地球の炭酸ガスは海に溶け込み著しく減って現在に至る 46億年前、誕生したばかりの地球の大気は、高温・高圧の水蒸気が大部分を占め、その他に二酸化炭素、窒素などを含んでいたと考えられている。その後、数億年かけて地表が冷え、水蒸気が雨となって地表に降り注いで海ができると、大気の主成分は二酸化炭素と窒素になった。さらに、海に二酸化炭素が溶け込み、その一部がカルシウムイオンと結合して、石灰岩(炭酸カルシウム)として海底に堆積することにより、大気中の二酸化炭素は減少し、大気の主成分は窒素になった。およそ27億年前、太陽の光エネルギーを利用して光合成を行うラン藻(シアノバクテリア)が海中に誕生し、二酸化炭素と水から有機物と酸素が生成されるようになると、大気中の二酸化炭素はさらに減少し、酸素が増えはじめた。その後、生物が進化して陸上に進出し、多様な植物による光合成が活発に行われることで、酸素はさらに増え、大気は数十億年かけて、窒素と酸素を主成分とする現在の組成になった。現在でもオーストラリアでは、「生きた化石」シアノバクテリアがつくる、ストロマトライトという岩石を見ることができる。 地球の大気と水 「空気のような存在」「湯水のごとく使う」という言葉があるように、私たちはふだん、大気や水の存在を意識することが少ないかも知れない。しかし、地球上に生命が誕生し、多様な進化をとげてきた歴史は、大気と水の存在抜きには語れない。(出典をAssessment of Water Resources and Water Availability in the World,1996などと明記していて国立研究開発法人国立環境研究所webに掲載した内容を抜粋)