テーマ:海外生活(7784)
カテゴリ:日常生活
大晦日の今日、気温は零下。夜中に降ったわずかな雪が道に凍り付いています。
これを見ただけで、私の足はすくみます。 天気予報では今日は氷雨もふりそうだとのこと。ますます足がすくみます。 運動音痴の私はつるつるすべる地面や氷が恐いのです。だからスキーもスケートもできません(自転車も自動車も乗れませんが)。 以前、ベランダの床が凍っているのを知らずに足を一歩踏み出したとたんにすべり、親指をくじきました。指が大きく腫れあがったために、日本に「靴なし」で行かなければなりませんでした。 また、かなり昔ですが、マインツという市で通訳の仕事をしたときに、氷雨が降ってきて、道路はツルツルに凍りつきました。それなのに日本から来たクライアントの女性は、平気でハイヒールで歩き、彼女に町のことを説明する市役所の男性もすらすらと歩きます。 私だけが「ヒヤー、助けて、歩けない」と叫んで、この男性の腕にしっかりしがみつきました。 この男性はちょっと困った顔をして「この姿を妻に見られたら、彼女はなんと言うだろう」とブツブツつぶやきます。私は 「あなたの奥さんがなんと思うと、知ったこっちゃないわよ。私は歩けないのよ、恐いのー」と言って、しがみつく力をこめました。 というわけで、今日は一歩も外に出たくないのですが、晩にはコンサートに行く予定があるので、どんなことになるか、心配です。 ドイツの大晦日の特徴は、なんといっても花火です(これはドイツだけでなくフランスでもアメリカでもそうでしょうが)。 大晦日の晩だけは個人が外で花火、打ち上げるタイプの大きな花火をすることが許されます。 夜中の十二時きっかりに、町の各所から「ドーン」という爆音が響き、空に様々な花火が打ち上げられ、道路のあちこちでも「シューシュー」と彩色の火花が音をたてます。山や丘の上から町を見れば、それはそれは華やかでにぎやかです。 花火と同時に、町中の教会から鐘の音が響きわたります。 日本のお寺が大晦日に打つ鐘の音は、地味でおごそかですが、ドイツの教会が打つ大晦日の鐘は、私の耳にはガラン、ガランとかなり派手に聞こえます。 目の前にいつまでも、いつまでも打ち上げられる花火と、そのバックグラウンドミュージックとなる教会の音はとてもマッチして、感動的です。 大晦日の晩はクリスマスとはちょっとちがって、家族どうしというよりも、友だちどうしや恋人どうしが集ってパーティーをする場合が多いみたいです。 十二時と同時にシャンパンが抜かれ、人々は「おめでとう」と言いながら、キスを交わすのです(恋人同士でない場合には、もちろんほっぺたよ)。 昔、パリで大晦日を迎えたときには、通りですれ違いあるたくさんの見知らぬ人からも抱きしめられ、キスをされたので、まだ「うぶ」だった私はびっくりしました。 さて、この「おめでとう」ですが、大晦日の夜中の12時以降は、「ハッピー・ニュー・イヤー」のドイツ語版「ein glueckliches Neues Jahr!」(アイン・グリュックリッヘス・ノイエス・ヤール」と挨拶しますが、大晦日より前は、このあいさつのほかに、「よいお年をお迎えください」という意味の「guten Rutsch ins neue Jahr! 」、または「guten Rutsch!(グーテン・ルッチ)」と挨拶する人もいます。 このRutschというのは、「すべる」という意味。 そう、凍りついた道で足をすべらせるのもルッチなのです! だから、上の新年の挨拶を直訳すれば「新年へと、ご無事で(あるいはお元気で)おすべり入ってください」と言っているわけです。 いやあ、ほんと、ご無事ですべり入れればいいんですけど。 こうして書いている間に、外の気温がちょっと上がったようで、雪は消えました。このまま氷雨などが来ないように祈るばかりです。 それでは皆様も 「新年に向かって、おけがのないように、よいおすべりを!」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[日常生活] カテゴリの最新記事
|
|