テーマ:たわごと(26724)
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最初は
大して期待していなかったのだけど。 『さくら荘のペットな彼女』と『宇宙戦艦ヤマト2199』が、意外と面白い。 当初、『さくら荘』は、またハーレム・アニメか?と、うんざりした。 ところが 最終話まで、あと数話ってトコで、急展開。 何故か、ゲーム制作現場の雰囲気一色に染まっている。 ホワイトボードの「制作スケジュール」に赤字追加・訂正とか、芸が細かい。 そして、台詞回し。 主人公♀の「着ぐるみ」を、脱がそうとして。 『何で生まれた姿のままで、Decoの皮、被ってんだよ』 『心配ないわ。パンツは履いてる』 『それ一枚で、全てを解決できるほど、パンツは万能じゃねぇ』 『わたしは、パンツを信じてる』 「問題の本質は、ソコなの?」って、すっ呆けた台詞が、彼処(かしこ)に転がっている。 『ヤマト2199』は、アニメの王道、勧善懲悪一直線! けれど 『キミ。親戚に宇宙人とか居る?』 『はあ?』 くそマジメな古代クンと、冷たい森雪サンの会話で、遊んでる。 最初は とっても前作に忠実だったのに、何時の間にやら、登場人物が増えっちゃって。 単なる戦争もの・英雄譚から、複雑化した視点が、はみ出し始めた。 『エヴァ』の「セカイ系」は、主人公の視点のまま、一気に世界滅亡に直結しちゃうけど 『ヤマト2199』は、敵対国の殲滅と云う物語全体の中で、複数の視点が描かれる。 同様の 『ガンダム』シリーズは、背負うべき大量虐殺を、主人公の「苦悩」と描くのに対し 『ヤマト2199』は、「そんなコト、知ったこっちゃない!」と、ただ命令通り、殺戮する。 あたしは そんな古代クンの方が、余程に、潔ぎいいって感じちゃう。 一旦、戦闘に従事すると決めたなら、殺人を躊躇するなど、愚の骨頂。 それが嫌なら、端から徹底的に逃げ廻ればいい。 「戦争」と「個人の良心」は、絶対的に両立しない。 それを「主人公の苦悩」なんて誤魔化すから、「戦争好き」が拡散しちゃう。 アニメ監督の観客への媚び諂(へつら)いで、みんな、「戦争も仕方ない」って思っちゃう。 戦場では 主人公が、自分の快楽って、優しい人たちを、どんどん惨殺しちゃえば そんな「戦争」に、誰も共感したりは、しない。 あたしは、小野不由美さんが嫌いである。 彼女の大作『『屍鬼』を読み終わったとき、お金を返せ!って叫んじゃった。 それは 店先で、井戸端会議に興ずる婆さんたちまで、詳細に記述しちゃうから。 あたしは、物語とは、微塵も関係ない婆さんの家族構成まで、知りたくはない。 それを、「リアリティ溢れる」と評したいなら、小説ではなく「映像」に撮れば良い。 二人の美少女に迫られるものの、如何にかハーレム・アニメを脱した『さくら荘』。 あたしが気に入り始めたのは、複数同士の「好き」が描かれているから。 モブ・キャラまで克明に描いちゃうと、不由美さんと、おんなじだけど 世の中は、あたしだけじゃなく、他人にも、色んな感情があると思い知るのは良いコトだ。 声が大きい人ばかり抽出して、泣き叫ぶ階層だけをフォーカスして それが社会なんだと、あたしたちは思い込もうとしている。 けれど 社会の過半は、選に漏れた普通の人たちが暮らしている。 あたしは、以前のブログで、人の価値は、夫々に大きく異なると書いた。 ソレは、ハイ・ソサエティから順にエライと云う意味ではない。 人の価値は、その権利の大きさではなく、義務の煩雑さ、他人から頼られる逼迫性に負うと考えている。 つまり 二人の子どもを抱えた共働き世帯の方が、お金持ちの社長老夫妻よりは、価値が在ると。 私は会社に必要不可欠な存在。だから価値は高い!なんて思っているのは、貴方だけ。 余程のコトがない限り、貴方の身代わりなんか、直ぐに見付かるよ。 古くは「三つ葉葵の印籠」から、今の「ハーレム・アニメ」まで。 あたしたちは、夢見がちな価値観に拘って生活をする。 たかが「印籠」に何の価値もない。 いつも、水戸の老人が生き延びるのは、滅法強い「風車の弥七」が居るから。 どの時代だって、刃物を持った人が、「印籠(権威の象徴)」を見て、降参する訳がない。 もし、そうなら 端から「警察手帳」を突き出せば、凶悪犯罪なんか、みんな無くなっちゃうじゃない。 一対一なら、個々の警官は、間違いなく強い。 組織犯罪には、警察力って、組織的な暴力で対峙する。 だから、犯罪が解決されるんだ。 その暴力的統治の側面を見ようとせず、ただ「悪は、権威に屈する!」ってか? そして 「ハーレム・アニメ」が、在り得るのか? 何の取り柄もない平凡な人なら、アニメを見なくても、鏡の中にいる。 自分の生活を振り返れば、よーく判るっしょ? 「それ一枚で、全てを解決できるほど、パンツは万能じゃない!」と 「偏った価値観」に閉ざされた「心の扉」を、抉じ開けて。 『書を捨てよ町に出よう』 寺山修司さんだっけ? 自分の思考にばかり閉じ籠ってないで、ただ、ぼうっと街を見る。 普通の笑顔に触れ、普通の笑い声に聞き耳を立てる。 そうすれば 誰が、この国のホントの主人公なのか?判るはず。 小説やアニメの英雄ばかりじゃなく TVに映し出される、芸人さんでも、大金持さんでも、自称弱者さんでなく。 普通に、街を行き交う人々、みんなが、主人公なんだと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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