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2009.03.01
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カテゴリ:飯島愛
飯島愛/PLATONIC SEX

飯島愛さんの『PLATONIC SEX』(2000年10月)
を読んだ私の心に余韻を残しているのは、DJ敏之くん
との出会いと別れの場面です。


敏之くんは、私たちがよく通っていたディスコのDJで
、本場ニューヨークで活躍し、日本のクラブシーンに新
しい風を吹き込みたいという夢を持っていた。彼と私は
直接話したことはほとんどなかった。智恵美や順子のつ
きあっていた男だったから、面倒くさいことになるのが
嫌だったからだ。だから、彼が、智恵美を通して私にバ
ースデイのメッセージをくれたのは、ちょっとした驚き
だった。

私はドキドキが収まらないうちに、電話をした。彼の部
屋には電話が鳴り響いていたと思う。留守番電話のメッ
セージに切り替わった。「愛です。誕生日のメッセージ
、ありがとう。うれしかった。電話をください」自分の
電話番号を残し、受話器を置いた。

好きな男からのコールバックを待つ時間は、へんにソワ
ソワする。絶対自信があっても、それは同じ。相手を好
きでいればいるほど、期待感と不安感は募る。

杞憂は喜びに変わった。彼からすぐに電話があったのだ
。「会おうよ」と彼の包み込むような声に頷いて、私た
ちは一緒にご飯を食べに行った。ずっと心の中で憧れて
いた敏之くんとのデートは、ちょっとした幸せだった。

幸福は急激に深まることもある。敏之くんは、その日か
ら自分のマンションに帰らなかった。「一緒にいよう」
そういいながら、彼は私のひざ枕で私の表情を覗きなが
ら毎日のように甘えてみせた。

くたくたになって撮影から帰ってくると、部屋には明か
りがついていて、大好きなトシちゃんが出迎えてくれる
。彼との生活は、私のすべてを癒してくれた。


(当時、飯島愛さんは、AVデビュー後、テレビ東京系
のお色気番組『ギルガメッシュないと』にレギュラー出
演し、写真集やグラビアの撮影も入ってきた。3カ月の
AV出演契約が切れると、「もう三カ月だけ働いたら、
前回の倍(2000万円)は最低保証するよ」と言われ、
愛さんは、彼に相談せず、契約延長の話を許諾してしま
います。)


街は冬にさしかかろうとしていた。その日のテレビの収
録を終え、いつもの見慣れた道をいつものように車で帰
った。マンションの鍵を開け、玄関に座り込む。「ただ
いま」部屋の奥の彼に聞こえるように声をかけながら、
ブーツを足から外した。コートも脱ぐと、ちょっと体が
軽くなる。軽い足どりのまま部屋に入ると、出かけてい
るのか彼はいない。

部屋の中を歩きかけて、私は体を固まらせた。いつもあ
るものがない! 彼の荷物がすっかりなくなっていたの
だ。彼はどこかへ行ってしまったのだ。ふたりで一緒に
生活していた温かい空間が、冷たい空間に一変していた
。私は、倒れ込むように泣いた。子どものように声を出
して泣きわめいた。

三日たっても、一週間が過ぎても、彼は帰って来なかっ
た。私は、毎日のように泣いた。生放送もばっくれた。
つけたテレビからは司会者が「愛ちゃん、怒らないから
おいで」と呼びかけていた。マネージャーからはひっき
りなしに電話がかかってきたが、取ることもできない。

悲しくてもお腹は減る。作る気力もない。私はピザ屋に
出前を頼んだ。しかし、到着したピザを受け取るのにド
アを全開にすると、「そばにいる」というマネージャー
に踏み込まれるかもしれない。チェーンロックをしたま
まドアをほんの10センチだけ開けて、ピザを縦にして
受け取った。リビングに戻って箱を開くと、ピザは片方
に寄って、見るも無残な姿になっていた。

ふたりは、すれ違いの生活の中で、交換日記をつけてい
た。


1991.11.4 愛
今日からトシちゃんと二人で暮らすの。愛ちんが男の人
と一緒に生活したいと思ったの、本当に久しぶり。まだ
、お互いに仲よくなって一カ月ほど。でも愛は好きで好
きで……、一秒だってあなたを離したくない。この先色
々なトシちゃんの一面に惹かれて気持ちは高まる一方で
しょうね。トシちゃん、愛はずっとずっと、あなたを愛
し続けます。寂しい思いや辛い思い、させないでくださ
いね。愛だけのトシちゃんでいてください。

1991.11.11 敏之
無職を初めてやってしまって数カ月。早く落ち着いて仕
事をしたい。いろいろ迷惑をかけて、愛ちん、ごめんな
さい。早くN・Yに留学して愛と向こうで生活がしたい
。それまで頑張って働いて金を貯めたいです。今は何か
と生活が落ち着かないけれど、ちゃんと将来を考えてい
こうと思う。愛ちんと結婚するもんね。ぼくは愛ちんを
愛しています。ぼくの愛ちん。

1992.1.18 愛
最近お仕事が大変で大好きなトシちゃんと過ごす時間が
ほとんどありません。忙しいです。But トシちゃんはい
つもお家の中でおかたずけをして待っていてくれます。
ありがとう。愛ちんの好きになったトシちゃんは、優し
くて、とってもいい人で……。本当に幸せです。絶対に
絶対にトシちゃんだけは、愛ちん、誰にも渡さないよ。
愛ちんの大切な大切なトシちゃん。最近……ごめんね。

1992.1.19 敏之
全然最近一緒にいる気がしない。起きて話をしている時
間なんかほんの一、二時間。仕事だからしかたないけど
、寂しい。今までずっと何をするのも一緒だったからな
おさらだけど、離れたくないし、離したくない。早く帰
ってきてちょうだい。イヤだ。寂しい。一人でメシを食
うのは、もうイヤだ。最近一緒にご飯も食べてない。早
く、オレ一人の愛になってほしい。寂しいよ、愛ちん。

1992.2.17 愛
お願い、そばにいてください。別れる方向に考えないで
ください。今も、これからも、あなたがいない生活なん
て考えられない。考えたくないよ。愛のしてることは彼
女として最低なことで、何もいえる立場ではありません
ね。でもトシちゃんのこと思う気持ちや、二人で過ごす
時間は普通の女の子だし、誰にも負けないくらい愛して
る。忙しくて、彼女としてあなたにしてあげられないこ
とたくさんあるけど。でも一人で寂しい時間を与えてし
まっている分、休みのときは二人で楽しくできるよう、
今まで以上に努力しようと思うの。まだ知り合って三カ
月ほどだけど、色々な思い出いっぱいあって……。もう
トシちゃんのいない生活は本当にイヤです。どうしてい
いかわからないもの。せっかく本当に大切に思える、大
好きな人ができたのに……。優しくされても、そばにい
てくれても、今までは不安だった。幸せな分、いつこの
幸せがくずれるのか、考えると不安だった。だからもう
先が見えそうで。トシちゃんが頭の中から離れていかな
いよ。絶対にイヤ、別れない。愛はトシちゃん以外、も
う一生こんなに人を愛せないから。ずっとずっと愛し続
けてください。

1992.3.18 敏之
ゴメン、オレが間違ってた。今の仕事、好きでやってる
わけないよね。それなのにいつも自分の感情押しつけて
……。仕事でも何だかんだいわれて、しかもオレのこと
で……。家に帰ってきてもオレにいわれてイヤだったん
だろうね。ごめん。仕事をしないのも、オレが結局愛に
甘えていた部分と自分で逃げていた部分が正直あったと
思う。早くオレの方もはっきりしないとね。信じてくだ
さい。浮気なんかしてないし、愛してるし、将来もよく
考えるから。

1992.6.16 愛
大好きなトシちゃんの子どもだから、産みたい。すごく
悲しいね。でも、自分たちには今、子どもを産んで育て
ることができません。無責任な愛たちが悪いの。絶対に
産みたかったの。もう二度とこんなこと、ないようにし
ようね。将来、New Yorkで生活して、何かを得て、そ
したら今度は愛が妊娠したことを喜んで下さいね。今回
の子どもの分も大切に育ててあげようね、トシちゃん。
愛にとっても子どもにとっても、いいパパさんになって
ください。これからも愛だけの大切なトシちゃんでいて
ね。もうすぐ、毎日一緒にいれるよ。

1992.6.18 敏之
愛ちんごめんね。いつも謝ってばかりだね。何て言って
いいのか、悲しいし、かわいそうだし、オレが無責任だ
った、真剣に反省している。今は何て言えばいいのかわ
からない。子どもにはごめんなさいとしか言えない。今
度そのときが来て、子どもが産まれても、もう一人生き
ているはずだったことを忘れずに生きていこうね。いつ
もお前にだけつらい思いをさせてしまって本当に情けな
い。オレができること、一生かけてつぐないます。でも
オレも本当に欲しかったんだよ。

1992.6.30 愛
ただいま、トシちゃん。手術終わって帰ってきました。
愛は元気だよ。もう本当に、赤ちゃん、殺してしまった
。悲しいね。ごめんね、赤ちゃん。産んであげられなか
った私をうらんでください。トシちゃん、愛はだいじょ
うぶ。だから赤ちゃんにだけ、申し訳ないとあやまって
ください。

1992.9.30 敏之
寂しいのは相変わらず。ここ何日かだけど、小さなささ
いなケンカ、多いね。相変わらずオレもぐちぐちしちゃ
ってるし、たまに不安になってしまうんだよね。愛が冷
たいとね。男だからそんな小さいこと気にするなって思
ってるんだけど、いってしまうんだ。愛とつき合い始め
てから、本当のオレの性格って何なんだろうって思うよ
うになってきた。強いのか、弱いのか、優しいのか、冷
たいのか。今まで好き勝手やって人を傷つけてきた。ば
ちがあたってるくらいだったら楽だけど。もう、昨日ま
でのイヤなことは忘れよう。もっと男らしく、大人にな
って愛を包んであげよう。愛のいいところも悪いところ
もすべてわかったうえで、愛していよう。一日一日平凡
でもいい。もっと二人でいる時間を大切にしてあげよう
。愛ちん、もっとオレ、大人になるからずっと一緒にい
て。年をとって楽しかった、幸せだったといえるような
つき合いをしようね。オレのそばから絶対に離れていか
ないでね、愛してるよ、愛ちん。


彼から電話はなかった。彼はどこに行ってしまったのか
、何をしているのか。まったく情報も入ってこない。私
は仕事を休み続けた。それでも二週間もたつと体も心も
慣れてくる。ようやく仕事に復帰し始めた。さらに、一
週間がたち、二週間がたち、一カ月を過ぎる頃には、少
しずつあきらめを覚えていた。泣き出すと涙が止まらな
いけど、泣く涙をこらえるということを、私は学習した


今までは、彼に対して負い目があった分、友達とのつき
合いも仕事上の人づき合いもせずにまっすぐ帰宅してい
た。でも、もう待ってくれる彼はいない。早く帰っても
家の明かりはついていない。私は家に帰り着く前に、友
達に電話し、街に繰り出した。派手な服を着込み、大勢
とバカ騒ぎをする。今までの私がさんざんやってきたこ
とだ。

一、二年、連絡をとらなかった男友達とも、恋人と別れ
たことを告げ、連絡をとるようになった。なぜ別れたか
などを話していると、やはり涙声が電話の向こうに聞こ
えたのか、男友達が心配をして、話を聞いてあげるから
と、私の自宅まで夜中来てくれる。私は、今まで恋人が
できたからといって友達を粗末にしていたことを申し訳
ないと思った。

でもそれは勘違いだった。男友達は、私の彼が出ていっ
たことを知ると、当然のように覆い被さってきた。一瞬
、信じられないと相手を疑ったけれど、彼に一途だった
私が、そんなことを忘れていただけで、私は、そういう
環境の中にいたことを思い出した。今までこうやって生
きてきたのだ。恋人とのわずかな幸せな時間が純粋な心
を与えてくれていただけだ。

そう気づくと、私は反抗するかわりに、相手の舌を強く
吸い、後ろに手を回した。そのまま体を沈め、自分のあ
えぎ声に寂しさを紛らわせた。男友達と身体を重ねあわ
せることで、彼の占めていた場所を埋めようとしていた


でも 埋まらない。違う。埋まらない。





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Last updated  2019.05.16 02:34:37
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