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テーマ:映画館に行こう!!(371)
カテゴリ:映画レビュー(☆☆☆★★)
「マッハ!」「トム・ヤム・クン」と、ワイヤー、スタント、早回し、CGを一切排し、文字通り身体一つのバリバリアナログアクションで、全世界に殴り込みをかけた「象に乗ってやってきた新ヒ-ロー」トニー・ジャー。 そんなCG至上、安全第一主義に冷め切っていたカンフー映画ファンのハートに、熱い必殺のティーカウコーンをブチかましてくれたトニーの、待望の新作は、彼自ら主演、監督、原案、武術指導の一人四役をこなした、超痛快娯楽アクションエンターティメントムービー。 まあ、いきなり結論から書いてしまうと、ベースとなっているタイ王国の歴史を、我々がまったく存じ上げないのも要因の一つとしても、正直、ストーリーは超つまんない(笑)。 暴君によって国を追われた少年が、拾われた山賊から学んだ格闘術を武器に復讐を誓う、といった定番中の定番ストーリーながら、物語としてのまとまりはなく、落とし方も実に後味が悪い。 また、ヒロインをはじめとした登場人物も、数人「キミは、一体何のためそこにいたの?」と首をかしげたくなる配置が目立ち、一つ一つのエピソードを効果的に動かせていたとは、お世辞にも言い難い、全体的に雑な印象。 おそらく世界中の映画や読み物に触れ、猛勉強しただろう痕跡は多少窺えるものの、世界を相手に内容で勝負できるレベルには至ってないというのが、率直な感想。タイの映画事情はやはり存じ上げないが、少なくとも日本のソコソコの制作会社なら、この程度の脚本で映像化される事はまずないと、考えた方がいい。 まあとはいえ、そんな事この際どうでもいいと思えるぐらい(笑)、今作も度肝抜きまくりハンパネェアクションのオンパレード。今までの「象はどこだ」としか喋らない、好青年のイメージを払拭するかのごとく、ワイルドなロンゲを振り回し、時に無慈悲に、時にバイオレンスに暴れまくるトニーは、理屈ぬきにカッコいい。 冒頭からワニとの格闘、象の背渡りと、ご当地以外ではまず思いつかない、ムチャなスタントをカマしてくれたかと思えば、酔拳、五形拳、居合い、剣術、縄標、手品(?)と、ムエタイ以外の技も次々華麗に披露。お約束の1VS複数のクライマックスに加え、 特に片や拳法、片やムエタイの1対2ハンディマッチで観せた、闘う相手に合わせて瞬時に格闘スタイルを変えるという、前代未聞の離れ業には、もはやアクションを超えた哲学さえ感じてしまった。並外れた身体能力と培われてきた発想力が生んだ、まさに奇跡の一戦であった。 普段から「映画は内容が全て」と公言して憚らない小生が言うのも何だが、もともとこの手の作品に中身を求める人はそうはいまいと断じた上で、本作をこう評する。 とにかく、アクション以外のシーンは寝てていい。場内スピーカーから叫び声とか効果音が聴こえてきた時だけ起きてりゃ、元は取れる(笑)。 しかし、タイ発信である事を鑑みると、この独自の文化の中で育まれてきた泥臭さも、意外と味なのかなぁという気になり、同時にそんなに嫌いじゃなかったりする。できればこのままハリウッドナイズされずに、我が道を突き進んでいただきたい。 そのうちジャッキーやジェット・リーとの競演も観たい気もするけど。 まあ、そんなわけで、そういや今年一発目の、小生の、この映画に対する評価は…、 ☆☆☆★★ 星3つ!! (内訳:内容2つ、アクション4つの平均点) 送料無料!!【DVD】マッハ! プレミアム・エディション/トニー・ジャー トニー・ジヤー 送料無料!!【DVD】トム・ヤム・クン! プレミアム・エディション/トニー・ジャー トニー・ジヤー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
January 12, 2010 08:59:43 PM
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