新・松平右近 「地獄から還った男」感想
御用聞きが同心を殺して出奔。捕らえれば10両との立て札が立つ。同心殺しの新吉は、やってないと主張。恋人を襲った別の男を殺して逃げて、気がついたら旦那の下手人にされていたらしい。相談を持ちかけたのは元盗人の文蔵だが、「とっつあんに拾ってもらったおかげで御用聞きになれたんだ」って凄い話だな。「お前はオレが殺したんだ!」殺してもいない旦那が死んで、殺したはずの男が何故か酒を飲んでいる。だからって人前に飛び出すなよ!肝心の恋人のおいねは、「死んだのは同心の旦那」と主張。おいねの弟は喧嘩で運悪く相手を殺してしまい、処刑を待つ身。彼女はそれを救うため、弟を捕らえた恋人を売ったのだった。殺された同心は夜鷹(と思われる)女たちを捕らえてせりにかける「夜鷹狩」に反対して奉行所内での立場が悪化していたらしい。これまでのあがりがざっと7,000両……。中にはどうみても堅気の娘たちもおり、朝には親たちが奉行所に押しかける。まだ若くてすれてない平四郎旦那は、夜鷹狩りで捕らえられた素人娘たちの運命を考えると、飯も喉に通らない。……それで母に「役目から外されるよう運動してください」っておい。捕らえられていた女たちは先生たちの働きにより解き放たれるが、騙されたことを知ったおいねは口封じに殺される。そして女たちを追い回す役人たちの前に、藪先生が立ちふさがるのだった。