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May 18, 2010
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書道ガールズ.jpg
 当ブログ開設以来、勝手に映画レビューみたいな物を書き続けてもうすぐ3年になるが、今回初めて、採点から書かせていただく事にする。


 小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆☆☆

 「おくりびと」以来、約1年半ぶりの星5つ!!


 感動した。素晴らしかった。中盤以降、涙が止まらなかった。上映後、許されるなら全力でスタンディングオベーションを贈りたかった。
 なにより、恥も外聞も捨てて、心の底からそう思える映画に出逢えた事が、映画ファンとしてこの上なく嬉しい。本作に関わった全ての出演者、スタッフ、及び関係者の皆様方に、最大級の感謝と敬意と賛辞をお贈りしたい。


 「紙のまち」愛媛県四国中央市で、実際に起きた出来事を映画化。廃部寸前だった書道部部員の少女(一部少年も)達が、廃れていく街に活気を取り戻すべく「書道パフォーマンス甲子園」を企画、開催。失敗と挫折を繰り返し、時に喧嘩し、時にすれ違いながら、一つの目標に向かい、一致団結していく姿を描く。
 
 
 冒頭、成海璃子演じる主人公・里子のナレーションにもあるように、「どこからでも紙工場の煙突の煙が見える」町がこの映画の舞台であり、同時に現在の彼女達にとっての「世界の全て」である。
 不況と時代の影響か、長年守り続けてきた店を畳み、「仕方がない」と自嘲気味につぶやく街の大人達。人通りの減った商店街の、シャッター一つ一つに貼られた「閉店」の文字の裏には、絶望と慟哭に抗おうにも抗いきれず、いつしかそんな気力さえ失い、溜息とともに享受してしまった、あるいは享受せざるを得なかった人々の、画面に映る以上の人生が刻み込まれているように感じ、同じく田舎に住む者として、胸が締め付けられる想いがした。
 
 その「世界」の中で、彼女達書道部員も、必死にもがき続ける。ある者は友情、ある者は家族、またある者は自身のあり方に、戸惑い、苛立ち、あるいは他の大人達のように自嘲しながら、持て余したエネルギーの矛先を求め、徒手空拳する。
 やがて、彼女達は書道パフォーマンスに出会い、当初反発し合いながらも、徐々に「みんなで一つを書を完成させる楽しさ」を知っていく。
 何度も失敗し、空回りし、嘲笑され、挫折し、ついに気持ちがバラバラになりかけても、彼女達は筆を走らせ続ける。いつしかそれが、彼女達自身の成長を促し、周囲の人々の心を動かし、一つの大きなムーブメントを生み出していく。

 結論的な事を書いてしまうと、結果として彼女達は、具体的な成果を生み出したわけでも、ものすごい記録を打ち立てたわけでもなく、まして街に活気を取り戻した英雄になれたわけでもない。
 もっと言うならば、彼女達は結局最後まで、何一つ完璧にこなせない。必ず何かしら失敗し、力を発揮しようとすればするほど、無様な醜態をさらしてしまう。
 だのに、そんな彼女たちの表情は、まるで勝者のごとく誇らしい。墨に塗れた顔で、どこまでも晴れやかで爽やかな、ピカピカの笑顔を見せてくれる。
 何故だろうか。それは彼女達が、全身全霊で挑んだからに他ならない。たとえ無様でも、カッコ悪くても、絶対に諦めず、逃げ出さず、自分が、自分達が成そうとした事に全力で挑んだ結果、前のめりに倒れたに過ぎない。
 すなわち、これこそが彼女達にとっての「今を生きている」という実感なのだ。小生が「世界」という言葉を使ったのはまさにこれで、「煙突の煙が見える」範囲しか知らない彼女達が、やがて大人になり、外の世界へと大きく羽ばたいていく、そのために踏みしめる大地をようやく足をつけた、人生のスタートラインが見えてきた、そういう実感を五体に漲らせている姿が、彼女達をキラキラと輝かせているに違いない。

 彼女達は決して、強い人間ではない。年相応の悩みを抱え、やはり相応の脆さを持つ。そして、彼女達を導く立場にある臨時教師や彼女達の親も、同様に人間的な脆さ、曖昧さを有している。
 だからこそ、時に本気でぶつかり合い、傷つき、すれ違い、誤解を生みながらも、お互いの脆さを支え合える。相手の弱さを知っているからこそ、自分の弱さもごまかさずに曝け出し、手を差し伸べ、受け止め、つけてしまった傷ごと抱きしめられる。

 彼女達を取り巻く環境は、彼女達が思う以上に暗く、重く、哀しい物に違いない。おそらく、周囲の大人達がそうであるように、彼女達が何をどうしようと、覆りようのないほどに。
 ネタバレになってしまうが、大会後、街が、あるいは彼女達がどうなったのか、語られる事なく本編は終了する。上記の事を考慮すると、楽観できるほど事態が好転したとはどうにも考えにくい。
 しかし、重要なのはそこではない。普段から「結果が全てだバカヤロー」と公言して憚らない小生が言っても、何の説得力もないかもしれないが、大事なのは結果がどうあれ、そこに踏み出そうとする勇気と、最後まで諦めないハート。そして自分と、自分を支えてくれる全てに対する愛情とリスペクトなのだ。
 現代人、特にいつの間にかつまんねぇ大人になっちまった小生のような者が忘れているそれらが、本作にはギュギュッと詰まっている。そんなつまんねぇ大人にこそ、彼女達の真っ直ぐで純真な姿が、否応なく涙腺を直撃する。

 
 この映画、何もかもが完璧とは言わない。人によって、叩こうと思えばいくらでもそういう部分が出てくるに違いない。
 加えて、期待しているような(?)恋愛要素や「萌え」的シーンは皆無であり、お世辞にもオシャレでもスタイリッシュでも、ましてクレバーでもない。
 だが、あえて言いたい。それが良いのだ、と。確かに、計算され尽くした脚本もいい。鬼気迫る役者の演技も、ド派手なアクションも、良い映画の条件には違いない。しかし、それらを超越した、筆舌に尽くしがたい何かが、本作にはある。
 大会で、彼女達が完成させた書こそ、現在進行形の彼女達の象徴であると、小生は思う。不完全で、不器用で、要領悪くて、ドン臭くて、イモ臭くて、発展途上。その全てが、本作を構成する重要なパーツであり、同時にたまらしく愛しくさせる要因であると断言する。
 

 正直、この映画について本気で語り出したら、当ブログの文字数ギリギリ書いても、一日一更新で2、3週間かかってしまいそうなので、この辺で留めておく。
 ただ、これだけは声を大にして言っておきたい。おそらく今年中に、本作を越える映画にはお目にかかれまい。今から宣言してしまおう。本作は間違いなく、今年ナンバーワン作品である。
 「どうせ、今流行りのガールズムービーでしょ?」とか「よくある御涙頂戴劇なんじゃない?」とか、思いたければ思っていただいて結構。ただし、真意のほどは是非とも映画館に赴き、ご自身の目でご確認を。
 もちろん、人前で号泣しても、責任は負いかねるのでご了承を。


ズームイン!!から生まれた感動リアルストーリー 書道ガールズ甲子園 汗と涙の舞台裏
 

書道ガールズ!!わたしたちの甲子園 オリジナル・サウンドトラック


 余談だが、小生は今でも「マイマイ新子」に5点満点を点けなかった事を、激しく後悔している。初回鑑賞時、非常に素晴らしい作品ではあるものの、果たしてこれを評価対象として観てよいのかと思う点が非常に多く、一瞬の判断ミスを招いてしまった。
 二、三回鑑賞時に、思い切って採点しなおそうかとも考えたが、一度下したジャッジを覆すのは、自身に対しての裏切り行為であり、矜持に反すると判断。思い止まった経緯がある。
 当初、本作の採点にも相当に悩んだが、二度とあんな後悔をしないよう、熟考の末、今回の評価に至った。とにかく、騙されたと思って一度ご鑑賞を。

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最終更新日  June 4, 2010 06:11:51 PM
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