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《 幸せのひろいかた 》  フェルトアート・カントリー木工 by WOODYPAPA

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2023年05月08日
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カテゴリ:駄歌凡歌
いささか機を逸している感はあるが、HNK朝ドラ『舞い上がれ』に寄せて、久々に歌を詠もうと思う。

『舞いあがれ』のストーリー等本編に関する批評は置いといて、記すべきことは、主人公の幼馴染であり夫となる貴司君(演・赤楚衛二)が歌詠みだったということだ。

現代の話で、和歌が登場するドラマは珍しいし、歌を詠む苦悩が描かれたのも初めてではないか。

ドラマの中で、実際に詠った歌。


星たちの光あつめて見えてきたこの道を行く明日の僕は

トビウオが飛ぶとき他の魚は知る水の外にも世界があると

屋上をめぐり続ける伝書鳩飛べるよ高く浮雲よりも

舞い落ちる桜の花片乗せたときオダマキの葉の揺れが止まった

君が行く新たな道を照らすよう千億の星に頼んでおいた

銀の糸通しのように足重ね羽虫はやがて沈んでいった

水底に影を預けて釣られゆきし川魚らの形群れおり

目を凝らす見えない星をみるように一生かけて君を知りたい

この小舟守ってほしい月七日ときどき本の売り買いもして



それぞれドラマの転換期に読まれる、道標のような歌だった。

さらに、貴司が新聞の「新鋭歌人」に選ばれ、歌壇デビューのきっかけとなった作品。



陽だまりの方へ寝返り打つように昆布は水にひらいていった

幾たびか咳に目覚めて灯を恋うように朝を待っている

暗闇のどこで鳴いてる三毛猫よ 白い部分手がかりに捜す

落ち込んで立ち直るまでの僕の歌パラパラマンガのように眺める

麻酔から覚める心地で見分けゆく雨に揺れる葉、風に揺れる



貴司君が行く末に悩みつつ、自分を模索する時期の歌である。

もちろん実際に読んだのは貴司君ではなく、脚本家の桑原涼子氏。

桑原氏自身も歌人であり、宮中歌会始の入選経験もあるそうだ。

この歌は、物語の進行上重要な歌であり、貴司の気持ちが32文字にギュッと詰まっている。


僕は人の歌を評するほどのレベルではないのでこれ以上語れないが、この歌を俵万智氏が絶賛し、ツイッターに挙げていたという。

(余談だが、この話を朝ドラ仲間の同僚に話したら、俵万智氏を知らなかった〈驚き!〉

もっとも彼女は39歳、『サラダ記念日』は35年前なので無理はないのかもしれない。)


俵万智氏は僕の私淑する先生。


『サラダ記念日』『チョコレート革命』 | 《 幸せのひろいかた 》  フェルトアート・カントリー木工 by WOODYPAPA - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)




俵万智氏は『舞いあがれ』の最終回を見た日の投稿で、次のような歌をツイッターにあげた。


​見たいもの ほんまにみられるその日まで 螺旋描いて舞い上がる人​


『舞いあがれ』を見ていた人なら思わずうなる、このドラマのテーマを一首にまとめ上げている歌だ。

更にこのような解説がつづく。


「この道一直線じゃないところが新鮮なヒロインだった。寄り道に見えたことも、彼女のなかでは大事につながっていた。そうか、舞いあがるって螺旋(らせん)だよね」
かのような

主人公の舞ちゃん(演・福原遥)は、視聴者の予想を無にするかのような人生紆余曲折ぶりで、前作『ちむどんどん』に続く迷走作品になるのかと思いきや、迷走が螺旋だったという大団円は気づかなかった。

迷作になりそうだった作品を、一首で回収し名作に変えてしまった。

歌の力は凄いと思う。


俵万智氏は以前から”非公式応援歌人”として、ツイッターに『舞いあがれ』の寄せる歌を多数あげていた。



七夕の夜に言葉を交わせども織姫よりも遠いよ君は

それ以上近づけないけど​傷つかない「ありがとう」とは便利な言葉

千億の星の光になりたくて心が空を舞い上がる夜

一瞬の君の微笑み永遠にするために僕は歌い続ける

デラシネでうめずで夜の公園で好きって君に伝えたかった

君にだけ見える昼間の星のように一生かけてそばにおりたい

大切な友と友とが結ばれて嬉しくて泣く、寂しくて泣く



歌集『デラシネの日々』所収短歌(妄想)

一枚の葉書を君に書くための旅かもしれぬ旅を続ける

古本と亀と子どもと君と僕それだけでいいデラシネの日々

子どもらと短歌作って笑(わろ)てますお元気ですか八木のおっちゃん

おそろいの弁当のフタ開ける時君と僕とは家族と思う

平和でも歌はできると信じたいリュー北條のケーキのように

(現実)
非公式応援歌人と呼ばれてる妄想短歌とまらぬ我は




秋月さん永山短歌賞佳作作品(妄想)

胸元のルーペで世界を見るように優しさの種うたにする人

あの人が好きなんですね臆病な子猫のような瞳揺らして

灯し火になりたいなんて言ったけどあなたが私の灯し火でした

黒髪の乱れも知らず打ちふせば鉛筆を持つその手恋しき

君よ行け愛する人の手を取って天の火にさえ焼けぬその道

短歌とは心に続く道だからいつでも会える あなたに会える




『舞いあがれ』を見ていた人なら、あの時のあのシーンだと蘇る、映像が浮かび上がるような歌である。

​同じ朝ドラを見ていて、俵万智氏はこれだけの素晴らしい感性と共感で短歌をかきあげていた。

師匠のすごさを改めて知った。


これと同じことをやってみようというのが、今回の僕のチャレンジである。

おそろしく無謀な試みを思いついてしまった。

人生、恥をかいてなんぼだ。

久しぶりに、駄才を発揮して読んでみよう。



幼き日断片に写る君の顔今と重ねて運命を知る

君が見たすべてを僕も見てみたい君を作ったデータDL

ひとりならいかな生き方選べても君の人生縛りたくはなし

幸せを与えてくれる人に会う君の未来をぼんやり願う

じっとしてさなぎは蝶になれるともかたくなな僕は飛べるだろうか

君でない女(ひと)が近くにたたずんで試されるのか約束のない愛

踏み越えることがなければこれからもさよならのない関係は続く

わがものにしたき欲望おさえこみ君が行く道見送っている

知らぬ間に見ぬふりをして窓明かり影に女のしぐさが映る

短くも激しく燃えた恋でなし長くくすぶる余燼のごとく


なんとか作ってみたが、映像が浮かんでこない。

そこが決定的な劣る部分だと改めて思った。

今の実力ではここまで。

以後精進邁進。





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最終更新日  2023年05月16日 18時51分19秒
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