「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

　ふと、「普請（ふしん）祟り」って言葉が、頭に浮かんだ。
　末弟は、新築早々に急死しちゃったし
　モダンな二世帯住宅を建てて数年で、近所の若奥さんが死んじゃった。
　思い返せば
　親戚の、真っ新（さら）な豪奢な家で、お葬式が営まれていたよーな記憶がある。
　お葬式の手伝いをした近所の家も、関係者が柩を引き摺って
　新品の縁側に、幾つもの、生々しい傷跡が…。
　ほんと、普請祟りってあるんだね。
　そう書くと
　そんなの迷信だ！って、頭ごなしに否定するヒトとか
　そうなら、新設住宅団地に続く道は、霊柩車で渋滞するはず！とか
　新築するのは、齢（よわい）不惑を過ぎ、健康に陰りが見え始めた時期に、住宅ローンやら心労が重なるため！とか、もっともらしく語るヒトがいる。

　確かに
　知ってるヒトの３割が、新築後数年のうち、ダレかが亡くなっているとしても
　１万人当たり、３千人の死亡が確認される訳がない。
　あたしは、そんな面倒なコト、する気も起らんけれど
　公表された新規住宅着工件数が急増した市町村を調べ、その数年の人口増減を見れば
　たぶん、新築と、その家を建てたヒトの死には、何の因果関係もないことが、判るはず。
　つーか
　ホントに「普請祟り」が起こるなら、家を建てるヒトなんかいない。

　でも、ね。
　脳髄で理解してるってのと、実際に、どー感じるのか？は、おんなじではない。
　それは
　タバコの実害とか、福島の放射線漏れとか、憲法の改悪には絶対反対！とか。
　あたしたちは、ホントに文明国に住んでいるの？
　そう、疑っちゃうくらい市民団体さんとか、幼稚に、声高に主張して
　あたしたちは、あんま良く考えずに、すぐ付和雷同しちゃう。
　だって、さ。
　1965年の日本の喫煙率って、男性は82.3%とか。
　「副流煙」で、奥さんとか家族に健康被害や、あげく死んじゃうなら
　とっくの昔に、日本の人口は激減している。
　原発事故の汚染水が漏れた！とか。
　万が一、それが原因で健康被害が出たとしても、それ、何年後に判るの？
　ガン発症には、５~１０年くらいかかるみたいだし。
　例え、20年後の福島で、ガンの発生が激増したって
　地震の粉塵の影響なのか？災害復旧に動員された、大量の車両の排気ガスのセイなのか？
　発ガン率と放射性物質の因果関係が、きっちり証明できるとは思えない。

　未だ、致死量の閾値（しきいち）が明らかでない放射線。
　騒ぐだけで、一向に健康被害が確認されず、最近では、単に「臭い」って非難される紫煙。
　あたしは、放射線や紫煙に、全く害がないとは思っていない。
　けれど
　即効性がない以上、その将来の害を云々したって、あんま意味がないと思う。
　工場の煤煙とか、排気ガスとか、香水やルージュとか、嫌な人間の存在自体とか
　あたしたちの周りには、放射線や紫煙より、遥かに有害なモノで埋め尽くされている。
　そんな、諸悪に囲まれて生活してるから、煙草はおろか、放射線の実害すら証明されない。
　だって
　発ガンの原因が、放射線と紫煙しかないなら、直ぐに因果関係が判るはずだもの。
　「掃き溜め」に住んで、その悪臭の、たった２つの原因を排除したって、何も変わらない。

　国民の半分の賛成で、憲法が改正されるコトは許されない。
　なんか、そんなコト、民主党さんが言ったとか。
　あの、さ。
　日本社会の主人公って、だれ？
　一応、あたしたち日本国民でしょう？
　なら
　今の国民の過半数で、社会の根本規範が決定される。
　それって、正しく民主主義の真骨頂ではないの？
　なのに
　国会議員定数？の2/3以上の賛成でしか、国民に、現行憲法の適否を判断させない。
　そっちの方が、よほどに国民を軽視している。
　いや、一般国民は、自分では何も決められない！その能力がない！ってか？
　無責任なサヨクさん気質そのままに、市民目線とか、市民参加とか、いつも煩いクセに
　その実
　あたしたち国民を、ホントにバカにしきってるのは、民主党さん、貴方たちではないの？

　現行国家体制のもと、その統治行為を、普通選挙で国会議員に委任するのが代表民主主義。
　けれど
　憲法とか国家体制自体を変革する権利は、一部特権階層でなく、あたしたち一般国民にある。
　ならば
　その過半数により国家体制を決定する「国民投票」が保障されていれば良く
　その改正の発議は、身勝手な、一部政党の反対で阻害されてはならない。
　あたしは、そう考えている。
　それに
　あたしが大好きな川口頼子委員長を、解任しちゃったり
　ほんと、民主党さんって、害悪でしかない。
　民主党さんが、文部科学相に推挙したマキコさんの自民・外相時代
　その身勝手な行動で、日本外交を無茶苦茶にしちゃった。
　それを、なんとか正常化したのが、後任の川口さんでしょーに。
　その業績を忘れ
　国家の大恩人を、しょーもないコトで解任しちゃうなんて、好い加減にして欲しい。
　先の衆院選で大敗して
　既に、国民の信託がない民主党さんが、憲法96条の改正に反対する資格はない。
　意味のない政局で、いや、国益を害する、そのパフォーマンスで
　いたずらに国政の足を引っ張るのは、止めなさい。

　あたしたちは、すぐ
　その根拠は？とか、それを立証するデータ・数値は？とか。
　けれど
　往々にして、そーいうヒトってのは、枝葉末節だけを見て、大樹を見ようとしない。
　硬性憲法って側面だけを見て、その改正の難しさに安心して
　憲法自体が、現行社会に適合しているのか？
　それを判断する国民の権利を、見ようとしない。
　平和主義を金科玉条と、何があっても憲法改悪絶対阻止を！ってのも
　戦勝国に押し付けられた、日本国民不在の憲法なんか改正しちゃえ！ってのも。
　単に、憲法の一部分だけを殊更に主張するだけで、何も語ってはいない。
　つーか
　そんなドンブリ勘定…、いや、高尚なレベルで、憲法改正を論じて欲しくはない。
　ましてや
　改憲手続きに過ぎない96条の改正だけを取り上げて、ただ非難するのは
　まるで、禁煙原理主義者さんや、放射脳さんみたく、ただの阿呆としか思えない。

　家を新築すれば、家族の誰かが死ぬ。
　それは、迷信に違いない。
　けれど
　「雷さまは、臍（へそ）を取る」ってのは
　雷が鳴り天候が激変すると、気温が下がって風邪をひき易い。
　だから
　雷鳴がすると、お腹を隠す、つまりは、すこおし厚着する。
　結果、迷信とバカにしたヒトから、風邪を引く。
　「普請祟り」に恐怖するもの、殊更にバカにするのも
　それを、とっても気にしてるって、心の動きは変わらない。
　なら
　いっそ「普請祟り」を信じ込んで、住宅ローンよか、家族の健康に注意した方がいい。