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葉隠餡

葉隠餡

1回目の面会(1)

2008/01/05記載



面会の話。そもそも面会の許可は2週間程度で下りたように記憶しているが、実際に面会したのは逮捕されてから1月半~2月近く経ってからだった。



一番最初にM(下着泥棒をして逮捕された私の元旦那)が逮捕された知らせを警察から電話で知らせを受けた際、電話口で私は面会をしたいと申し出たが「面会は10日位は最低無理です」と警察の方から電話口で言われた。また、電話で「伝言を伝えてもらえないだろうか」と尋ねたが「申し訳ないれは規則で出来ない」という返事がかえってきたのを覚えている。
逮捕された初日、当初は「10日も面会出来ないのか・・・そんなに待たなくてはいけないの!??」と思った。だが、実際に私がMと面会が出来るようになったのは逮捕後1ヶ月半以上は経過していたように記憶している。




確か警察から連絡をもらったのだろうか、ある日、待ちに待った面会許可が出たという事で、Mが収監されている警察署(留置所)の電話番号を教えてもらった。段取りとしては警察署に電話して面会日の予約を入れる。


この、段取り…これが厄介だった。これが面会を長引かせる原因の一つでもあった。Mが入っていた留置所は過疎化が深刻なある街の警察署だった。人手が足りないようで、面会出来る日と時間が少なく、その少ない日程の中を他の留置されている関係者との奪い合いになるわけだ。Mの収監されている留置所が提示した1ヶ月先までの予定を聞くと先1ヶ月は面会が一杯だという。留置所側から別の日時を2、3個提示されたが、私の仕事の都合がどうしてもつかず、
最短の面会日(といっても、1月半以上先)を申し込んだ。
この電話の最後に警察の人に頼まれたことがある。「Mの着替えを持ってきて下さい。逮捕された時に着ていた服のみしか無い。現在は服を警察から貸し出している」との事である。その話しを聞いた瞬間「何故私がMの服を届けてやらなければいけないの?」と一瞬思ったが、この時点では法律上は「妻」なのだから仕方ない。





本来の面会というのはどこでも月~金の平日、常に面会可能が建前だそうだが、小さいな警察署(兼留置所)は勤務の問題で、面会の時の立会人の問題等で日時が非常に限られてしまうそうだ。なので、週1,2回の1日数回面会時間があればよい警察署であった。
ちなみに、この話しはMが「被疑者(容疑者)」の段階なので、面接の回数は決められていないが、裁判で罪が確定して刑務所に服役する場合は「面会は1月に1回」のみらしい。この1回というのは「一人1回」ではなく「面会は誰かは関係なく1月1回のみ」となるらしい。






面会の当日が来た。天気「晴」。空は少し秋色がかった夏空だったと覚えている。仕事も無理に頼みこんで連続勤務で調整してなんとか空けた日だった。体も相当疲れていた。無理もない。仕事が夜中の2時過ぎに終わり、その後、会社の寮で仮眠、その後朝一番の列車でMの荷物のあるI市に帰り、警察の人に頼まれた着替えを取りに戻る。そして、すぐさまとんぼ返りで警察署のあるA市に向かったからだ。確か3時間も寝ていなかったと思う。


Mとわずかばかりに暮らしていたI市の元自宅を逃げるように出てきて、普通列車に飛び乗った。列車で1時間以上も揺られただろうか、Mが収監されているA市A駅に列車は到着した。この辺りではそこそこに大きな駅のようだが、ホームは2箇所のみ。改札は二つだけの駅だった。改札を抜け、Mのいる警察署に向かって私は歩き出した。バスもあるが、数時間に1本程度のバス。徒歩30分以上かけて晴天の中を歩いた記憶がある。
面会を心待ちにしていたが、決して「ワクワク」という面持ちで無かったのは間違いない。



1回目の面会(2)












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