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日航、退職後も家族向け航空券=早期募集で条件 2010年3月16日(火)04:03 会社更生手続き中の日本航空が、人員削減の一環で募集している特別早期退職(特早退)の条件として、割増退職金に加え、退職後も引き続き家族向け航空券を支給すると提示していることが15日、明らかになった。経営再建中とあって退職金の割増を抑えざるを得ない中、希望者を募るための異例の措置。ただ、特早退実施後も一定のコストが継続して発生する問題もありそうだ。 (時事通信社) ***************************************************************** こんな記事が出るのではないかと思ってはいたが… さらに、この記事に尾ひれをつけて、昨日の夕刊フジは次のような試算をした。 ***************************************************************** 仮に国内線を羽田-札幌の片道普通運賃35700円で換算すると・・・85万6800円。国際線を成田-ニューヨークの往復エコノミー運賃で換算すると年間108万1440円、合わせて「年間193万8240円相当が支給」される。この条件で20年間支給されれば、総額は3862万8800円・・・ ***************************************************************** この試算、前提が悪意に満ちている。 とにかく支援を国から受ける以上、何とかJALもスリムにならなければならない。だからと言って、簡単に大量の指名解雇は現状をより悪化させるから、とにかく先ずは円満(?)に自発的に辞めてもらうための措置として、「個人都合」ではなく「会社都合」として正規退職金に多少の上積みをして、少しでも多くの応募を目指しているわけだ。しかし、多少の上積みで目標値に達するかどうか…しかし、国から支援を受ける以上、キャッシュをこれ以上使えない。 だ・か・ら、「家族向けの航空券の継続支給」という「実質、会社に金銭的に負担のない=国の支援金を使わないで済む制度」を「エサ」にしているのだ。この航空券、空席がなければ使用できないし、繁忙期も使用制限がかかる。だから、繁忙期の旅行などには使用できないし、海外旅行なども空席ベースでの搭乗しかできない航空券だから不便なのだ。航空会社としては、「空気を運ぶ=空席がある状態」よりは、社員サービスをと言う観点でできているため、せいぜい機内での無料ドリンク代程度で持ち出しは済む。国際線などは無料と言ってもミール代に相当する額は必要である。つまり、実質的にJALには費用負担がかからない制度なのだ。 確かに「この措置を使って辞める方には」メリットはある。しかし、ある意味、この支給は「国からの支援金を使わずに」JALをスリム化するための方策であって、これを支給することで、当然応募者数は増えるだろうし、スリム化が進むわけだから、国の支援を無駄にしていると言うような論調になるのはおかしい。 次に夕刊フジの換算方式についてだが… まず、JALを自発的にせよ、辞めざるを得ないような方が、年間に何往復も羽田-札幌を「空席ベース(つまり、空席がなければ搭乗できない)」で移動して、この制度を使い切るのだろうか?更に、国際線のメリットも使い切るのだろうか?無理だ。権利は与えられても、行使しきれない。国内線や国際線に「ただ乗るだけのため」に権利行使する者はいないだろう。リストラされた者にそんな暇はない。 次に、この年間193万円って数字、仮に「使い切れれば」それだけのメリットになるのか?いや、違う。今の時代、空席ベースで国際線も国内線も搭乗する個人客はいないし、正規運賃で搭乗するような個人客も稀だ。格安航空券や事前予約の割引などを使用することが圧倒的だ。このような格安航空券が出回っていることも航空会社にとっての大打撃である事は周知の事実。今や、(格安航空券や事前割引等が)当然の選択であるにもかかわらず、それを無視して正規料金を前提に換算すること自体無意味…それ以上に悪意を感じる。 国民感情としては即刻「指名解雇」せよ!ってことなのだろうが、2000人も指名して解雇すると言うのがどれだけ難しいか。解雇ではなく、指名退職(会社都合)としても、その指名の合理性はどこにある等々、議論は尽きない。当然争議になり、裁判に発展する。そういう事態になれば再生など不可能だ。だから、何としても早期のリストラを進めなければならず、それを支援金を使わずに進めようとしている時に、どうしてこのような記事が出るのか、理解に苦しむ。国民感情を悪化させるように煽るだけでは、それこそ支援金は無駄になるだろう。
まことに、おっしゃるとおりですので、弊ブログにてご紹介させていただきます。
航空評論 秀島 一生 http://www.hideshima-issei.com(2010.03.19 02:51:26)
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