ムスコさかる?
おはようございます。独酌です。昨晩9時過ぎに家に帰ると馬鹿ムスコが「オヤジ会いたかったぞ~!」と近付いて来ました。何を企んでるかは解りませんが、気色が悪いのでとりあえず軽く蹴り飛ばしておきます。「何も買ってやんねぇーぞ」「ひでぇ~なぁ、そんなんじゃなくて一緒にメシ喰おうとしただけなのに」テーブルに目をやると、「サンマ塩焼き」「野菜炒め」「冬瓜の煮物」「茶碗蒸し」などが載っていました。ヨメが仕事へ出かける前に用意をして行ったようです。「何だ、オマエも今帰ってきたのか?」「違うよ。7時に帰ったけど待ってたんだよ」「何でさ?」ムスコは犬より躾が出来ていないので「お預け」は出来ない。それどころか、目の前に食べ物があれば、「食うな!」と言っても喰っちまう性質なのである。「何で喰わないんだよ? 用意してあんじゃんか」「ダメなんだよ、これじゃ」「あん?」「サカリの付いたオレの肉体は、こんなんじゃ我慢出来ないんだよ!」サカリが付いた…?こういう事か? 何が言いたいのやら。「あのねぇ、カアチャンこの前の健康診断で体重が50キロ過ぎちゃったから、49キロに戻るまで肉食わないって言ってんだよ」「いいじゃねぇーかよ、別に」ヨメはムスコが夏休みに入るのと同時にスポーツジムを休会した。家で監視をしないとムスコは一切勉強しないからである。週4~5日通っていたのを止めれば太るのは道理である。夏休みが終ってからも仕事が忙しくて中々ジムへ行けないようである。「良かぁねぇーよぉー!」「何でぇ?」「この4日間、ウチのメシずっと魚と野菜ばっかりだよ!!」「健康的でいいじゃんか」「育ち盛りで食べ盛りのオレの体は肉を求めてんだよぉ!!!」「・・・」オメエ、この女子アナより馬鹿だろ。「育ち盛りに、食べ盛りにサカリまくってるオレの体は肉ナシじゃいられないんだよぉ!」まはりくまはりたぁ~! アタマ良くなぁ~れぇ!呪文と愛情を込めたマジカルパンチをブチ込んでおく。「痛ぇー!」「何すんだよぉ! クソオヤジ!」汝、左の頬を打たれたら…1、2「痛ぇー!!」えろいむえっさいむ! 賢くなぁ~れぇ~!呪文を強化した分、愛情は30%控えめのパンチを叩き込んだら、「暴力オヤジ!」だの「ドメスティク・バイオレンス」だのと騒ぎ立てる。「うるせいなぁー!」「頼むから肉買いに行こうよぉ~!」結局はソコかい…喧しいので24時間営業してるスーパーへ買物へ行く事に。そこそこ良さそうな肉。この日スーパーにある中では一番高い。表示は「黒毛和牛」のみ。「これでいいんじゃねぇか?」声を掛けたが返事が無いので振り向いてみると、ムスコは一点を凝視して固まっていた。「安全でおいしいオージー・ビーフ」の表示。安い! 750グラムで1680円!! しかし見るからに硬そう。「オマエ、これは硬ぇーぞ、きっと」「これだ! オレの求めてたのはコレだ!!」まあ、いいけどね、安いし。家に帰って肉を焼く事に…とは言えフライパンに収まるサイズじゃないのでベランダのバーベキューセットに炭を熾す。「あとは自分でやれ」放ったらかしにしてたら、塩・胡椒を振っただけで焼き出した。筋を切ったり、叩いたりは一切ナシ。シンプル・イズ・ベスト?肉の周りを跳ねながら踊ってるから本人的にはOKなんだろう。丸で欠食児童だなぁ…とりあえずムスコに片が付いたので独酌も食事にする。ムスコが嫌がって食べなかったのをレンジで温め直して、日本酒のツマミに。サンマは焼きたてが一番だが、まあ、文句は言うまい。ちゃちゃと食事を済ませて酒に切り替える。今日はテキーラに。レモンと塩が一番のツマミになるから簡単この上ない。ホントはキーライム(メキシカンライム)が欲しいところだけど。あっさりし過ぎてる位だから、かえってレモンの方が良いか…と思いつつ、冷えたのをクイッ! とやってたら視線を感じたので窓の外へ目をやるとムスコが覗きこんでいた。「何食ってるの?」「レモンだよ、レモン」「レモンだけ?」「そうだよ」「な~んだ」「何が、『な~んだ』だだよ?」「何か食うモンないかなと思ってさ」「いっ!?」コイツ、あの肉もう食ったのか?「完食! 何かな~い?」どんだけ食っても構わんが、せめて1%位は脳ミソに栄養を廻してくれ…ホントに【サカリ】が付いたらもっと面倒臭そうだなぁ。♪ 育~ち盛りは食ぁ~べ盛り!…あ~らよ、出前一丁!こいつにずっと脛を齧られたら無くなるなぁ…「顔ナシ」じゃなくて「脛ナシ」になっちまう。頑張るオヤジに愛の手を! ポッチ!と応援お願いします。