テーマ:たわごと(26724)
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吉田拓郎さんの『落陽』って曲を、ご存知だろうか?
学生時代に 夜行列車と周遊切符で、北海道を旅したとき 泊まったユース・ホステルで、初めて聞いた。 広大な大地に沈む夕日を見ながら ホステルのバイトさんが爪弾くギターに合わせて 若いモノばかりが、集まって、唱和する。 今のあたしなら、ヒア汗ものだけど。 若者同士の連携とか、友情とか、心の繋がりとか そういうモノに、無邪気に憧れた時期が 間違いなく、あたしにもあった。 ただ 和気藹々と若者同士が集い、仲良く歌う。 その雰囲気と 『落陽』って歌詞の中身が、どこか、しっくりこない。 その違和感が あたしに、『落陽』を忘れ失くした原因かも知れない。 あたしたちの世代は いつも、自分自身で、流行(はやり)のオン・エアを見るだけでなく。 親とか、ずっと年上のアニキとか 彼らが好きだったビートルズやら、フォーク・ソングやら そういうモノも併せて、聞くのが憧れで。 でも 映像でなく、楽曲主体だったから それぞれの曲が、流行った当時なんか、知るハズもない。 それは ビートルズなら、『プリーズ・プリーズ・ミー』や『ヤァ!ヤァ!ヤァ!』と 『レット・イット・ビー』や『イマジン』を チューリップなら、『夢中さ君に』と、『虹とスニーカーの頃』を。 あたしたちは、同時に聞いたワケで。 なら 初期のアイドル然とした楽曲なんか、ダレも好きになったりしない? あたしたちに取って ジョン・レノンは、すでに、髭面で、反戦・平和主義者で 財津和夫は、小難しいイヤミなヒトで。 そんな価値観を あたしたちは、あたしたちだけでなく、ずっと上の世代とも共有していた。 「女や酒よりサイコロ好きで スッテンテンの、あの爺さん」 「サイコロ転がし、あり金なくし フーテン暮らしのあの爺さん。 どこかで会おう 生きていてくれ。 ろくでなしの男たち 身を持ちくずしちまった。」 そして 「男の話を聞かせてよ サイコロころがして」と歌う『落陽』。 破滅へと堕ちていく甘美さ。 それが 当時、まだ、許容されていた価値観じゃなかったのかな? たとえ、社会から見放されて それでも、意固地に、オレ流を通すヒトって どこか、あたしたちの憧れだった。 博打(ばくち)に狂って、どうしようもなくなって。 それで 可哀想だから!とお金を貰っても、即座に、バクチに注ぎ込んじゃう。 そこに 施(ほどこ)しを受けた?って自虐とか、施してやった!って傲慢さとか そういうものは、端(はな)から無くって。 ただ まだ、バクチができる!って喜色満面と、お金をドブに捨てた?って後悔が残る、だけ。 それを どこか、許容する懐の深さが、社会には、あった。 『落陽』の爺さんは、施しでも、寄付でも、当然の権利でも どうだっていいのだと思う。 ただ、バクチができる、お金が有りさえすればいい。 それを、前提として 救済したいなら、すればいいし、したくないなら、しなければいい。 救済される側も、救済する側も それぞれ、その個人の自由意思に対して それを、とやかく言う権利が、あたしたちのダレに、ある? 施す側が、その傲慢さで、施される側に嫉妬するから ネット社会の諍(いさか)いが有る。 だから 「他人に施す」とすら考えたくない偽善者なら、仲間内だけで、そう考えていればいい。 可哀想と感じるヒトだけ、自ら救済基金を創って、寄付すればいい。 なのに 無理矢理、他人(ひと)にまで偽善を強いて 安直に「他人のお金(税金)」を使おうとするから、軋轢が生じちゃう。 もっと、もっと、もっと シンプルな社会に、しましょうよ。 冷蔵庫に、マヨネーズの、中身が無くなった空き容器ばかりが残されて 餓死しちゃったヒトがいる。 どうして 日本で餓死者が出るのか?って大騒ぎするヒトがいる。 でも、みんな。 哀しい人生だ!って、可哀想な人生だ!って、上から目線で同情するヒトばかり。 最後まで 他人(ひと)に頼らなくって、ずいぶん、頑張ったね!って褒めるヒトも そのストイック極まりない生き方に、憧れるヒトも ダレひとり、いない。 あたしたちって、さ。 他人(ひと)の人生に、そんなに傲慢で、上から目線で、いいの? 『落陽』の爺さんには 豪放磊落に、しみったれた自堕落さを、生き抜く権利があって。 あたしたちには 自分じゃ、そこまで出来ないと、彼を慕って、心の底から、称賛する権利がある。 それは 再び、必ず会って、救済したい!でなく 「どこかで会おう 生きていてくれ」でいい。 それを ただの、ぼんくらジジイだからって、強引に更生させて、無理矢理に救済して その狭隘(きょうあい)さから、彼の人生を全否定しちゃう。 そっちの方が 余程にヒドイと、あたしは思ったりする。 アキバか、ももクロか、知らないけれど アイドルは、みんな、処女でなきゃイヤ! そんなキモ・ヲタさんの偏った感性のまんま 今の「ダレにだって優しい社会」の良識ってヤツが、ある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年01月16日 07時28分11秒
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