テーマ:たわごと(26724)
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写真:西芳寺(こけ寺) 写真:屋久島(参考まで) 京都に行った。 彼の地は 灼熱か?それとも、酷寒か? どちらにしろ 地獄には、変りなく。 10月と言うのに あたしは、夏真っ盛りの格好で列車に乗り込んで。 見事に ひとりだけ、浮いた。 最高気温が、25℃の予定だよ。 長袖の上着なんか 邪魔になるだけ、じゃん。 と 寒(さぶ)いぼが出ながら、いくら、強がったって 寒いものは、寒いワケで。 車内で、あたしが、縮(ちぢ)こまっていたのは 何も、恥ずかしかっただけじゃない。 あたしは、極度の、面倒臭さがり、で。 国内でも、海外でも 大概、行き当たりばったりの旅をする。 すると あらかじめ、リザベーションが必要な場所は ぽっかり、行かずに残っていたり。 それが 西芳寺(こけ寺)さんであり、桂離宮さんであり、修学院離宮さんであり。 たとえ 学生時代の4年間、京都で過ごしたって それ くそ面倒な予約制度が原因で、べつに、あたしの責任じゃないでしょう? 今回は、一念発起(ほっき)して 一気に、駆け巡ることにした。 で 産まれて初めて、往復はがきを使って 西芳寺さんに、申し込んだ、わけ。 さらに 宮内庁京都事務所さんに、電話で尋ねたら。 ご希望の日は ネット、はがき、どちらにしたって、間に合わないので。 ここへ 前日までにいらしたら、その日分を手配します、とのこと。 そこで 今回、京都旅行の、最初の目的地は 京都御苑・宮内庁京都事務所さんになりました。 地下鉄今出川駅の6番出口直前で さあ、これから!って意気込みで、用を足して。 御苑の入り口が見えた辺りになって いざ、鎌倉!って感じで、タバコを取り出した。 すると 一本、もらえないか?と、声を掛けられた。 なに、ここは、途上国のスラムなの? ちょっと、ギョッとしたのだけど タバコが好きなヒトに、悪いヒトはいない。 すこおし、お話して お爺さんの吸い殻も、あたしの携帯灰皿に入れて。 宮内庁さんで手続きを済ませてから 地下鉄と阪急を乗り継いで、西芳寺さんに向かう。 大昔。 烏丸今出川付近から、四条河原町に向かうバスに乗ったら 1時間半を超えて遅れた記憶がある。 のろのろ歩いたって、それほど、かからないワケで 新幹線なら 東京から京都まで来ちゃう? 今は、どうだか、知らんけど。 それから、あたしは 京都じゃ、絶対にバスを使わない!って、心に決めている。 阪急上桂駅を出て。 女衒(ぜげん)だか、物集女(もずめ)だか、知らんけど。 隣国が、歪曲して、告げ口したら 国連人権委さんが激怒しちゃいそうな名が付いた街道を歩く。 道に 100円玉が、落っこちていないか? そういう真剣さでないと見落としちゃいそうな案内板を左折して、歩く。 歩く、歩く、山に向かって、坂道を、ひたすらに、歩く。 すると 京都バスさんの、大っきな発着場があって そこから、西芳寺さんまで、3分くらい? 立派な門構え、と言いますか、刑務所みたいな鉄格子、と言いますか。 その前に、立札して 時間まで、ここで待てば?とか書いてある。 その 鉄仮面ぶり…失礼、傲岸不遜ぶり…失礼、荘厳さが、意外と、あたしは嫌いでない。 というか それで怒って、入れて貰えないなら、元も子もない。 塀を修理していた職人さんに尋ねると 時間の20分前に、お寺の職員さんが来る、とか。 明日は、遠足だ!気分で 早起きしちゃって、前倒しで行動したので、あと、1時間くらい? だから 登ってきた隘路(あいろ)を、お寺に沿って、山に向かって歩き出す。 右の斜面が、竹林に変って 小川を挟んで、左も竹林が広がっていく。 両脚の疲れも、一気に、吹っ飛んで…なワケがないんだが。 それでも それなりに、爽快な気分を味わえた。 それと マムシが出ます。注意!って看板に、背筋が、ぞっとしたり。 なんにしろ 長時間?の行軍で、火照った身体と、アタマ?が、冷やされていく。 それが、いい。 ちょうど、20分前になって ムチャクチャに低姿勢な職員さんが、鉄格子の錠(じょう)を開けた。 立札の仕打ちと、職員さんの態度と この見事なコントラストって、なに? まあ どうだっていいけど。 彼に、入場資格のハガキを見せてから ぞろぞろと集まっていた、オジイ・オバアと、異人さんと 一緒になって、入場する。 建物の入り口で、身分証明書を見せて 3千円の冥加金(みょうがきん)?と引き換えに、写経セットを受け取った。 それから案内されたのが 阿弥陀さまだか、仏像が安置された本堂?で。 修学旅行のお膳みたいに、ずらりと経台が並んでいる。 そこで それぞれ、写経をするワケですが。 あたしは、バイクで、コケてから、胡坐(あぐら)も辛い。 それは、事実なのだけど なにより、正座なんか、したくない。 で バイクで、コケて…と、どこか、白々しく言い訳すると 板戸を挟んで外側に、椅子席を用意している、とか。 すかさず あたしが、移動したら。 オジイ・オバアの、椅子席争奪戦になって 速攻で、20数席が埋まっちゃう。 そんなこんなで 今の(西芳寺さんの?)写経と言いますのは。 あらかじめ 般若心経が、薄く印刷されていて その文字を、筆ペンで擦(なぞ)る、らしい。 お坊さんが、説明の途中で もう、初めていいですよ、って、お話だったので あたしは、書き始めたのだが。 筆ペンで、小難しい文字を擦(なぞ)る、って、存外、面倒で。 なにより、あたしは ガキの頃から、お絵描きや色塗りで、褒められたことがない。 なので。 どんなに慎重に、擦(なぞ)ってみても 筆ペンの文字が、明々後日の方角を向いたり、染んでみたり。 そんなで どうせ、ぐちゃくちゃになって、見苦しいなら 心のままに書いたって、同じじゃない? と 薄く印刷された文字は、形だけ見て、自由自在に書きなぐった。 お経が、秀逸なのは サンスクリット?の発音を残しながら、漢字で意味まで伝えたこと、とか。 ただ、日本の仏教で 経文の意味を理解しているは、ときの、一握りのハイソサエティさんだけ。 だから 経文が難しくて判らないなら、仏さまの御姿を想像したらいいとなった? けど 庶民レベルじゃ、仏さますら想像できない。 で 法然さんは、せめて、仏さまの白毫(びゃくごう)だけでも想像して!と説き 親鸞さんは、どうだっていいから、ひたすら、南無阿弥陀仏とだけ唱えて!って説いた? 悪人正機説で、ないけれど 一心不乱に阿弥陀さまを想い、その誓願を頼って、極楽往生する。 それが 大乗仏教さんの神髄なら ただただ、阿弥陀さまを想い、ひたすら、お経を写すってのも、とっても意味がある。 けど それで執心するは、あくまで、阿弥陀さまであって、プリントされた文字でない、はず。 だからって 乱暴狼藉(ろうぜき)に、写経していい理由には、ならんワケだが。 一心に 阿弥陀さんを想って、心のままに筆を走らせたら 結果として、のたくりまくった文字になっちゃった、と。 それ 元々の、あたしの悪筆が原因で、べつに、今の、あたしの責任じゃないでしょう? とか 白々しく、言い訳してみたり。 お坊さんの読経が終わって できたヒトから、提出していいですよ!って 中学の定期試験みたいに、なって。 あたしは、一番に、写経済みの用紙を提出して 一番に、待望の、お庭見学に向かった。 西芳寺さんの、お庭って ほんと、すっごいよ。 ジブリさんの『もののけ姫』のモデルになった?屋久島の苔びた老木・倒木は どこか、とっても、荒々しかったけれど。 西芳寺さんの、苔むす様(さま)は すっごく、優しくて、柔和な表情で。 なにより ひとり、お庭を歩けば 日本人団体さん独特の、あの、ガヤガヤとした騒音が、1ミリもない。 木の葉の舞い落ちるが聴こえてきそうな、静けさのなか あたしは、西芳寺さんを満喫しました。 やっぱ 事前予約制にして、門を鉄格子にして、ヒトを遠ざけて ここで、時間まで待てば?って、立札したのが、いい。 それで この人類の至宝が、守られたのだとしたら。 そのことに あたしを除いて、文句を言うヒトはいないと思う。 とっても、嬉しい気分で、とっても、優しい気持ちで 真っ先に、西芳寺さんを出て。 あたしは 一瞬も迷わず、京都バスさんの発着場に向かった。 (その1、了) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年10月27日 03時23分26秒
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