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北朝鮮分析

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2010年08月31日
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カテゴリ:北朝鮮問題の分析
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北朝鮮の食料事情が本格的に悪化し始めた1970年代末頃から、農民たちの不満を減らして、農業生産性を高めるためのインセンティブとして、集団農場の農場員一世帯当り60~80m2程度の畑を与え、個人で耕作できるように許容した。ところで、この個人耕作用の畑の生産性が、集団農場に比べると10倍以上になるという驚くべき結果が現われ、北朝鮮政府を慌てさせた。

このように農村で野菜などの余剰農産物が生産されるようになり、このような農産物と犬、兎、山羊などの家畜を対象に、10日に1回くらいの割合で開かれる「原始的形態の市場」で、主に生活必需品と農産品の物々交換の直接取引が行われるようになった。これを「農民市場」または「市場」と呼ぶようになった。

当初は数カ所しかなかった農民市場が、90年代に入って急激に増加した。郡別に1~2カ所、市別に3~5カ所の「市場(チャンマダン)」と呼ばれる「農民市場」が現れ、北朝鮮全域に約350カ所が誕生したとのことである。「市場」では北朝鮮全体の生活必需品の60~70%が取り引きされていると言う。また、取り引きされる商品の大部分は、中国を通じて入って来たものであり、取り引き価格は北朝鮮の公式価格(配給価格)の少なくとも数10倍から数100倍、時には1,000倍の闇取り引き価格もあるとのことである。

価格の差が最も激しい「コメ」の場合を例にあげてみると、コメ1kgの公式配給価格は0.08ウォンなのに、闇取り引き価格は、信じられないことに約75ウォンであり、下級労働者1カ月分の月給に相当するという。すると、闇取り引き中心の農民市場の登場は、単に北朝鮮の食糧不足などの物資の欠乏と経済的な立ち後れだけを意味するのだろうか?総体的な経済破綻という側面だけではなく、もっと根本的で深刻な問題を示唆している現象ではないかという点を考えて見る必要がある。

[1]共産革命の最初のボタンと最後のボタン

ソ連占領軍が1946年2月8日、「北朝鮮臨時人民委員会」を設置して真っ先に着手したことは、1946年3月5日に制定した、所謂、「土地改革法令」であった。これは農業経済が主流を成していた当時の社会で、「人民民主革命」を推進するためには、既存の土地制度を崩壊させて既存の民族主義勢力の経済的基盤を抹殺するという側面と、共産党が生産手段を掌握するという2つの側面から、「重要な意味」を持っていた。

土地改革初期の「耕者有田」というスローガンは、北朝鮮政権の樹立後、第1次、第2次経済計画と朝鮮戦争前後の復旧時期を経て、1958年に毛沢東式の「農村集団化」の強行へと繋がり、終には農民を一時的に欺いた共産化政策だったことが明らかにされた。

その後、1972年12月に改訂された北朝鮮の社会主義憲法では、農業だけではなく鉱、工業などの北朝鮮の全ての生産手段と所有形態は、公有と共有しかない完璧な社会主義天国になったと断言した。

このように北朝鮮の共産集団は、「私有制度と市場経済」の破壊を社会主義革命の目標にして、「農業の集団化」という世紀の愚かな手段を選択したのである。特に北朝鮮の場合、社会主義革命の開始と完成(?)を、農村の集団化と市場経済の抹殺に置いた。

このように見てみると、農民市場(市場)の登場と拡散は、社会主義革命の失敗を意味すると考えられる。即ち、「資本主義とブルジョアの生成」をもたらす危険性がある反社会主義的状況を捨てておくしかないということは、単純な経済難の一断面ではなく、体制崩壊の兆候と見なければならない。

1945年8月17日、羅津(ナジン)港に上陸して北朝鮮に進駐したソ連軍と忠実な追従者の金日成が、混信の努力で完成しようとした共産化革命が約60年で「失敗」終わったということが、市場という名前の「農民市場」の登場で分かる。

[2]苦難の実験が、とうとう終わりを告げるのか?

北朝鮮金正日の独裁体制を支えている3本の柱は何だろうか?

(1)人間の本能的基本欲求を抑圧統制する政治社会的制度及び装置
(2)厳格な相互批判監視と処罰の恐怖
(3)徹底的な閉鎖で、人民に対する集団洗脳教育と体制盲従、盲信の維持

こういった項目を労働党宣伝扇動プログラムと有機的に結合させて相乗効果を出して運営することによって、今飢え死にしても「金正日将軍の恩恵、我々方式の社会主義地上楽園」だけを呪文のように唱えて、幸せに死んで行く群衆たちで一杯の謎の国を作り上げた。北朝鮮の人民を金正日独裁政権に奴隷のように屈服させるメカニズムの中で一番重要なことは、何よりも「人間の本能的基本欲求を抑圧統制」する手法のようである。このメカニズムの主要骨子は、a.配給制、b.自由の制限、c.思想統制だと言える。

まず、「配給制」は全ての人民に余裕と充足を与えないことによって、服従と忠誠を強要することができる。これは共産党式支配と抑圧論理の基本になる。北朝鮮は食糧を含む全ての生活必需品を、徹底的な「配給制」で管理して来た。

ここで、人間生存の基本要素とも言える「食糧配給」問題を詳しく調べて見よう。北朝鮮は1958年に農村の集団化と共に、社会主義建設という名目で、全面的な食糧配給制を実施した。「食糧の無駄使いを無くして、全ての構成員に均等に分配する」というそれらしい理由と名分を掲げていたが、食糧の無駄使い防止と均等分配よりも、「戦争備蓄用のコメ」の確保と、身分による「差等受恵の制度化」、及び共産革命の基本である「私有制度と市場経済」の抹殺という目標が隠されていた制度だと言える。このように考えてみると、市場と呼ばれる市場が各地に生まれたことは、「資本主義とブルジョアを生成」させて、60年間金日成から金正日まで世代を超えて引き継がれてきた社会主義体制が崩壊する兆候と見られる。

また、農民市場が北朝鮮住民の生活必需品の60~70%を供給するようになったということは、単純に物資供給体系に異常が生じたこと以上の意味がある。強力な住民抑圧統制手段の一つが完全に麻痺して無力化されたことを意味するからである。また、「市場」の発達は必然的に人々の往来をもたらすので、口コミで伝えられる情報の流通を統制することができなくなる。もちろん、旅行、居住地の移転、職業の選択、私有財産の制限などの社会的強制の緩和、あるいは解体が不可欠になるという意味もある。

「市場」の登場が社会主義体制に及ぼす打撃は、想像することができない程大きくて深刻なものである。全国350カ所に「市場」が生じたということは、共産政権が住民に対する「統制力」を徐々に喪失しているという証拠であると同時に、約60年間続いた苦難の実験が完全に失敗したことを意味する。

[3]新しいスタートはどのように始められるか?

北朝鮮に「市場」が登場したと言って、金正日独裁体制が崩壊することを意味するのではない。ただ、苦難の社会主義60年の実験が終わって、体制の崩壊が始まったことを意味するのである。そうなると、北朝鮮の崩壊現象をどのように管理するかが問題である。国際社会の一部では、まだ対北朝鮮支援をしなければならないと主張している。しかし、このような支援の目的が、崩壊しつつある金正日政権を対象にするとしたら問題である。金正日を相手にドルと食糧を提供しても、金正日独裁体制の延命の助けになるかも知れないが、「北朝鮮体制」の秩序ある変化を期待することはできないからである。北朝鮮人民の抑圧と苦痛だけが延長される結果をもたらすだけである。

従って、目標は北朝鮮の市場にならなければならない。北朝鮮当局を経ないで、北朝鮮の「市場」に大量で良い商品を投入することができたら、これを購入する北朝鮮人民は新しい世界を知るようになるからである。即ち、彼らを覚醒させられるからである。このように国際社会は北朝鮮政権を相手にするのではなく、北朝鮮市場に侵透する方法を捜さなければならない。

「市場」の活性化こそ、北朝鮮独裁政権の圧制を乗り越えられる最も効果的な方法だからである。金正日に「改革開放」を要求する必要もない。「市場」の成長が、即ち改革であり開放だからである。






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最終更新日  2010年08月31日 08時18分43秒
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