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2002年12月28日
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葛西市場とは市場のある地名をとってそう呼ばれているわけだが、tetywestたち産地側からすれば市場の中にある卸売業者の方がずっと呼び慣れている。たとえば大田市場では「東一」だし、大阪東部市場では「東果大阪」だし、葛西市場では「千住青果」なのだ。ところがこの「東京千住青果」は、まだtetywestにとってはピンとこない。これには少し長い説明が必要になる。

葛西市場は、昭和51年度の第二次東京都卸売市場整備計画で、産地の大型化に対応し、既設市場の過密を解消するために昭和59年5月に開設された。それに伴って江東市場が廃止されたのだが、卸売業者である江東青果はそのまま葛西市場で業務を続けた。tetywestの産地はこの江東青果へミカンを出荷していたのだ。大相撲の国技館がまだ蔵前にあったころ、初場所の入場者にはミカンが配られていた。そのミカンは「マル曽」ミカンだったのだ。そんな関係で、江東青果が葛西市場へ移ってからも「マル曽」ミカンは江東青果へ出荷されていた。

ところが2001年4月に江東青果は東京千住青果と対等合併し、社名が「東京千住青果」になってしまったのだ。当時のマスコミでは、大型卸売業者同士が余力のある間に合併するのはこれからの流通業界にとって歓迎すべきことだという風に報道されたが、江東青果の社長はこの決断をするときに夜も眠れない日が続いたそうだ。江東青果はいわゆる同族会社で、3代目社長はtetywestよりもずっと若い。確か2000年の株主総会で父親の跡を継いで社長に就任し、その年に合併を決断したと記憶している。
「何よりも従業員を一人もクビにしなくて済んで、本当によかった」
と、しみじみ語ってくれた。事実上の吸収合併なので、社長は新会社では部長クラスに降格になるのだそうだ。
「もちろん、すぐにでも辞めたいですよ。でも残務整理もあるし、半年くらいは仕方がないかなぁ・・・」
と言っていたのだが、当然現在はもう辞めている。

最近、卸売業者同士の合併や業務統合が日本中で行われるようになってきた。東京・築地市場の東京中央青果と東京築地青果の2社、それに横浜・本場、南部市場の横浜丸中青果と金港青果の2社は来年度から卸売業務を統合する。東京・北足立市場の東京千住青果と東京丸生青果は今年10月に対等合併して新会社「東京千住青果」を発足させた。

なぜいま合併や事業統合なのかというと、その背景には長引く不況の中で経営悪化が深刻化してきたことが一番に挙げられるだろう。2001年度の中央市場の青果卸売業者の売上高は前年比7.7%減で、3年連続でマイナスになっているのだ。経常利益が赤字になった卸売業者は全国の4割はあると言われている。

そんな厳しい経営状況の下で卸売業者の危機感にさらに追い討ちをかけるのが、委託手数料の自由化なのだ。農水省の卸売市場競争力強化総合検討委員会が5月末にまとめた報告書では、その方向が鮮明に打ち出された。収入の8割以上を手数料に依存している卸にとって、果物で卸売価格の7%と決まっている委託手数料の自由化は死活問題となる。これまで過去のしがらみにこだわり、事業統合や合併に尻込みしていた卸売業者が相次いで経営の合理化に乗り出すのはそのためだと言える。そのさきがけが葛西市場だったのだ。






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最終更新日  2003年01月03日 19時28分06秒
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