テーマ:たわごと(26727)
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いまは、どうだか知らないけれど。
数年前、バイクで走っていると 田園風景一面に、レンゲが咲いていたことがある。 緑を基調として、ずっと薄桃色の絨毯が続く。 思わず、あたしは バイクを降りて、しばらく見惚(とれ)ちゃったワケですが。 これって きっと観光のタメじゃない。 地元農家さんが ドを超えた乙女チック…失礼、少女趣味なワケでもないでしょう。 レンゲは、田の肥料になる。 それなりに大きくなってから そう、聞いた覚えがある。 だから 大昔、田んぼのあぜ道には、どこもレンゲが咲いていた? と言いますか。 卵が先か?鶏が先か?の命題みたく。 田んぼの周り、適当に咲く雑草をざっくり刈り取って 面倒くさいとばかり、田の土に混ぜ込んじゃったら、丁度いい塩梅(あんばい)になった? で。 田の畔(あぜ)にはレンゲが定番商品になった、って方が あたしには、何となく、しっくりとくる。 そもそも ど田舎に産まれてこの方、ご近所の田んぼ一面にレンゲのお花なんて 奇特な、いや、奇麗な光景を、あたしは見た記憶がない。 いくらか知らんけど わざわざレンゲの種を買って あえて撒(ま)かんと一面のレンゲ畑になるワケがない? 残念ながら そういう酔狂(すいきょう)なご近所さんはいなかった。 そんなことに、お金を掛けるくらいなら。 あたしたちの通学時間も、なんのその ヘリコプターが爆音を轟(とどろ)かせて農薬の空中散布をやっていた。 田んぼ一面にレンゲのお花、って ある意味、企業努力なんだよ。 数日前に見た 田んぼに、よく判らんお野菜を植えていたのも。 そうして レンゲが肥料の優しいお米?なんて差別化を図ったり 人知れず稲作一辺倒からの脱却を図ったり。 自分なりに考えた?一所懸命の努力を やるヒトは、やっている。 それに比べて。 隣町の田んぼは 年に一度か?数年に一度か?伸びまくった雑草を刈るだけの休耕田。 そこに行政さんが用水路を敷く、ってんで キレイに田床を整えたり、いきなり水を張ったり 偽装…失礼、再び耕す前準備をしていたそうな。 案の定 ご立派に用水路が敷かれた後、そこで稲が育っている光景を一遍も見た覚えがない。 こういうの 一切合財を無視して、農業保護政策なんだ。 一所懸命に努力している、しようとするヒトも 行政さんがお金を出す、お金を配るときだけ、農業するフリをするヒトも 何の関係もない。 そうして掛かった費用をまとめて あたしたちが買う、お米の値段に組み込んでいる。 だから あたしたちは、たぶん、世界で一番高いお米を食べるハメになる。 あたしはアタマが悪いので TPPってのが、いまひとつ判らない。 こと コメや牛・豚肉など『重要農産品5分野』ってヤツが皆目、理解できない。 Wikiさんによると 「TPPによって、米国・豪州・東南アジアから廉価な農作物が国内に無関税で流入すれば、 日本の農作物はその価格差から対抗ができない。 放置すれば、NAFTA締結後のメキシコのように壊滅し、日本は食糧自給力を完全に喪失、 以後、国民の食生活は投機の対象になるだろう。 また農家は戸別補償が不十分なら、収穫品の価格低下により収入を減らし失職、 日本全体の失業率を上げ、社会不安の要因にもなる。 完全な戸別補償は可能だが、農業従事者(340万人)の数だけ 公務員を増やすことと同義になり、国家にとって大きな負担になる」 あの、さ。 いまの日本の食料自給率って、どれくらい? せいぜいが4割でしょう? つまりは いざとなったら、お金持ちから順に4割しか生き残れない。 あたしやあなたは みんな、餓死しちゃうんだよ。 それって 何が何でも!って守らんといかんこと? 大阪の零細工場で 独りきりネジを切っているオッちゃんは、ダレが救ってくれる? 中国、東南アジアから廉価な金属部品群が流入すれば 職を失うからって オッちゃんたちに個別補償して、みんな公務員にするのかい? 寝惚けたことを言ってんじゃないよ。 オッちゃんたちは、その時々に 親会社からの、身勝手で不安定な注文や価格に必死に喰らい付いている。 そういう 厳しい生活が良いとか、悪いとか、じゃない。 それが、資本主義なんだよ。 あたしたちは みんな、過酷な資本主義のルールに従って日々を生きている。 なのに どうして、休耕田に用水路を敷かなっくっちゃいけない? 税金や、あたしたちが買うお米に上乗せされなくちゃいけない? それでも あたしたちの未来が守られるなら、それもいいさ。 けれど 今のままだって、たった4割しか食べられない。生き残れない。 そんなクソ…失礼、う○こみたいな現行制度・食糧政策を 生き残れない6割のあたしたちが、どうして、後生大事に守らなくっちゃならない? 何が、「聖域」だ? 何が、「重要農産品5分野」だ? そういう クソつまんないもの、ぜんぶ関税を撤廃して 中国産でも、豪州産でも、米国産でも 安い農産物を食べられるようにして、どこが、どう悪い? マス・メディアさんは 国民目線、国民目線と喧(やかま)しいけれど 5%前後の一次産業従事者さん視線が国民目線なの? 彼らのタメに 残り95%は、世界一クソ高い農産物を食べさせられている。 あたしたち国民の声って 5%の方?それとも残り95%? ダレのタメになって、ダレのお財布に優しいか? そこんとこ きっちりかっちり報道しなよ。 数十年に1度?のお掃除で プラスチック製の冷水ポットが落っこちて割れた。 仕方なく スーパーを廻って、新しいモノを税込768円で買った。 あんまり変わんないでしょうけど 何となく日本製ってとこに拘(こだわ)った。 大腸菌事件以来、韓国産キムチは買わない。 殺虫剤入り冷凍餃子事件以来、中国産食品はできるだけ回避している。 冷水ポットにしても 冷凍食品、乾物にしても せいぜい数百円の違いなら あたしみたいな、どビンボだって日本製・日本産を選択できる。 かつて お米の自由化が切羽詰まったとき 政府は、わざわざクソ不味いタイ米を大量輸入して国民の不評を買った。 そうして 日本のお米は、ホントに美味しいね!って意識を あたしたちに植え付けた。 あのとき 海外で、日本の駐在員さんとお話したのだけれど。 近江米を原種とする?とっても美味しいカリフォルニア米は 一切合財、輸入されなかったらしい。 理由は 日本が大量輸入して、世界中からカリフォルニア米が無くなっちゃうと 海外の邦人駐在員さんが困るから? 日本が、大量にタイ米を買付しちゃったセイで 東南アジアの米穀相場が、数倍から数十倍に跳ね上っちゃった。 日本では 不味い、不味過ぎると買ったそばから棄てられていったタイ米だけど。 そのセイで 東南アジアの貧しい人々は、お米が食べられなくなったんだよ。 ほんと 邦人駐在員さんの贅沢と、東南アジアの人々の生活と どちらが大事だったのでしょうね?日本政府は。 こういうのを きっと非関税障壁と言うのでしょう。 韓国産は危ないよ。中国産は危険だよ。 タイ米は、クソ不味いよ。 そうして 知らず知らずに日本産・日本製へと誘(いざな)おうとする。 それが悪いとは思っちゃいない。 いや、反対に どんどんどんどん、そうしていけばいいと思っている。 そんなで 日本原産を買えるヒト、買いたいヒトは、買えばいい。 買えないヒト、安ければ他国原産でいいってヒトは、他国産を買えばいい。 その多種多様な選択肢が あたしたちにとって、一番に大切なのだと思うのです。 何を買う「べき」で、何を買う「べき」じゃない。 そんなこと わざわざ、お上に決めて貰わなくたっていい。 原発ムラとか、政財界とか、官僚組織とか マス・メディアさんは、既得権益を忌み嫌うクセに。 農業従事者さんの既得権益には、触れようとしない。 いや、反対に やみくもに死守しようと応援する。 そうして いつだって、あたしたち庶民は蚊帳の外。 いつまでたっても、クソ高い農産物を食べさせられている。 今まで、そうしてきたのですから 急には変えられないでしょう。 でも、ね。 TPP断固反対!でなく、せめて日本産信仰へのミス・ディレクトに抑えて欲しい。 そうして 自らは何も考えず、変えようと何の努力もせず ただただ、お上の保護政策に縋るお百姓さんを助けたければ、助ければいい。 変わる「べき」ときには、ちゃあんと変わりましょうよ。 行政さんが用水路を敷くからって いきなり休耕田をキレイにするのもいい。 雑草が伸び放題より、ずっといい。 ただ 浅はかな差別化でも、安直な自助努力でも。 どういう魂胆があろうとも 見渡す限り、一面のレンゲソウ。 そっちの風景の方が、よっぽど素敵だと思うのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年11月06日 09時53分02秒
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