも、「ケーニッヒスベルガー・クロプセって結局は、ハンバーグの白ソース煮じゃん」と言ったら、「なんでー」とキョトンとした顔をしました。 どうやら、ドイツ人にはハンバーグとかふつうの肉団子とケーニッヒスベルガーはまったく別の範疇にあるようなのです。 だから、先の女友達も自分で作らずに缶詰を買ったわけ。 そういえば、ドイツにはスパゲティ・ミートボールソースもないな。これも「連れ」に話したら、「肉団子のトマトソース煮なんて、ゲッ」とけなされてしまいました。トマトソースのスパゲッティ大好きなくせに。 身に付いた食習慣というのは、なかなか変えられないのかもしれませんね。 私だって、せっかく中華料理作ったのに、ドイツ人たちがジャガイモとバゲットを「主食」にして食べるので、大いにむっとしましたし、友だちが緑茶に砂糖を入れようとするので「やめろー」と叫んだことも。 本当はそれぞれが食べたいように食べればいいし、そこから新しい料理ができてくるかもしれないんですよね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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