藤井君、最高峰タイトル「竜王」防衛へ好発進!挑戦者・佐々木勇気八段とのシリーズ開幕戦に快勝
第37期竜王戦七番勝負第1局が10月5・6の両日、東京都渋谷区の「セルリアンタワー能楽堂」で行われ、藤井聡太竜王が挑戦者の佐々木勇気八段に117手で勝利。4連覇を目指す最高峰タイトル防衛戦で、好スタートを切った。注目の第2局は、10月19・20日に福井県あわら市の「あわら温泉 美松」で指される。 タイトル戦初登場となった佐々木八段を挑戦者に迎えた注目シリーズ。開幕戦は振り駒で藤井竜王の先手。得意の角換わりを志向。佐々木八段は序盤で藤井君の角換わりに対して用意した作戦を披露。中盤まで拮抗した展開。56手 △8六同飛まで佐々木君の消費時間は僅か18分。研究に研究を重ねたと想像。藤井君は「角換わりというより相掛かりのような展開になり、急所が掴みづらく非常に難解な一局だった。難しい将棋の中で一手一手考えることができ、充実感のある時間を過ごすことができた。第2局以降も面白い将棋が指せるように頑張っていきたい」とコメント。一方、敗れた佐々木君は「終始先手にうまく指されていて、見切られていた。一局に見えそうでじっくり考えてみると苦しい将棋だったと感じた。本局は悔いの残る手はそんなになかった。結果は仕方がないので、切り替えてやっていきたい」と次なる戦いへ視線を向けていた。調べてみると、佐々木君のチャンスは少なかった。そのチャンスは前半の藤井君が15分の少考で「じっと」6筋を支えた、57手 ▲6七歩打 の局面。1日目の昼食休憩の前の局面だ。初日の昼食明け、直ぐには指さず、なおも佐々木君は考え続けた。昼食明け1時間が経過して、午後2時半、佐々木君は2時間14分の大長考で3四に歩を打った。残念ながら58手 △3四歩打は良い手ではなく、代えて△8七角打と金の斜めに打つ、積極的な手が良かったようだ。△8七角打 以下の進行例は、▲7七銀 △8四飛 ▲6八金 △8八歩打 ▲8六歩打 △7五歩 ▲4五歩 △5五銀 ▲5六歩 △6四銀 ▲2二歩打 △同金 ▲9七桂 △7六歩 ▲8八銀 △8六飛 ▲6六角打 △3三歩打 ▲8七銀 △同龍などで本譜の進行よりは優った。