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空の独り言

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2005年07月14日
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テーマ:小説日記(233)
 どうしようか悩んでいた。行ってみようか、行かないでいるべきか。そうだと思い立ち取り出したのは一つのコイン。裏は立派な神殿を月桂樹のお椀で受け止めたもの。表は女神アイドゥルーンの想像図。親指の背にコインを載せて、ピーンと弾けば空に溶け込み、陽光にキラリと光る。掌にしっかり落下物を受け取り、もう片方の手で蓋をする。ああ、これで決まる。心を落ち着けて、一、二、三。ぱっと蓋した手を上げるとそこに女神が微笑んでいた。見下ろす鳶色が決まったと言葉にはしないけれどほっと安堵の吐息を吐いた。改めてコインを投げるきっかけとなった物を見る。森へと続く道、片方は頽れた神殿の跡。フード付き旅人のマントに隠れる剣の柄をもう一度の決意を心に確認するように握った。一歩踏み出す。たかが神殿、されど神殿。頽れ、誰も住んでいないと一目瞭然の神殿跡に造った者達が残した物が炸裂した。侵入者を拒まんと大きな反発力が生じ、風がうねり、男を吹き飛ばした。血飛沫が跳ね、地面へと散らばり、肉塊が落ちて転がった。転がる丸い物体。鳶色の瞳が大きく見開かれている。光を帯びてはいたけれど、死を示し、次第に瞳孔から光が失われていった。そして、一人の命の末を決めたコインがクルクルと舞って、止まるとパタリと倒れる。草がぼうぼうと生えた中、時代を超えて挑戦した者達の躯があちこちに草場に隠れて点在していることを、頭のみとなった彼は偶然その一つと向かい合って初めて知ったのかもしれない。ああ、いつになったら神殿に入ることができるのか。いつになったら許される者が訪れるのであろうか。草の中に隠れた女神のコインが日の光を浴びてキラリと光り弾いた。千年の月日が流れ、女神の信仰も薄れた頃だろうか。(つづく)

 パソコンが不安定なときにキマグレに書き留めていた小説の一部です。まだ続きを書いていませんが、こちらもキマグレにアップしてみたいなと思います。作者もキマグレに始めたので、全然設定もキャラもどんな人が出てくるかさーっぱりわかりません。(~m~)ゞ
 だから、タイトルも「徒然なるままに語りましょう」です。はっきり言って「無題」です。(^^;ゞポリポリ 
 ふっと思いついてダーッと書くものなので、忘れた頃につづきが出てくるかもしれないですが、そこは気長に待っておくんなまし。いわゆるネタ切れのときの話題埋めってやつですか……(;_q))クスン。
傾向としては、やっぱりファンタジー系ぽいですかねぇ。





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最終更新日  2005年07月17日 00時23分06秒
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