機械式時計と煙草でブログ！

　バージニア系の「No.1」と言えばマックバレン「バージニアNo.1」ですが、ラタキア物の「No.1」と言えば今回取り上げるビュテラ「ロイヤルビンテージ・ラタキアNo.1」という事になるのではないでしょうか。何処がどう「No.1」なのかは分かりませんが、人気もある銘柄のようですし、とにかく吸ってみます。

　開封時の香りは、硬質でかなり強い感じの鰹節臭です。ラタキアのブレンド比の高さを感じさせる匂いなのですが、糸を引くような腐敗臭ではないので、抵抗感はあまり感じません。カットは、ちょっと細かいリボンカットとラフカットの混合で、湿気は普通です。

　これを火皿内径22mmのパイプに詰めて着火しますと、鰹出汁を効かせた上に味醂で少し甘味を加えた濃い目のお吸い物のような味が来ました。パンチがあるという訳ではないのですが、だいぶ濃厚でコッテリした味わいに感じます。香りも大筋で出汁系です。なるほど、如何にも「No.1」と言いたくなるような濃密感です。ただ、割りと硬質な味と香りで、腐敗系ではないので、意外にすんなり吸えます。この感じは、以前に吸ったマックバレンの「ビンテージシリアン」と似ています。あの煙草も、シリア産ラタキアが50%くらいブレンドされたゴリゴリのラタキア物だったのですが、意外に硬質な喫味で、割りと抵抗なく吸えたのを憶えています。

　火付きと火持ちは普通だと思います。バンバン燃えるでもなく、全然燃えない訳でもなく、中庸な燃え方だと思います。いや、ちょっと燃え進みは遅い方かなぁ。

　喫煙中盤以降も基本的には同じ濃厚な喫味が続きますが、煙の温度が高くなってきたためか微妙に舌へのチクチクする刺激が出てきます。ただし、燃やし過ぎのバージニア葉からのアルカリ性の刺激とか、バーレー葉の刺激とかとはちょっと違って、ちょっと塩気のある刺激です。

　で、終盤も同じ喫味で続き、そのまま喫煙終了。後味は出汁系で、残り香は硬質のラタキア臭でした。
　全体的に見て、ネバネバした感触のない硬質な出汁系のラタキアが濃厚に味わえる煙草でした。これだけの濃厚さがあれば、「No.1」と名乗りたくなるのも頷けます。逆に言えば、ラタキア以外の部分はほとんど表に出てこず、奥行きがないとは言いませんが、広がりのない一本調子の煙草だとも言えると思います。

　「ラタキアをガッツリ吸いたい！」と思った時には最適な煙草なのだと思います。


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