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カテゴリ:高次脳機能障害
酒谷景介、平澤政由、三上直剛 : 「高次脳機能障害を呈した外来患者の働きたいとの希望に沿う為に-病識低下で目標設定に難渋した患者への就労支援-」 症例:60代男性、くも膜下出血(開頭クリッピング術) 退院後、家族からは「人が変わった」と。本人は、「自分はどこも悪くない」と。 外来でのOTリハを週一回20分実施。 <目標> ◆患者の希望や要望を引き出す。 ◆自己洞察を促し内省できるようにする。 <経過> ◆リハへの要望が聴取できず ⇒自己の行動や認知を客観視することで課題を認知しその対処スキルを獲得することが必要と考え認知行動療法的な関わりを実施。前頭葉機能障害に対しては構成課題や視覚探索課題を実施。 ◆「リハで何をやっているかわからない」と発言あり。 ⇒改めて目標設定が必要と考え、Occupational Self Assessment Revisedにて評価。 ⇒自己表現、自己責任、自己管理、課題への集中が問題領域とわかる。 ⇒患者から「上手く言いたいことを表現できない」など、自己に対する違和感、病感の存在などの自己分析が得られた。 また、「働きたい」との発言もあった。 ⇒シルバー人材派遣センターなどの一般就労を目標とした。 ◆注意障害などの高次脳機能障害が残存しており、一般業務を単独で実施することは難しいと判断。 ⇒福祉的就労の支援を共通目標とした。 ⇒役場担当者の協力と、OTからの情報提供や調整により、授産施設勤務が可能となった。 臨床では、特にADLがある程度自立していると、自己の障害(高次脳機能障害)に気付きにくい症例を経験します。 この報告では、「目標共有」や「自己洞察」が重要であるとのことでした。 病識低下を呈する患者に対して、リハビリの目標が正しく理解されないまま、注意課題などを実施している場合もあるため、「目標共有」が重要であると再認識しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年10月20日 18時34分44秒
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