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かなり腹が立つことがあった。
事務所の鍵がなくなったということを前日の夜から聞いていた。 誰かが持っているのか、どこかに無くなったのか分からないまま一晩があけた。 私は遅出で、いまだ見つかっていないことを聞いてからさらに信じられないことを聞いた。 「幹部が子供に鍵を渡したと言っていた」 というのを聞いたのだ。 詳細はこうだった。 事務所の鍵を持ち出したのは幹部だった。 そこで自分で職員室に戻しにいけばそれですんだのに自分で返すことなく、そこにたまたま居合わせた子供に「職員室に戻しておいてくれ」と渡したというのだ。 その子供というのが私が担当している子供で。 基本的に子供にものを渡してしまったらどこにいくか分からない。 幹部が何を馬鹿なことをしているのかと思ったのは言うまでも無い。 仕方なく、体力作り中の子供に直接聞きに行った。 子供は分かっていた。 「来賓玄関の下駄箱の中」 と素直に話してくれた。 怒られると思っていたらしいが私はそんなことはしなかった。 「お前は悪くないよ。鍵を渡したあのじじいが悪い」 と頭をなでた。 子供は賢い。 でも、日頃悪いことをたくさんしていてそれは自分でも分かっている。 感情を抑えることができないのが障害なのだから。 私たち現場にいる人間はそれをよく分かっている。 だから大事なものを渡したりしない。 子供たちも渡されたらどうなるか知っているから。 だから隠した。 「園にとって大事なものを持っていたらどうなるか」 確実に私たちは叱る。 子供たちは叱られるのが嫌い。 うまく事情を説明することもできないから。 だから私は渡さない。 渡しても常にそばにいるようにする。 そうすれば子供の人権は守れる。 意味もなく怒られることは防げる。 なのにあの幹部は普通に子供の人権を踏みにじり、なんとも思っていなかった。 一度も子供たちのケースファイルを読んだことも無いくせに表面だけいい人を演じて子供に無意識で重い枷をつけた。 私はそれを許さなかった。 報告書を書いた。 どこまで上に通達されるか分からないがとにかく書いた。 反省していることを祈るが…。 │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |
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