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March 14, 2011
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 ジョン・ジョーンズ原作の長編実録小説『タッポーチョ「敵ながら天晴」大場隊の勇戦512日』を、竹野内豊主演、「愛を乞う人」「必死剣鳥刺し」平山秀幸監督で映画化。


 第二次世界大戦後期、アメリカ軍の統治下となったサイパン島で、兵力、物資ともに圧倒的不利の状況の中、残された兵士と民間人のために戦い、米軍から「フォックス」と恐れられた実在の陸軍大尉の物語。
 一見して、ありがちな反戦映画か、日本人英雄譚のように思われがちな本作だが、その実、己が責務を全うせんがため、私情を殺して強大な敵に臨んだ男と、彼を取り巻く人々の様子を丁寧に描いた、熱のこもったヒューマンドラマだった。

 ありとあらゆる不条理、理不尽を飲み込み、ただ生き残る事、同胞を守る事に全身全霊を傾け、その志を愚直なまでに貫き通す大尉の姿を、「日本一爽やかなヒゲメン」竹野内豊が好演。「一億玉砕」「神州不滅」の精神に疑問を抱きながらも、日本軍人としての誇りを胸に、静かな闘志を燃やすその様は、勇ましさの中に、どこか割り切れない哀愁を感じさせる。
 見る人によっては「なんと要領の悪い男か、違うと思うのなら、行動に移せばいいじゃないか」と思うかもしれないが、おそらくそうではない。彼は、否、彼らは、他の生き方を知らないし、出来ないのだ。
 有人神である天皇こそ正義の具体と叩き込まれた彼らにとって、それは司祭がイエスの存在を否定するかのごとき、すなわち神への冒涜行為に違いあるまい。
 ゆえに日本の敗戦を知らされたあの瞬間は、彼らにとって奉るべき神を失ったのも同義であり、だからこそ、彼はあの時初めて、自分の意思をまかり通す覚悟を決め、軍刀を差し出したのではないだろうか。

 戦争を知らない若輩の小生が、勝手な想像を並べたところで、所詮は机上の空論である事は存じているつもりである。
 さらに言うなら、平和な世に生まれ育った小生達世代が簡単に、特にかの戦争について論じてよいのかとも、時々思う。
 例えば作中、井上真央演じる看護士が、唐沢寿明氏演じる傭兵に自動小銃の扱い方を教えてもらうシーンがあるが、はたから見るとそれは、思わず吹き出してしまいそうなほど、滑稽な場面である。
 しかし現に我々は、そういう人々の上に今こうして立っている。鬼畜米英の銃器に竹やりで応戦し、水のような粥で飢えをしのぎ、あらゆる不条理を「御国のため」の一言で丸め込んできた、はっきり言ってしまえば無意味極まる、バカみたいな苦労の果て、ボロクソに敗れ去った人達が築き上げたこの国の豊かさの上に、我々は間違いなく立っている。
 その揺るぎない事実を前にして、はたして誰があの看護士を笑える?誰が偉そうに、あの戦争はああだこうだと、論ずる事ができる?

 いや、きっとそれを踏まえた上でも、我々は論じなければならないのかもしれない。
 ちょうど我々の世代がそうであったように、豊かなこの国の、平和な世を謳歌する者の責務として、我々は後の世に、そのバカみたいな苦労話を伝えていかなければならないのかもしれない。
 ある意味エンターテイメントとは、そんな歴史を後世に残し、忘れさせないための装置という役割もあるように思う。

 なので、ここで小生が偉そうな御託を並べるのも、決して自惚れではないと、開き直ってみる。

 さて、くだらない事を書き過ぎて忘れていたが、上記した井上真央唐沢氏を含め、日本人キャストの芝居も非常に素晴らしかったと付け加えておく。
 特に、阿部サダヲ氏の珍しいシリアスな演技は意外なだけでなく、いつものコメディ調とはまた違った味でよかった。あの人は20年後、今の笹野高史氏辺りのポジションにいると察する。


 冒頭、米軍大尉の将棋の例えは、武士道についてこの上なく分かりやすく、且つ簡潔に説明しつつ、同時に内包された宿命のも、物語ってみせている。
 恩讐を越え、苦難に立ち向かい、ただただ与えられた仕事を、一所懸命にこなす事の尊さを、大場大尉の悲壮に満ちた瞳と背中は、タッポーチョ山の霧の中から、現代の我々に教えてくれている気がしてならない。


 ちなみに、本編の主人公である大場栄大尉は、後に有限会社丸栄産業代表取締役と、愛知県蒲郡市議会議員を歴任されたそうな。豆知識な。


 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆★★++

 星3つプラスプラス!!



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最終更新日  March 14, 2011 10:03:43 PM
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