TS-1奏効2001年11月~2002年3月TS-1が奏効し、あれほど食べられなかったのが嘘のように食べられるようになった。 天丼、ギョーザ、トンカツ・・・何でも良く食べた。 父が美味しそうに食べる姿を見るだけで、嬉しくなる。 毎朝、約30~40分の散歩に母とよく出かけた。 歩く事が嫌いな人だったけど、体力をつけるのだと散歩を始めたのも良かったのだろう。 しかし数ヶ月してから、副作用が出始めた。 涙がやたらと出るので、ガーゼのハンカチが手放せなくなった。 色素沈着も顕著に現れ、体全体が日に焼けたように黒くなった。 手の皮膚もボロボロになった。 だけど、辛いと言うほどのものではなかった。 健康食品の類を父は毛嫌いしたので、TS-1以外にこれと言って何もしなかったから、間違いなくTS-1のおかげで食事が摂れるようになったのだろう。 とにかく、何も問題もなく時は流れた・・・・・ 穏やかな日々が続いた。 でも、この病気の現実を幾分知っていた私達夫婦は常に1年カレンダーにTS-1のクール数を書き込み、いつまでTS-1が使えるか危惧してはいた。 2002年4月 Y先生にご紹介頂き、父が信頼していた主治医の○○先生が3月末で転勤になった。 新しい病院がこの年の9月に開院するにあたり、準備のための転勤だった。 この事はもう転院した時から知ってはいたが、開院のこんなに前に移動となるとは思わず、驚いた。 新しい病院の方が家から近いという事もあり、開院したら○○先生の元へ又参りますので宜しくお願いしますと伝えた。 ○○先生は「そうですね、新しい病院の方がお宅から近いようですし、良いですよ。お待ちしています」と快諾してくれた。 新しい病院にはY先生もいる。 Y先生と再会する事、これが夢だった。 そして主治医が変わった。 主治医が変わるという事がこんなに落ち着かないものだとは思わなかった。 新しい主治医も優秀な医師だったが、どうも命を預ける人が変わると言うのは、何ともおかしな感じがする。 まぁ、通院は3週間に1度、胃カメラとCTの検査は2クール毎というペースをずっと守って来てるし、このままあと半年何もなく過ぎてくれれば良いのだからと思っていた。 |