TMT その3
TMT (Trail Making Test トレイルメイキングテスト)に関して、検査方法と年齢別の成績が掲載されていましたので紹介します。内容の概要です。「高次脳機能障害の検査と解釈 Trail Making Test」JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION Vol.18 No.3 2009.3 高岡 徹 尾崎浩子検査用紙は標準化されたものはないが、鹿島らが作成した「A4サイズ横の検査用紙」がある。オリジナルの英語版のアルファベットを仮名にしたA4サイズ縦の用紙を用いている施設もある。教示方法の説明(省略)年代別にみたTMTの成績(「豊倉穣・他:情報処理速度に関する簡便な認知検査の加齢変化―健常人における paced auditory serial addition task および trail making test の検討―. 脳と精神の医学7(4):401-409, 1996」 より)TMT-A20歳代群 平均66.9秒(15.4)30歳代群 平均70.9秒(18.5)40歳代群 平均87.2秒(27.9)50歳代群 平均109.3秒(35.6)60歳代群 平均157.6秒(65.8)TMT-B20歳代群 平均83.9秒(23.7)30歳代群 平均90.1秒(25.3)40歳代群 平均121.2秒(48.6)50歳代群 平均150.2秒(51.3)60歳代群 平均216.2秒(84.7)上記の平均時間は、「A4サイズ横の検査用紙」を使用。( )は標準偏差。ちなみに、用紙の違いですが、「A4サイズ縦の英語版オリジナルに近い用紙」は、文字が大きい。引いていった線がほとんど交差しない(中心から渦巻き状に外側へ広がりながら進んでいく感じ)そのため、途中の記号を意図的に避ける必要がほとんどない。逆に、「A4サイズ横の検査用紙」は、引いた線が交差する。そのため、途中の記号を避けずに線を引いてしまうと、すでにチェックした記号と考えてしまい(まず探すときは、線の引かれていないところから探すであろうため)、時間をロスする可能性がある。以前の記事 TMT その1 TMT その2