第15回日本言語聴覚学会に参加 その2
自分用のメモ書きの続きです。 ◆『予防分野におけるSTの可能性-肺炎予防事業の取り組みを通じて-』[1] 呼吸筋ストレッチ(環境再生保全機構)[2] ルピナス(吹き戻し)を利用した呼吸筋・舌骨上筋エクセサイズ[3] ペコぱんだ5秒×5回の舌圧向上エクセサイズ[2]の訓練負荷量は、肺年齢から最大口腔内圧を鈴木ら(1997)に準じ判断。Pittsら(2009)、福岡ら(2011)を参考に継続性を重視し50%Pemaxの負荷量でレベル設定。[3]の訓練負荷量は、舌圧数値をRobbins(2005)を参考に継続性を重視し、50%maxの負荷レベルを設定。◆『咀嚼を使用した直接訓練により3食経口摂取が可能となった一症例』グミ咀嚼の訓練を実施し、徐々に取り込みから嚥下までの時間が短縮した(36秒→17秒)。口腔機能は舌の可動性が高まり食塊移送がスムーズになった。嚥下能力は嚥下反射の回数増加、反射惹起までの時間短縮が認められた。[考察] 咀嚼運動は、脳幹の咀嚼中枢でプログラムされ、大脳皮質によりコントロールされる。咀嚼を重点的に行うことで筋活動を高めると同時に大脳皮質にも感覚情報が伝達され、口腔器官の筋活動の随意的運動が促進されたと考えられる。また、嚥下は中枢(随意性)と抹消(反射性)が互いに影響し合って嚥下反射を誘発する。咀嚼を繰り返すことで末梢からの感覚刺激が豊富になり大脳皮質が活性化され、嚥下反射の誘発が強化されたと考えられる。◆小脳病変CCAS(Cerebellar connitive aggective syndrome) 小脳病変に起因する遂行機能障害、言語障害、空間性障害、人格障害の4症状を主症状とし、これらが互いに影響して、全般的な知能の低下を来たす病態をCCSAと報告(Schmahmannら1998)◆完全側臥位での嚥下訓練の発表が2件あった。◆『頭部前方突出姿勢が最大呼気流量へ与える影響』若年被験者が対象。[1]頭部中間姿勢、[2]頭部前方突出位、[3]頭部前方突出+円背で、最大呼気流量を測定。結果は、[1]-[2]間、[1]-[3]間では有意差あり、[2]-[3]間(円背の有無)では有意差が無かった。⇒この研究では、大転子、肩峰などにマーカーを貼付し、客観的な数値で位置を規定していた。他の研究での質疑など聞いていると、この研究のように、姿勢をあつかう研究では、必ず姿勢の客観的な測定が必要であると思われた。◆『顔面筋の筋緊張異常に対する振動刺激効果の検討』(メモ)緊張性振動性反射(tonic vibration reflex:TVR)(Hagbarth,1966)100-200Hzの周波数で振動刺激を骨格筋に与えると、被刺激筋に反射性の収縮が生じ、同時に拮抗筋に相反抑制による抑制効果が生じる。振動刺激痙縮抑制法(direcc apprication of vibratory stimuli:DAVS)(Noma,2009)野間らが、TVR後の痙縮が減弱する現象を報告。TVRやDAVSを四肢に臨床応用した報告は数多いが、メカニズムは不明な点が多い。口腔領域では西尾の電動ブラシを使用した報告あり(2006,1993)