Stop the season in the sun !
今晩は。独酌です。昨日の続きでスウェーデンのザリガニ・パーティーのお話をもう少し。ホントにあと少しなのでお付合いの程を。(^^;海外のものは少しクセというか臭いがあると書きましたが、日本の(特に北海道産)ウチダザリガニは臭み等が一切ないので修行の足りない独酌ファミリーでもバリバリいけます。偏食の独酌チチでさえ食べる位です。まあ、面倒がって数は食べませんけど。その点ヨメは人類とは思えない程、この手の甲殻類(エビ・カニの仲間)を食べるのが上手い。甲殻類を主食にしてる生物としか思えない食いっぷりである。スウェーデンのザリガニ・パーティーで飲物と言えば、↓コレ。【Akvavit:アクアヴィット】は主にジャガイモを原料に造られる蒸留酒です。日本で言えば焼酎みたいなもんです。スウェーデンでは「ザリガニ一匹食べたら、アクアビィット一杯」が標準的な楽しみ方だと言ってましたが、ウオッカ程ではないにしろ40度以上はありますから、これに付き合ってると大概の日本人は潰れます。しかし、スウェーデンでは紙の帽子を被ってクレフトール(ザリガニ)を食べながらヌッベ(アクアヴィット)を呷り大声で歌うのがお約束。【HELAN GA^R】Helan ga^r,sjung hopp fadderallan lallan lejHelan ga^r,sjung hopp fadderallan lejOch den som inte helan tar,han heller inte halvan fa^r,Helan GA^R Sjung hopp fadderallan lej!これがザリガニ・パーティーのテーマソング? みたいな歌なのだが、内容としては「アクアヴィットを一気飲みして、『ホップファデラランレイ』と歌おう!」みたいな。♪ 酒が飲める、酒が飲める、酒が飲めるぞぉ~!日本でいうとこんなノリかな?(え、違う?)・・・スイマセン。スウェーデン語、解りませんので雰囲気で言いました。とにかく飲んで歌ってと陽気に騒ぎます。雨でも降るか、よっぽど蚊でも湧いてない限りは野外で行われる事が多いです。野外という事で北部では↓コレも一緒に出される事があります。やはり本場でも家の中では開けないんだな。酸っぱいニシン。スウェーデン北部ではこの有名なニシンの缶詰をメインに味わうパーティーもあります。 東欧・北欧の寒い季節に冷たいビールやワインだけでは体が冷えてしまいますので、この手の強い酒を合間に飲む人が多いですね。何はともあれビールのドイツでも【Schnaps:シュナップス】という蒸留酒があり、中でも【Korn:コルン】と呼ばれる種類が大変に好まれています。シュナップスは直訳すれば「火の酒」。やはり焼酎を表します。ドイツ語では「穀物」の事を「Korn」と呼び、そのコルンを蒸留することから、穀物で作ったブランデーという意味で【kornbrantwein:コルンブラントヴァイン】という名がつき、それを略してコルンと呼ばれるようになりました。ケッコウ厳密な製造に関する規定があり、中でも香料の使用は一切禁止されていますので、原料由来の風味が楽しめます。アクアビィットがジャガイモで造られるのに対して、コルンは麦、または蕎麦で造ったもので、こちらの方がサッパリとした味わいです。独酌もドイツでビールばかり飲んでいて、お腹が冷えてしまった時に薦められてコルンを飲んで気に入りました。ビールの合間に麦で造ったコルンは良いものです。原料が同じですから喧嘩をしません。さて独酌たちは大人しくビールとワインで楽しみました。今回、独酌ハハは近所のオバサン連中と集まって出掛けたので不参加です…とは言え、「ちゃんとお土産持って帰ってよ」とチチに念を押してきた模様。オマケに前回の蟹を食べた時のワインが甚くお気に入りのようで「それも持って帰って来い」との事。近所の店を探したがなかったそうです。今回80匹程が届いたので、その内の12匹をハハの土産用に分けておきます。各人にキッチンバサミとオシボリを支給。用意が調ったところで日本版ザリガニパーティー開始。チチが1匹食べる間に独酌は2匹、ヨメは5匹は喰いますね。ムスコは10匹程食べたところで「あんまり食欲出ないなぁ…」チチも面倒がって3~4匹で箸(正確には鋏)が止まったので、マグロの刺身を気って出したら…最初トロの部分を出したのですが、あっという間に喰い尽し「もっとないの?」後で「ヅケ」を作ろうと思っていた赤身まで…結局ゴハンを3杯も食べました。どの口が「あんまり食欲…」ぬかすんだ?ただ茹でて食べるだけではなく、色々な料理も試してみようと何時も思うのですが……いつも茹でるだけで完食してしまうので実現しない。頭のミソだけでも残ればソースは作れるのだが、ヨメが全てチューチュー、ガリガリと吸い尽くしてしまう。他の料理は外で食うしかないかなぁ…。まあ、それでも「それなりに」美味しく頂いて満足な夜でした。食後に独酌とチチは酒をアクアビィットに換えてノンビリと楽しみました。これはスウェーデンではなくノルウェーのアクアビィットです。色が付いているのはシェリー酒の樽に詰められて長期保管されていた為です。ラベルに見える「LINIE」の文字は「赤道」の事で、赤道を越える航路の船に積み込まれた酒が名乗る事を許されています。ラベルの裏に航路と寄港地がちゃんと書かれています。長旅をシェリー樽の揺り篭で過ごしたこの酒は非常にまろやか。瓶ごと冷凍庫で冷やしてトロリとしたところをショットグラスで「クイッ!」と…これが撃沈の原因です。無事に長い航海を終えて生まれた酒を飲んで沈没した独酌でした。フランスではエクリビスが珍重されると書きましたが最近ではウチダザリガニの仲間も人気が出てきたようです。仏料理一筋の、この重鎮も「正直、こっちの方が旨いかなぁ…」と言ってます。立場上、宜しいんでしょうか? Mさん(笑)最後に、もし幸運にも「生(活きたまま)」で手に入れる事が出来たとしても生食は避けましょう。吸虫類の中間宿主になってる可能性があるからです。カルパッチョなどにする時は必ず一度、冷凍処理をしてからにしましょう。新鮮な奴を生で食べたら美味しいとは思いますが、命がけで食べる程ではないでしょうからね。なかなか暮れない北欧の白夜・・・遅くまで踊ったり歌ったりして思い切り楽しみながら、スウェーデンの人たちは短い夏に別れを告げます。何しろ秋は瞬きする間に過ぎて行き、極寒の冬がやった来ますからね。夏の終わりのパーティーは、もうちょっとだけ夏の日を楽しんでいたいスウェーデン人の切ない願いも込められてる気がします・・・♪ Stop the season in the sun ! 夏よ逃げないでくれ夏休みが終ってしまうのを悲しむ子供と同じ気持かな?そんな訳ないか。国中がそれじゃダメだもんな。とにかく、過ぎ行く夏に・・・Skal(スコール:乾杯)!宜しければポチッと応援願いま~すm(--)m