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《 幸せのひろいかた 》  フェルトアート・カントリー木工 by WOODYPAPA

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2012年07月31日
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カテゴリ:幸せ読書日記
 

「般若心経」を取り上げます。

まず、訳者の柳澤桂子さんについて。

柳澤桂子さんは、学者一家のエリートとして、1938年東京に生まれ、若い頃より大変優れた生命科学者として知られていました。

分子生物学という新しい生命科学が開かれたとき、『DNAの二重らせん構造』を日本に紹介したのが氏でした。

これから更なる活躍が期待されるなか、1968年30代になって原因不明の病魔に襲われてしまいました。

以後40年あまり、今日も闘病生活を送っています。

毎月1回起こる激しい嘔吐発作。

そのたびに一週間は起きられず、腹痛、頭痛、めまいに苦しめられます。

どの医師にかかっても心因性のものとしか診断されず、気のせいや、気の持ち方が悪いと言われてしまいました。

家族からも責められ、自分を責め、病の苦しみの上に医師から精神的な苦しみまで背負い込まされました。

ようやく36年経って「周期性嘔吐症候群」という、脳幹の病気だとわかり、抗うつ剤によって嘔吐や腹痛から解放されます。

その後、狭心症がひどくなり、車椅子での生活を余儀なくされます。

この間受けた手術は、子宮内膜手術、卵巣摘出手術、胆嚢摘出手術などを数え、食事が痙攣でのどを通らなくなり、チューブで栄養分を補給していました。

苦しい生のなかで、生きるとは何か、死とはなにか、生命とはなにかを深く思索し、生命の意味を求めるようになりました。

そんな生命学者が「般若心経」を訳したものが『生きて死ぬ智慧』です。

 

 

 

すべてを知り

覚った方に謹んで申しあげます

聖なる観音は求道者として

真理に対する正しい智慧の完成をめざしていたときに

宇宙に存在するものには

五つの要素があることに気づきました

 

お聞きなさい

これらの構成要素は

実体をもたないのです

形のあるものは形がなく

形のないものは形があるのです

感覚、表象、意思、知識も

すべては実体がないのです

 

お聞きなさい

彼はこれらの要素が「空」であって

生じることもなく

無くなることもなく

汚れることもなくきれいになることもないと知ったのです

 

お聞きなさい

私たちは 広大な宇宙のなかに

存在します

宇宙では

形という固定したものはありません

実体がないのです

宇宙は粒子に満ちています

粒子は自由に動き回って形を変えて

おたがいの関係の安定したところで静止します

 

お聞きなさい

形のあるもの

いいかえれば物質的存在を

私たちは現象としてとらえているのですが

現象というものは

時々刻々変化するものであって

変化しない実体というものはありません

実体がないからこそ 形をつくれるのです

実体がなくて 変化するからこそ

物質であることができるのです

 

お聞きなさい

あなたも 宇宙のなかで

粒子でできています

宇宙のなかの

ほかの粒子と一つづきです

ですから宇宙も「空」です

あなたという実体はないのです

あなたと宇宙は一つです

 

宇宙は一つづきですから

生じたということもなく

なくなるということもありません

きれいだとか 汚いだとかいうこともありません

増すこともなく 減ることもありません

「空」はそのような

取るに足りないことはないのです

 

お聞きなさい だから

「空」という状態には

形もなく 感覚もなく 意志もなく 知識もありません

眼もなく 耳もなく 鼻もなく 

舌もなく 身体もなく 心もなく

形もなく 声もなく 香りもなく

あなたをさわるものもなく

心の対象もありません

 

実体がないのですから

「空」には

物質的存在も 感覚も

感じた概念を構成する働きも

意志も 知識もありません

 

眼の領域から意志の領域に至るまで

すべてないのです

 

真理に対する正しい智慧がないということもなく

それが尽きるということもありません

迷いもなく 迷いがなくなるということもありません

それは「空」の心をもつ人は

迷いがあっても

迷いがないときとおなじ心でいられるからです

こうしてついに 老いもなく 死もなく

老いと死がなくなるということもないという心に至るのです

老いと死が実際にあっても

それを恐れることがないのです

 

苦しみも 苦しみの原因も

苦しみをおさえることも 苦しみをおさえる方法もない

知ることもなく得るところもない

 

得るということがないから

永遠なるものを求めて永遠に努力し

心を覆われることなく生きていけます

心を覆うものがないから

怖れがなく 道理をまちがえるということがないから

永遠の平和に入っていけるのです

 

私たちが あらゆるものを

「空」とするために 削り取り

削り取ったことさえも削り取るとき

私たちは深い理性をもち

「空」なる智慧を身につけたものになれるのです

 

心理を求める人は

まちがった考えや無理な要求をもちません

無常のなかで暮らしながら 楽園を発見し

永遠のいのちに目覚めているのです

永遠のいのちに目覚めた人は

苦のなかにいて 苦のままで

幸せに生きることができるのです

 

深い理性の智慧のおかげで

無常のほとけのこころ ほとけのいのちは

すべての人の胸に宿っていることを悟ることができました

 

このように 過去・現在・未来の三世の人々と

三世のほとけとは永遠に存在しつづけます

深い理性の智慧もまた

永遠にわたって存在するということです

それゆえに ほとけの智慧は

大いなるまことの言葉です いっさいの智慧です

これ以上のまことの言葉はありません

いっさいの苦を取りのぞく

真実で偽りのない言葉です

その真実の言葉は

智慧の世界の完成においてつぎのように説かれました

 

行くものよ 行くものよ

彼岸に行くものよ

さとりよ 幸あれ

 

これで

智慧の完成の言葉は

終わりました

 

 

病気を発症し、会社から解雇を告げられ、柳澤さんは絶望の淵に投げ込まれます。

しかし、偶然元薬師寺館長・橋本凝胤師の書いた『人間の生きがいとは何か』を手に取り、一気に読み終えた直後、激しい炎の中に包まれ恍惚とするような"神秘体験"をします。

死の淵から生還した時、生命学者でありながら見えなかった"生と死"が見えたのです。

柳澤桂子さんは、歌人でもあります。

そして、1988年『放射能はなぜこわいー生命科学の視点から』で、チェルノブイリ原発事故を受けて、反原発を鮮明に訴え続けています。

同書は『いのちと放射能』と改題して文庫として2007年再発行されました。

当然2011.3.11.の震災前の話です。

「文庫本への長いあとがき」にはこう書かれています。

【チェルノブイリの原発事故について、この小冊子を書いてから、19年の歳月が流れた。

はじめは目に見えたガン患者は増えないのではないかと予想したが、それは、ソ連(当時)が、拡散した放射能の値を偽っていたからであった。

2000年4月の事故14年目の追悼式で、ロシア副首相は、事故当時の現場処理に携わった86万人の作業員のうち、5万5千人以上が亡くなった事実をあきらかにした。

2005年には、ロシアの社会保険発展相が、この事故で健康を害した人は、ロシアで145万人であると述べている。

2006年の4月現在、ロシア、ウクライナ、ベラルーシの健康被害者は700万人とされる。

なかでも、これらの国のこどもたちの白血病と甲状腺障害は悲惨なものである。

また、事故後に生まれた18歳以下の子供たちのなかで、体内被曝によって健康を害している人は22万6千人いるという。

被害は歳を経るにつれて大きくなるであろうし、そのうちに肝臓ガンなどの晩発生のガン患者が現われるであろう。】

 

 

「般若心経」について過去のブログはこちら。

http://plaza.rakuten.co.jp/sontiti/diary/201010240000/

http://plaza.rakuten.co.jp/sontiti/diary/201101170000/

 






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最終更新日  2012年08月02日 22時07分45秒
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