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クニマス生存 絶滅の固有種 70年ぶりに発見
2010年12月16日(木)09:00 (河北新報) <さかなクン判定に貢献> かつて秋田県の田沢湖にのみ生息し、環境省のレッドリストで「絶滅」種に指定されている日本固有の淡水魚「クニマス」が山梨県の西湖で約70年ぶりに確認されたことが15日、京都大の中坊徹次教授(魚類学)らの調査で分かった。絶滅種の魚の発見は初。同省は指定見直しを検討する。 中坊教授は「田沢湖で絶滅する5年ほど前に、放流のためにクニマスの卵が西湖や本栖湖、琵琶湖に運ばれた記録がある。この時の卵を元に繁殖を繰り返したのではないか」と話している。 クニマスは体長約30センチ。1940年ごろ田沢湖に強酸性の水が入り、死滅したとされていた。 中坊教授が2月、テレビなどで活躍する東京海洋大客員准教授「さかなクン」にクニマスの絵を描いてほしいと依頼。さかなクンが特徴の似た西湖の「ヒメマス」を取り寄せたところ、クニマスと似た黒っぽい色のものが交じっていた。 中坊教授が独自に西湖から取り寄せた魚と合わせ計9匹を分析。えらや消化器官の構造がクニマスと一致し、遺伝子解析でヒメマスとの交雑種でないことも分かった。 さかなクンは「クニマスを二度と滅ぼすことがないように、自然、生きものの尊さをしっかりと考えていきたい」とコメントを寄せた。 <観光協会が近く訪問へ> クニマスの生息が確認されたことについて、田沢湖観光協会(秋田県仙北市)の黒沢聡事務局長(58)は「びっくりした。ありがたく、うれしい」と興奮を隠しきれない。 クニマスは古くから田沢湖で漁獲されていたが、発電などを目的に玉川の強酸水が導水されたため絶滅したとされていた。2008年に国の登録記念物となり、標本も世界に17体しかない。 観光協会は95~98年、「クニマスのいない田沢湖は寂しい」と500万円の懸賞金を懸けて探したが、何件か情報は寄せられたものの、クニマスは確認できなかった。 黒沢事務局長は「クニマスを食べた記憶がある人もほとんどいなくなったが、地元にとって特別な魚。やはりじんとくる」と言う。西湖など富士五湖に卵が送られたことは地元では知られており、協会は近く西湖を訪ねる計画だという。 秋田県教委文化財保護室は「本物が生きていたとすれば、非常に喜ばしい」と話す。 クニマスを研究してきた秋田県立大の杉山秀樹客員教授(60)は「発見はいいことだが、本来は田沢湖だけに生息していた魚が今はもうすめないということが重要」と指摘。「田沢湖のクニマスを絶滅させたのは人間。これを機に田沢湖の水質について考えなければならない」と強調している お手柄!さかなクン=クニマス「二度と滅ぼさないで」 2010年12月15日(水)13:03時事通信 クニマス「再発見」のきっかけをつくったのは東京海洋大客員准教授でもあるさかなクンの執念だった。 さかなクンは今年3月、京都大総合博物館の中坊徹次教授からクニマスの絵を描くよう頼まれた。しかし、標本では思うように描けず、全国各地の湖からクニマスによく似たヒメマスを取り寄せた。このうち、山梨県の西湖の魚について「体が黒っぽいな。もしかしたらクニマスじゃないか」。どうしても納得がいかず、中坊教授に尋ねた。同教授らのグループが調査したところ、クニマスだと判明した。 思いがけない「再発見」に、さかなクンは「クニマスを二度と滅ぼすことがないように、『自然』『生き物の尊さ』をしっかり考えていきたいです」とコメント。「これからも『ますます』よろしくお願い致します」とつづった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.12.20 04:43:21
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