バリュー投資理論とは
下記の説明はバリュー投資入門を参考に作成しているので、さらに詳しく知りたい方はこの本をお読みください。
説明はわかりやすくするため、かなり簡略化しています。
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バリュー投資とは理論的な株価より割安の価額で株式を購入することで利益を得る投資手法です。
バリューの要素には以下の3種類があります。
1)資産のバリュー
2)収益のバリュー
3)成長のバリュー
上記のバリューの算定は下の方ほど難しいと言えます。詳しくは下記に記載していきます。
資産のバリューとは企業の属している業種に1)自由参入可能又は2)企業に競争優位が存在しない場合の企業のバリュー(価値)です。
資産のバリューの算定方法は2種類あり、1)清算価値と2)再調達価値です。
1)清算価値は、企業の存続可能性が乏しい場合に使用され、企業を清算することを前提に資産を売却した場合の価額です。
また、2)再調達価値は企業が今後も存続すると予想できる場合に使用され、新たに市場参入し資産を購入(調達)した場合に要するコストです。
清算価値は、企業がどうしようもない状況にあり、将来清算されるような会社であることから、資産をバナナのたたき売りのように売ると考えられるのでバランスシート(貸借対照表)の金額よりもかなり低い価額(高くても貸借対象表価額の60~70%ぐらい?)である可能性が高いといえます。
このような会社に長期投資はできなく、外部から評価することは大変であるため私は投資対象よりはずすこととします(つまり、投資対象は絶対につぶれない会社に限定する)。
再調達価額は会社のバランスシート(貸借対照表)の金額と基本的には一致するはずです。なぜなら、会計原則は再調達価額がバランスシートに反映されるように基本的に決められているからです(主な例外は土地に含み益がある場合及び積立不足の退職金(会計基準変更時差異等)がある場合です)。
そのため、この場合の割安であるかを示す代表的な指標はPBR(株価純資産倍率)となります。すなわち、PBRが1倍未満であればその株価は割安であると考えられるのです。
しかし、個人的にはPBRが1倍未満である株式に投資するのは年利回り(15%以上)の確保を難しくするため、お奨めすることはできないと考えています(詳細についてはまた改めて記載しますが待ちきれない方は億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術をお読みください)。
収益のバリューとは企業に何らかの競争優位(又は市場に参入障壁)が存在する場合のバリュー(価値)です(なお、企業の成長性はゼロと仮定)。競争優位とは例えば他の会社の真似できない技術(トヨタのハイブリッド技術?)、製品(コカ・コーラ、ジレットのカミソリ)等をいいます。
収益のバリューの算定方法は、割引現在価値(DCF法)が使用されます。
この場合の割引現在価値とは、現在の正常利益(又は正常フリーキャッシュフロー)を期待収益率(私の場合は15%です)で割った金額です。つまり、収益のバリュー=正常利益÷期待収益率 です。なお、ここでのポイントは成長率をゼロとしていることです。
収益のバリュー(割引現在価値)が資産のバリュー(貸借対照表価額)を上回る場合の差額が競争優位(又は参入障壁)に基づくバリューです。つまり、競争優位(又は参入障壁)に基づくバリュー=収益のバリュー(割引現在価値)-資産のバリュー(貸借対照表価額) となります。
会計上はこれをのれん(営業権)と呼びますが、実際のバランスシート(貸借対照表価額)の資産としては計上されていないことが多いです。なぜなら、合併、営業権の譲受等以外にのれん(営業権)の計上を現行会計制度は認めていないからです。なぜ計上が認めていないかといえば万人が納得するのれんの評価をすることは難しいからです。
そのため、通常の会社(競争優位のある会社)の株価はPBR(株価純資産倍率)が1倍以上となるのです(当然、のれんだけでなく前述したように例えば土地の含み益があるためにPBR(株価純資産倍率)が1倍以上となることもありますが)。
成長のバリューと将来の企業の成長により生じるバリュー(価値)です。
このバリューの算定がこの3つバリューのなかで将来を予想しなくてはならないことから一番推定することは難しいといえます。
また、収益のバリュー(企業に競争優位・市場に参入障壁)のない会社には成長のバリューはありません。なぜなら、そのような会社は成長(会社の規模拡大)のために追加で投資した資金に対して同額の資金しか回収できないためです(理論的には例えば市場に参入障壁がなければその市場に属する会社の利益は必ずゼロとなる)。
このことから株式投資をする際には、企業に競争優位又は市場に参入障壁のあるかを見極めることが重要であるということが理解できます。
そして、長期間投資を行うためには企業の競争優位又は市場の参入障壁に持続性・耐久性があるのかどうかを見極めることが重要となります。
企業の収益・成長バリューを支える競争優位・参入障壁はどのような状況の時に生じるのであるか。本書では以下のような状況を挙げています。
(1)収益面
(a)顧客の囲い込み(習慣 スイッチコスト及びサーチコストの発生)がされ
ている場合
(b)規制、法令による新規参入の不可能な場合
(2)費用面
(a)規模の経済性の発生している場合
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