ロイヤル・オペラ「椿姫」 Part2
第2幕第1場
お待ちかねの第2幕。
この瞬間だけをこの
5年待っていた。
サイモン、お帰り。
日本の舞台にようやく戻ってきてくれた。
夢は憧れすぎるといけない
太陽に近づいてはいけない
焼け死んでしまうから。
私の特別な人。
ヴィオレッタの別荘。
室内だけのセット。
奥に入り口。
かみてに外からのドア。
かみてにテーブル
アルフレードが銃を持って猟から帰ってくる。
長い銃身に似合う長い脚
長いブーツ。
まるでモデルだ。
彼はこの3カ月ヴィオレッタと暮らしている。
天国にいるように何もかも忘れて幸せに暮らしている、と歌う。
演技するのを忘れてまるでリサイタルのように歌っている。
拍手
アンニーナどこ行ってきたんだ?
家財を売ってきたのです
怒るアルフレード。
ここが問題のアリア。
METでめちゃくちゃだったんだよね。
テンポの速いキレ良く歌わなくてはいけないところ、
どうも言葉回しがね。
最後の最高音をオクターヴ上げるところ(三点ハ音(high C)だったのかはわからないが)、
ちゃんとやっていたのはエライ。
彼は声は高い方でるしね、ちゃんと
しかし
ラーヴェロ~~~と歌うところ。
ラーヴェエア~~~~
となっちゃうんだよね。
まあでもMETよりははるかにましだった。
ここでほっ。
ヴィオレッタ
アルフレードは?
出かけました
変ね。
お客さんがやってくる
来た~~~
ジョルジョ・ジェルモン!
頑固でいけすかないどうしようもない堅物。
シルクハットにステッキ、茶色のコートで入ってくる。
やはりキーンリーサイドは性格俳優だ。
なんかすごくデ・ニーロに似てたんだよね。
怖かった。
デ・ニーロの怖さを感じた。
口は常にへの字。
ハンサムの面影もない。
杖をついて歩く
杖がない時は盛大に右足をがっくりひきずって歩く
リゴレットか?
眼鏡をかけたりはずしたりチョ~忙しい。
懐のハンケチを出して額を吹いたりもする。
マドモワゼル・ヴァレリー?
ソン・イオ
アルフレードの父です。
あなたが誘惑した男の。
何ですって?
失礼しますわ。
何て言い草
しかし…
なんて豪勢な。
といいながら部屋をじろじろ見ている。
普通だとだんだんヴィオレッタの誠実さにジョルジョ・ジェルモンはほだされていくのだが、
そういう演技いっさいなし!
眼が終始怖い!
ヴィオレッタを軽蔑している
蟻以下の存在だと思っているのがありあり。
ジェルモンは帽子とステッキをテーブルの上に置く
しかしコートは脱がない
椅子を持ってきてヴィオレッタと横並びに座る
私は2人の子供の幸せを求めているんです
2人?
妹の話
すばらしい。
永久に別れろですって?
だめです ノ・マイ
畳みかけるジェルモン。
犠牲はつらいでしょうが
年と共に色香はあせます
おっしゃらないで!
そしたらどうなります?
よく考えてください
(ペンサーテ
天から祝福されていないから
エ・ヴェーロ
ジェルモンはいっさいの同情も憐れみも見せず
きつい言葉でヴィオレッタを追い詰める
鬼だ!
ヴィオレッタはついに折れる。
しかしほだされないジェルモン
至高の二重唱
アンサンブルがやはりうまいキーンリーサイド
ピアンジ、オーミゼラ
ようやく説得にこぎつけたジェルモン。
愛してないと言ってください
信じませんわ
いらいらして強く言う
(背中を見せたまま)
立ち去ればいい!
追ってきますわ…
いらいらが頂点に達するジェルモン
じゃあ!!(どうすると言うんです!)
きつく睨みつける
ここでヴィオレッタは意外な行動に出る。
ジェルモンに抱きついたのだ
娘として抱擁してください
ジェルモンはまるで汚いものにふれられたように
体をこわばらせ
吐き捨てるようなリアクション
腕を回すわけでもなく。
最低の男だ。
私は見返りに何をすればいいかな?
(氷のようだ)
ヴィオレッタもキレる
死にますわ!
死んではいけない
もう二度と会うことはないでしょう
ジェルモンはヴィオレッタの頬にふれる
ヴィオレッタはジェルモンを拒否しお引き取り願う
ふは~
ヴィオレッタが手紙をアンニーナに持たせる
アンニーナは着替えて出かけ際に心配そうにヴィオレッタを見つめてから出ていく
こういうところ演技細かい。
アルフレードが手紙を書いているヴィオレッタに後ろから目隠しする
きゃ~何このべたな演出。恥ずかしい。
ヴィオレッタはびっくりして手紙を持って反対側へ走る
ところだがスカートが椅子に引っかかって動けない(アクシデント)
ヴァレンティが椅子を持ち上げてやる。優しいのね。
何だよ見せてよ
だめよ
ごめんよどうかしてる。親父が来てるんで。
動揺するヴィオレッタ
出ていく。
男が入ってきてヴィオレッタとアンニーナが出て行ったと告げる
知ってるよ!
おかしいな
幼い娘を連れた男が手紙を届ける。
こういうとこがロイヤル~
可愛い娘がお辞儀する。5歳ぐらいだ。
微笑ましい。
アルフレードは動揺している
後ろにジョーズ、じゃなくてキーンリーサイドが迫っている
お父さん!
息子よ。
息子をステッキで通せんぼする。(え~!)
ジェルモンは今度はコートを脱いでテーブルの上に置く
手紙を持って泣きだす息子が情けなくてしょうがないジェルモン。
Di Provenza il mar, il suol - chi dal cor ti cancello?
プロヴァンスの海と土地を歌い、中間で、彼の手紙を奪い、
ステッキで足を打擲する(!)
こんな演出今まで見たことない。
朗々と、バリトンの名曲中の名曲を歌いあげるサイモン。
この日一番の大拍手。
アルフレードは父の手をはらいのける。
今度は強い調子でアルフレードを諌めにかかるジェルモン。
舞台かみてに移動したアルフレードはテーブルの前に立っている父と激突してしまう。
これは演出なのだが、あまりにもヴァレンティがど下手で。
アルフレードはもんどりうって床に倒れるのだが当たり方が弱い。
父は机に寄りかかるかっこうになる。
こっからアルフレードとまじ喧嘩腰になっていく
耳を貸さないアルフレードに逆切れするジェルモン
復讐に行くぞ!と出てった息子に
地声で
何だって!
そしてフリーズ。
第2幕第1場了。
Part3 に続く。