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伊東良徳のとき・どき★かるちゃ~

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2009年02月22日
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カテゴリ:映画
 行方不明となった息子を発見したと言って別人を押し付けるロス市警に抗議して、ミスを隠蔽するために精神病院に監禁されたりしてもなお抗議を続け真実を追及した母親の姿を描いた映画「チェンジリング」を見てきました。

 意識して選んだわけではないのですが、2日続けてロス市警の腐敗ぶりを描いた映画を見ることになり(チェンジリングは1920年代、フェイクシティは現在のロス市警の腐敗ぶりを描いています)、アメリカの警察の腐敗・横暴ぶりとともに、警察を正面から非難する映画が大資本の手で平気で作られるアメリカ社会の健全さ(日本で大手の映画会社がこんなの作れます?)を強く印象づけられました。

 電話会社の主任として働くシングル・マザーのクリスティン・コリンズ(アンジェリーナ・ジョリー)が、休日出勤して帰ると9歳の息子ウォルター(ガトリン・グリフィス)がいなくなっていて、警察に通報してもなかなか動いてくれず5ヵ月後にイリノイ州で発見された少年に警察はウォルターだと言うように示唆してウォルター失踪事件の解決の記者発表をします。しかし、子どもは母の目からは別人で、失踪前よりも7cm背が低く、割礼を受けており、受けたはずのない歯の手術跡があり、学校の先生の名前も覚えていない有様。クリスティンがあの子はウォルターじゃない、ウォルターを捜索してくれと訴えても、ロス市警の担当のジョーンズ警部(ジェフリー・ドノヴァン)は失態を認めず御用医師にウォルターに間違いないと言わせクリスティンが子どもを育てるのがいやになり自分の子どもを捨てようとしてると言い募り、それでもクリスティンがあきらめずにロス市警を追及し続けている長老派協会のブリーグレブ牧師(ジョン・マルコヴィッチ)のラジオ番組に出演する約束をすると、ジョーンズ警部はクリスティンを精神病院に放り込んで口封じを図ります。精神病院には「コード12」と呼ばれる警察がらみの入院患者があふれ、クリスティンは虐待されながらも、見つかった子はウォルターに間違いない、ロス市警の責任は追及しないという文書への署名は拒否します。その頃、不法滞在で逮捕された少年が脅迫されて20人あまりの少年を誘拐して殺害する連続殺人を手伝わされたことを告白し、ウォルターもその被害者であることがわかり、ジョーンズ警部はその事件自体のもみ消しを図りますが、少年の告白通りに大量の白骨死体が見つかり新聞報道されます。その新聞報道を持って精神病院に押しかけたブリーグレブ牧師のおかげで精神病院を出ることができたクリスティンは、ブリーグレブ牧師と共に闘うことを決意し、無償奉仕を申し出た人権派弁護士とともに精神病院から「コード12」患者を解放、市議会の聴聞会と連続殺人犯の刑事裁判で真実を追及していきます。しかし、それでもウォルターの遺体は確認されていないと、クリスティンはウォルターの捜索を続けますが・・・というお話。
 子供を持つ親の身としては、いや多分そうでなくても、クリスティンの運命には、涙を禁じ得ません。これが、基本的に実話だということを考えると、とても・・・

 アメリカで弁護士が出てくると、金の亡者とか悪辣な役回りのことが少なくありませんが、絵に描いたように無欲で清廉な人権派弁護士の活躍に、同業者として心洗われる思いがしました。もちろん、そんなことばかりしていたら生活できませんし、かつあくまでもそれはその弁護士がその気になって言い出すから美しいもので、自分の事件は人権問題だからただでやるべきだとか言う相談者(そういうケ-スはたいてい大して同情できる内容ではない)にはカチンと来るのですが・・・。
 「コード12」患者の精神病院からの解放に用いられたのは、英米法伝統の人身保護令状(Habeas Corpus)だと思います(字幕で見る限りは単に裁判所の釈放命令としか出ていませんでしたけど)。日本にも一応制度はあるんですが、本来の場面ではほとんど使われていなくて、こういう鮮やかな使用例を見せられると、あぁいいなぁと溜息をついてしまいます。
 市議会の聴聞会で、クリスティンの代理人の人権派弁護士が、ジョーンズ警部を尋問するシーン。ジョーンズ警部の必死の言い逃れとそれに対する弁護士の尋問が、もちろん現実にはもっと細かく長々とやりますが、見切りと切り返しの判断が絶妙だと思いました。別人であることは争えなくなると不利を見越して、クリスティンの言い分(別人だという訴え)ではなくクリスティンの態度が異常だったので精神病院で保護する必要があったと言い訳を切り替えるジョーンズ警部。ジョーンズ警部との2人の場での態度という反証が困難な事実への反駁をその場で見切り、警察官が1人でそれを判断したこと、わずか5分でそれを決めたことという手続上の問題と、その判断のために捜索がなされなかった間にウォルターが殺された可能性があることにポイントを切り替えて尋問する弁護士。素人や当事者に画を書かせたら、クリスティンの態度は異常じゃなかったという反論にこだわり大魚を逃すパターンに陥りがちです。このあたりをサラッと決めるところが、訴訟慣れしたアメリカ社会・アメリカ映画という感じがしました。
 基本的にはクリスティンに共感し可哀想と思って見る映画なんですが、ついこういうところに目が行ってしまうのは、職業病でしょうか・・・





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最終更新日  2009年02月22日 20時22分10秒
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