空の独り言

遠い昔日
晴れ渡る空
いつ落ちるか恐れおののく日々の中
小さな幸せを
ささやかな幸せを覚えていた人は
小さな光と共に
消えてしまった
　
落ちてくるかもしれないと
逃げ延びられると思っていた避難所も
どんなことをしても逃れられない悪魔が
一瞬のうちに
奪い去った小さな幸せ
　
理不尽に
差別を敷いていた人も
そうでない人も
一瞬に炭と化してしまった
黒い雨
　
小さな幸せを求めてはいけないのですか？
ささやかな幸せを求めてはいけないのですか？
そんな小さな悲鳴も
声も一瞬のうちに飲み込んでしまった黒い煙
　
語り部達は慟哭する
語り部達は訴える
どんなことがあろうと禁忌の悪魔に手を出してはならないと
どんなことがあろうと使うことを正当化してはならないと
自分の身に置き換えられる人よ
起きた現実は過去のモノでなく
今に続く現実に起こったこと
　
風化してはならない
正当化してはならない
目をそらしてはいけない
そう考えられる人を多く育てられるのは
今を生きる私達
どんなに国家が正当性を主張しても
どんなに思想がそうだと弾圧しても
悪魔に手を出すことは未来に繋がること
悪魔に手を出すことは
人間を止めること