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2007.07.10
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ダイアリズム・レポート Jul.10

AFCアジアカップ2007
日本代表 1-1 カタール

【得点者】

後半16分 高原直泰(フランクフルト)
後半43分 キンタナ・セバスチャン(アル・ガラファ)

 現地取材ができない筆者のレポートに「ジャーナリズム」を名乗るのはおこがましい。しかし「書きとどめておきたい」という衝動はなんともしがたく、「ダイアリズム」として本ブログを更新することにした。

 ハーフタイムに報告されたピッチ情報によれば、イビチャ・オシム監督は「もっと危険なプレーをしろ」と選手たちに檄を飛ばしたらしい。だが、これは“訳不足”だろう。正確には「リスクを冒してでも、もっと攻めろ」という指示を出したはずである。気温や湿度の差もあって単純な比較はできぬが、カナダで闘うU-20がオシムイズムの「ボールも人も動くサッカー」を具現しているのに対して、その母体であるオシムジャパンの前半はあまりにも足が重かったからだ。

 それにしても、オシムが気の毒だ。「アウェイゲームを増やしてほしい」「国内リーグの調整をしてほしい」などの老将の要求に、協会が応えきれてない。欧州選手権や南米選手権と比べればレベルの差こそあれ、アジアカップはワールドカップに次ぐビッグタイトルだ。昨夏の新代表立ち上げ以来、今回のアジアカップまでに10試合を闘ってきたが、同予選の3試合を除けばいずれもホームゲームである。たとえば3月に来日したペルー代表と違い、5月のコロンビア代表はほぼフルメンバーを揃えてきた。しかし彼らの日程を考えればガチンコ対決とはとても言いがたかった。

 4月の会見で、オシムは苦虫を噛み潰したような表情で言ったものだ。

「今日はスポンサーの方が同席なさってます。そのほか、キリンカップを成功させるために努力してる方がたがいらっしゃいます。そのような席で”キリンカップはたんなるテストだ”と申し上げるべきではないでしょう。”テスト”だとか”リハーサル”という表現を使えば、スポンサーや対戦相手に対して失礼じゃないですか」

 詳細は筆者の4月のブログを参照されたいが、コロンビアといえば、ワールドカップのベスト16クラスと言ってよい。事実、ジーコ時代の03年コンフェデレーションズカップで、日本はサンテティエンヌでのコロンビア戦で苦杯をなめているではないか。そのチームに「0-0で接戦を演じた」とメディアは暢気に騒いだが、なぜ引き算ができないのかが不思議である。

 12日にカナダで行なわれるチェコ戦に向けても、メディア報道はチェコの恐ろしさをないがしろにしたままだ。「ここまで来たら、もう優勝しかないっすよ」などと、20歳になったばかりの子どもたちの声だけをクローズアップしている。だがチェコの養成システムは、欧州でもトップクラスと聞く。日本がグループ予選最下位で敗退した01年ワールドユースでは、ベスト8まで駒を進めたチームである。スター選手作りに明け暮れている場合ではないだろう。

 閑話休題。

 ひどく準備不足のままハノイへと旅立った日本代表はカタール戦の前半、疲労を考慮してか、スロースターターで臨んでいた。アナウンサーは「ボールの支配率では日本が圧倒」と説明していたが、それは前半の日本が「安全なサッカー」を選択していたからだ。対するカタールも深追いをせず、ゴール前を5人の選手で固めていた。日本は相手を引き出したい、カタールはその手に乗らない。そんな駆け引きの45分間だった。

 これを破るにはル・マンの松井大輔や浦和レッズの田中達也、あるいはガンバ大阪の播戸竜二など、前へ突っかけていく選手が効果的だ。彼らが突破を阻まれても、日本最大の武器であるセットプレーからのゴールが期待できる。中村俊輔をはじめ遠藤保仁、中村憲剛、阿部勇樹など、日本には優秀なプレースキッカーが揃っているからだ。しかし達也はケガからの復帰後、先月末のジュビロ磐田戦で再び負傷してしまった。播戸も同じく代表から負傷離脱、松井にいたってはキャンプにも呼ばれていない。もし「欧州遠征」という協会からのバックアップがあれば、オシムは迷うことなく松井をフランスから招集していたと思うが、現実はそうはならなかったのである。

 そこでオシムは残り45分間、選手たちに「挑戦する」ことを指示したのだと想像できる。その成果が後半16分の先制点につながった。山岸智と縦にポジションを入れ替えた今野泰幸が左から低弾道のボールをゴール前に入れ、これにタカが左足インサイドで合わせたのだった。

 その後、オシムは29分に羽生直剛、37分に橋本英郎を投入したが、この交替は的確だったと思う。運動量の多い羽生で相手DFを引きつけ、カタールのゴール前にスペースを作ろうという意図が伝わってきた。また橋本の投入は、目に見えて動きが鈍ってきた憲剛を下げ、守備を固めて逃げ切ろうというプランだったはずだ。

 しかし試合後の指揮官の怒りは、半端ではなかった。「おまえらは、それでもプロか」と激怒したと伝えられている。もっともな話だ。まず、あれだけ芝が深ければ、キックを抑えなければボールが浮き上がってしまう。プロの選手であれば当然熟知しているはずの「いろは」を、山岸は2度にもわたってシュートをふかした。1点を奪ってからディフェンシブになったラインにも問題はあったが、より深刻だったのが阿部勇樹のプレーだ。

 カタール寄りに傾いていたオーストラリア人主審のレフェリングに対して、彼は油断しすぎていた。ウルグアイ生まれのストライカーの突破に対して、ボールと相手の間に体を入れるだけで良かった場面で、あろうことかショルダータックルをお見舞いしている。国内では質の高いディフェンダーとはいえ、国際経験の少なさを指摘せざるをえない。くだんの01年ワールドユースをはじめ、阿部は肝心な大会を前にいつもケガに泣かされてきた。繰り返すが、後半のオシムは「安全に流せ」とも言っていないし、「危険なプレーをしろ」とも指示していないはずなのだ。終了まで残り2分という場面で、阿部の危険で軽率なプレーが「勝ち点2」を消してしまったのだった。

 オシムは、このふたりの選手に罰を与えるかもしれない。だとすれば山岸のポジションには佐藤寿人、阿部の替わりには坪井慶介が想定される。

 しかし13日のUAEは、ひじょうに危険な相手だ。05年ワールドユースのホストカントリーとして飛躍したうえ、監督は策士のブルーノ・メツである。ワールドカップの02年大会でセネガル代表を率い、母国・フランスを破るなどのサプライズを起こした男だ。しかもホームのベトナムに0-2で破れ、あとがない。日本戦には、まちがいなく全力で臨んでくるだろう。

 ちなみにアジアカップ初出場のベトナムにゴールをもたらせたのは、10番のフイン・フック・ヒェップと9番のレー・コン・ヴィンだった。ベトナムのサポーターは過激だ。現地の声援に押され、レフェリングにも大きな影響を与えるだろう。UAE戦の結果次第では、大差での勝利が義務付けられる。はたして準備不足のブルーズは、そのプレッシャーに耐えられるだろうか。

【了】


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最終更新日  2007.07.10 14:37:27
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