「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

　アニメを見てて
　「人はサイコロと同じで、自らを人生へと投げ込む」って
　サルトルの言葉を使った、問い掛けに
　「３つの籠（かご）に、５個の卵を詰め込む奴には、早目に風穴を開けるべし」と、答える。
　あたしは
　この意味が、さっぱり、判らんかったから、ググる、と。
　
　「卵は、一つの籠に盛るな」と、愚かな者は言う。
　賢者は言う。
　「卵は、一つの籠に盛り、その籠を、良く良く見守れ」と。
　元ネタの
　マーク・トウェインの箴言（しんげん）、が掲載されてた。
　さすが。
　こんな、でも
　判る人、って居るんだ、ね。

　人は、自分の野心・志（こころざし）を、全く無視しては、生きていかれない。
　けれど
　剥き出しの野心家には、早々に、人生から退散いただく、と。
　何か
　すこおし、賢くなった、気分。

　「あたしは、ガラリア湖上を裸足で歩いた、稀代のトリックスターの弟子してるんだ。
　少々の事じゃ、驚かないよ」
　って、拳銃を打っ放す、暴力教会シスターの捨て台詞、とか。
　やっぱ、あたし、は
　この、BLACK LAGOONってアニメ、好きだな。
　
　GTOってアニメも
　絶望した登場人物が、藤村操の『巌頭之感』を、口ずさみながら線路の上、歩いてた、し。
　最近のアニメは
　萌え要素さえ在りゃ、アニ・ヲタがDVDを買うだろう、って
　冴えない主人公（男）を、奪い合う、様々なタイプの美少女達って、お話ばっか。
　その
　余りの陳腐さに、幾人かのアニメ監督から、批判の声が上がっとる、けど。
　
　未だ、旧制第一高等学校（今の東大教養学部）の一年生、なのに
　「人生不可解」って、華厳の滝に飛び込んだ、藤村操の辞世の句、って。
　今じゃ
　あんま、誰も知らん、でしょ？
　
　ニュースは、勿論
　TVドラマとか、絶対に出て来そーにない、し。
　教科書にも
　『巌頭之感』全文までは、載っとらん、もの。
　
　それに
　これ、ウェルテル効果、とか呼ばれてる、みたい。
　ゲーテの『若きウェルテルの悩み』に由来する命名で
　マスメディアの、有名人の自殺報道に影響されて、自殺が増える事を指す、んだと。
　
　日本とか、韓国とか。
　歌手や女優が自殺すると、意味も無く、後追い自殺する若者が増える、じゃない。
　それ、って
　明治36年、藤村操の自殺ん時、にも見られた社会現象、で
　今に始まったこと、じゃない。

　けれど
　マスメディアさん、そんなこと、一言も報道しない、し。
　だから
　今の若者は、ちょっとしたこと、で直に自殺する、とか。
　無知な、お年寄り、は苦言する、けど
　そんなこと、貴方たちの親の世代から、既に在りました、から。

　先の大戦、を
　帝国陸軍の侵略か、侵入か、なんて、詰まんないこと、ブツブツ議論する、より
　藤村操の『巌頭之感』とか
　与謝野晶子の『君死にたまふことなかれ』とか。
　きちんと全文を、小学校の教科書に掲載したら？

　多感な時期だから
　情緒不安への予防、とか
　反戦思想を植え付ける、には格好の題材、かと。
　そんで
　先の大戦で、無条件降伏したのは
　正確には、大日本帝国じゃなくって、大日本帝国「陸軍」だ、ってのも
　ついでに、載っけといて下さい。
　・・・街宣車、怖い、し。

　あたし、が
　小学校高学年の時、テストの裏面に『君死にたまふことなかれ』が印刷されてて。
　後から、教師が
　戦争に採られた弟を、嘆いた歌、って簡単に説明して
　後は、自分で調べなさい、と。
　それが
　何か、頭の隅っこ、に残ってて
　原文が理解できる年齢（とし）になると、堪らなく愛おしい歌、になった。

　余計な話、だけど
　同じく、小学校高学年の頃
　源頼朝の妻は、平政子って
　教師が、口にしたのを覚えてる。
　
　後から、知ったんだけど
　鎌倉幕府の将軍って何代までか知ってる？
　３代まで？
　いんや、9代まで居るんです、よ。

　３代実朝が死んで、頼朝の子孫は絶えちゃった、けど
　摂関家、皇族を将軍にして、9代まで続いた、と。
　何で
　実質的に幕府を掌握してる執権、北条氏が、将軍にならなかったのか？
　北条氏は、出自が平氏。
　だから
　源氏の棟梁たる、征夷大将軍には、なれなかった、とか。

　何か、さぁ。
　作文すら
　書き方が判らないから、模範例を示しなさい！なんて
　モンスター・ペアレントが居る、けれど。
　何でも
　懇切丁寧に教えりゃ良い、ってもんじゃない。
　それより
　すこおし、匂わせて、後は自分で調べなさい、って方が
　意外に、効果が在る、よーな。

　まあ
　後から、自分じゃ調べない子。
　つーか
　すっかり忘れちゃう子、なら
　幾ら、丁寧に教えたトコで、所詮、無駄だろーし。
　で
　小学生の感受性・記憶力、舐めるんじゃない！

　それに
　あたし、が入社した時。
　「国境（こっきょう）の長いトンネルを抜けると雪国であった」って
　川端康成『雪国』の話、してたら。

　日本に国境があるか！
　って
　課長級から、マジに馬鹿にされた、けど。
　それ
　昔の、国境（くにざかい）って意味、だから。
　で
　草いきれ（夏の強い日ざしをうけて、草むらから立ちのぼる、むっとする熱気）なんぞ
　誰も判らん、し。
　なので
　会社で、賢ぶってると、馬鹿にされちゃう、よ。
　本業と、車・野球の分野を除きゃ
　基礎教養の欠片もない方々も多い？から。

　学校じゃ教えない。
　会社で言ったら、可哀相な子、って思われる。
　そんで
　TVなんてマスメディアさん、は知らん顔。
　こーして
　埋もれ、忘れられてく、昔からの知識・教養って結構ある、んだろーね。

　ネットには
　驚くほど、沢山の情報が眠ってる、けれど
　藤村操、とか
　切っ掛けになる、キーワード、知らなきゃ、何も検索、出来んじゃない。
　加えて
　な～に？それ、自慢なの？とか。・・・ああ、そーだよ。
　そんな
　知らない、ってことを是とする、風潮と相まって、益々、社会が混沌としてく。

　あたしは
　個々人が、夫々に自分自身の言葉で考え、自分自身の判断で行動する。
　それが、理想の社会だって、繰り返してる。
　けれど
　今の社会じゃ
　それが出来ない方々が居る、って現実も、判ってる、つもり。
　だから・・・。

　アニメ「BLACK LAGOON」からの引用。
　この街は、銃の力と酒の力、野蛮な力で、全てを吹き飛ばしてしまえる、素敵な場所だ。
　そんなに悪いモンじゃない。
　そう思い始めてる。
　ってのも、アリ？