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こんな国に生まれて…日本狼…純粋バカ一代…山崎友二

こんな国に生まれて…日本狼…純粋バカ一代…山崎友二

「白髪」

【1】
会社の休憩時間にコーヒーを飲んでいたら、後ろのほうから女子社員に声をかけられた。
「ヤマザキさん、質問してもいいですか?」
「いいよ。別に」
「よかった。えー、では質問します。ヤマザキさんは、白髪が多いですけど、自分で気になったことがあるんですか?」
若白髪が多いから変だと見ているのか。でも、なぜ、それを本人に聞く?
高校生の時、二度髪を染めたことはあるけど、栗色に。その後は、ほったらかし状態。
「…それは、どういうつもりで聞いてるんだ?」
「ただ、ヤマザキさんが、白髪を気にしてるかどうか知りたくて…」
「ああ、そう。気にしてないよ。だいたい鏡を見るのが朝顔を洗う時だけだから、その時も白髪は気にならないよ」
「やったー!やっぱりそうなんだ!」

【2】
「『やっぱり』ってどういうことだ?」
「あのね、女子達で昼休み、ヤマザキさんの話をしていて、白髪が多いよねって話になったんですけど、本人は気にしてないのかなという話になって、直接聞いてみようということになったんです」
「お前たちは気になるのか?」
「いいえ、本人が気にしてないなら問題ないです。全然。」
「ところで、なんで『やったー!』なんだ?」
「ん?ヤマザキさんは、そんな小さいことを気にする人じゃないよということで意見は一致したんですけど、本人に聞く役目を私が勝ち取ったんです。じゃんけんで」
「じゃんけんで負けたから聞き役になったのか?」
「いえ、勝ったんです!グーで!」
彼女は、グーでガッツポーズをしていた。
(終)


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