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先の2010年8月10日、世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は、新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)について、警戒水準「6」の次の段階と定義している「最盛期後」と認定した。そして、2009年6月の大流行宣言から1年2ヶ月を経て、大流行の終息宣言を行った。先の新型インフルエンザでは、2009年4月27日から2010年8月1日までに感染が確認されたのは、214の国と地域で、少なくとも1万8千449人が死亡し、日本では死者が200人に達した。
終息宣言ばかりが注目されており、巷の感想も「めでたし、めでたし」や「発表が遅きに失した」ように、ほぼ二分している。ところで、マーガレット・チャン事務局長は、終息宣言だけでなく警戒を呼びかけている。残念なことにメディアもしっかりと報道しているでもなく、したがって多くの人の耳に届いていないことが気になる。 「新型インフルエンザは、現在冬季の南半球で大規模流行も無く、季節性のインフルエンザと同程度の警戒水準になった」としているのであって、「これから北半球で流行期を迎え『第二波』への備えが必要だと説いている」。終息を向かえたのは、2009年型の新型インフルエンザであって、2010年型の新型インフルエンザ対策はこれからが本番である。 ところで、昨年からのマスク備蓄運動については、残念なことに火事場の騒動にまぎれて、劣悪なマスクを大量に販売した業者がいた。また、過剰在庫を抱えた業者が倉庫代金の負担に耐え切れず、焼却処分するなどの事態も多発した。さらに営業不振で投げ売りする業者も見受けられた。 良い品質(「ネルソン研究所」が品質を保証しているものや「北里研究所が治験したもの」など)であれば、1シーズンに一人あたり60枚ほどのマスクの備蓄はあってよいはずである。冷静に考えれば、今年の新型インフルエンザに備えて蓄える作業を行うべきではなかろうか。「隗より始めよ」である。FSUN事務局は、事務局用のマスクは早々と備蓄を完了した。 ただ、今後のことを考えると「喉もと過ぎれば熱さ忘れる」ではないが、昨年同様に備えてもらうためには、熱心に持続的なキャンペーンをおこなわざるを得ない。さて、とても心配な発表があった。それは、2009年型新型インフルエンザのような「弱毒性の新型インフルエンザウイルス」は、それ自体に人の命を奪うような力が無くても、「強毒性の新型インフルエンザウイルス」や「鳥インフルエンザウイルス」とくっつき、いつでも「強毒性」の新型インフルエンザウイルスに化けてしまうというのだ。備えあれば憂いなし。早めの備えを御願いしたい。 FSUNメルマガのバックナンバーはコチラ 国連支援交流協会 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年09月16日 10時11分31秒
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