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しゅうれい47811's Shopping List
しゅうれいの日記 [全535件]
巨大クモを相手に一歩も引かない緑。しかし、俊足を生かした緑の攻撃もクモにはほとんど効いていない。時折ジャンプしては地面を揺るがし、地面をたたいては緑の足場を崩す。 「麗美。おれも緑の援護に回るぞ。嬢ちゃんを頼む」 聡はそう言うと腕輪を稼働させた。一瞬眩しい光を発し、姿が見えると舞踏着を着て双剣を携えた聡が現れた。 「こ、これは・・・。これなら行けそうな気がする。緑!今、助けるぞ!」 クモのジャンプ攻撃と直接攻撃の両方を受けて吹き飛ばされる緑を、聡は空中でキャッチした。 「あ、ありがと。もう・・・・大丈夫だから・・・・」 少し頬を染めながら、緑は傷ついた腕を押えてその場にしゃがみ込む。 「その傷、大丈夫なのか?すぐにこの場を離れた方が・・・・」 「危ない!!」 緑の声が聞こえる前に、聡は巨大クモの頭突きを受けて、激しく飛ばされてしまった。壁に打ち付けられ、頭から流血する聡。足元がクラクラしながらもクモと対峙する。 「やばいなぁ~。これじゃ、おれたち敗北じゃん」 「まだ、ですわ」 傷ついた二人の前に麗美があでやかな衣装でクモと対峙する。 「おい。それって舞台衣装か?」 「違いますわ。あなたたちと同じように腕輪のスイッチを押しただけです。まぁ~舞台衣装に似ているかもしれませんが・・・・細かいことは後ですわ。鳳凰の舞!!!!」 麗美はそう言うと、両手に持つ大きな桜扇を交互に振りながら巨大クモに攻撃を繰り出す。 巨大クモも攻撃を繰り出しているのだが、麗美は傷つきながらも怯むことなく攻撃を続ける。 「あと、もう少しですわ」 麗美がそう言った瞬間、クモの目が赤く光った。 「危ない!」 二人がそう思った瞬間、麗美は空中に弾き飛ばされた。巨大クモによって激しく打ちつけられた地面が地割れを起こして、岩石を周囲に弾き飛ばしたのだ。 聡は少女を間一髪守ったが、一撃でも喰らえば倒される状態。 緑も麗美も似たような様子だ。 「くそ・・・・これまでなのか?」 聡が少女を守るように抱きしめると、少女が何かを言った。 「ん?今なんと?」 「苦しい!!!!自分たちを信じよと言ったのじゃ!!勝つと決めてれば勝つのじゃ!!どけ!」 少女はそう言うと聡の腕から離れて、クモの前に立った。 「嬢ちゃん、危ない!こっちの戻ってこい」 「こんな、クモ。焼き払ってくれるわ!」 そう言うと、空中から赤い玉をはめ込んだ杖が少女の前に降り、杖を握ると巨大な炎をクモに発射した。 燃え盛るクモが壁が崩れるほどの悲鳴を上げて少女を攻撃する。 「お前なんかに負けるか!」 緑はそう言うと、少女からクモを引き離すように走りながらクモを連続で切りつける。 切りつけたところからも炎が弾け、クモは攻撃できずに燃えながら怯む。 「おれも続くぞ!」 聡も赤く光っている双剣をクモに向け、ありったけの力をぶつけた。 巨大クモはのけぞり、倒れる寸前まで追い詰めたが、あと一歩足りない。 クモの目があやしく赤く光る。 「く、やられる!」 聡と緑が目をつぶった瞬間、麗美の声が聞こえた。 「やらせませんわ!!」 麗美は、そう言うと真っ赤に燃える桜扇をくるくる回しながらクモに叩きつけた。 巨大クモは空中に弾かれて桜扇の回転に合わせて激しく燃え蒸発した。 しんと静まり返る聖廟に三人が息も絶え絶えに横たわる。 「こ、こんな化け物と戦うことになるなんて、聞いてないぞ。おれたちの仕事なのか?」 「知らないわよ。会長に聞いてよ」 緑が聡の言葉に返す。 「まっ、止めは私が刺したのですわよ。ふがいないあなた達に代わって。オホホホホ・・・・イタッ!」 「無理して笑うから、傷に響くんだ。少しはおとなしくしとけ」 聡が麗美に言う。 「お前たち、良い働きであった。感謝するぞ」 少女はそう言うと三人の手を一人ずつ握った。 「ところで、嬢ちゃんの名前は?」 聡が聞く。 「うむ。私の名は『火美』じゃ。そこに眠る母の娘じゃ」 指さす肖像画は人々を守り、その命を散らした愛という女性。 「え!先帝の娘・・・・どおりで封書が仰々しいはずだ・・・・」 聡の言葉に他の二人は返事する気力もない。 「良き働きであった。これからも頼むぞ」 火美の言葉に聡が起き上がって聞きなおす。 「え?これからも?」 「そうじゃ。私は飛び級してこの学校に来ることになったのじゃ。よろしくな」 火美の笑顔に、聡は手を火美に握られたまま、床に倒れた。 作者あとがき アップペースが落ちてるのは、体調不良による気力低下。 筆が進まないって、よく言ったものだよねぇ~ でも!少しずつでも書いていくのだ~w
「おい!緑!しっかりしろ!」 「もう、そんな娘おいて、さっさと済ませましょ」 赤い髪が聡の顔をなで、麗美は手紙を読んだ。 「う・・・・ん?あ、私・・・・」 「お、やっと気がついたな」 緑が起き上がると麗美は二人に手紙を突き付けた。 「なんです?これは?なんで今頃になって元皇族の手紙が来るの?しかも、皇女を探せって・・・・」 緑は突き出された手紙をまじまじと見た。 「ふむふむ、年は十歳。で、これが写真・・・・ってこれ!」 「ん?何々?」 聡が緑の声に驚いて手紙をよく見る。 「これは・・・・逃げてった娘だ。しかし・・・・この広い学園、どこを探したら・・・・」 聡と緑が黙り込んで考えていると麗美がスクッと立って言う。 「もう、元皇族の娘で行くところといえば、あそこしかありません」 「え?あそこって?」 聡が聞くと緑が呆れて答える。 「授業でもやったろ。皇族の最後」 「あ!あれか!ならあそこか!」 聡は二人の呆れ顔に頭を掻きながら恥ずかしそうにする。 「じゃぁ~行くところは決まったな」 聡の言葉に二人はうなずき、学園地下にある聖廟へ向かった。 エンジェル学園の地下に聖廟がある。もともと教会だったこの場所を、とある一件からエンジェル学園が設立され、その時の犠牲になった人たちが聖廟に祭られ眠っている。 最後の皇族とされている『愛』という女性は、エンジェルコードを持っていない人間でありながら、迫害され実験動物のように扱われた人たちを救い、匿った。 時の政府は、皇族をつぶす口実と位置付け、一斉に皇族を逮捕。最後の砦となった愛という女性は、聖廟が立つ門前で、エンジェルコードを持つ人達を庇いつつ、軍人たちの手によって射殺されたのだった。 時を同じくして、政府の手を逃れた一部の報道陣がこの現場を激写、全国報道。汚職と国家転覆を狙っていた政府の一連の人たちは、国家警察の手により逮捕され、後に裁きを受けた・・・・ 一輪の白い菊。小さな手から聖廟の門前に供える少女。膝をついて祈る姿に追いついた三人は神々しさのあまり、思わず見とれてしまう。 「何?ここに無駄に入ったのが悪かったのか?」 祈りをささげた少女は小生意気そうな眼を聡に向ける。 「へぇ?なんで俺?・・・・って、嬢ちゃん。みんな心配してるよ。早く帰った方が良いって」 聡がそう言い手を引こうとするとひらりとかわされる。 「ベェ~っだ!おじさんになんか捕まらないよ~」 少女はそう言うとスカートの尻を手で叩きながらアカンベーをした。 「なろ!俺はおじさんじゃない!待て!」 二人が追いかけっこをしている姿を見て麗美は腰に手を当てて、やれやれといった感じで見守った。 ふと見ると緑が拳をかたく握りしめて聖廟の前で立ち尽くしている。 「緑~。どうしたの?うんこしたいの?少し震えてるけど」 「するかー!!そんなので震えてるわけじゃない!」 「じゃ、何よ。ここは聖廟よ。拳を握って選手宣誓をする所じゃないわ」 緑は頬を赤くして聖廟を見据える。 「ここには私の母ちゃんも眠ってるんだ。もうちょっと早く、これを父ちゃんが作ってたら・・・・」 緑が握る腕輪。光が別れ間際にくれた道具だ。 「これって、私達の持つエンジェルコードを覚醒させる働きがあるんでしょ?」 「そう、これさえあれば、ここでみんな撃ち殺されることなかったんだ・・・・」 緑が消え入りそうな声で言う。遠くでは少女と聡の笑い声が聞こえる。 「ねぇ。悲しい事件だったけど、でも、無駄じゃないよ。あの少女が笑う顔が見れるんだもの」 麗美の言葉に緑は握った拳を麗美の前に出した。 「あなたには・・・・分からないのよ。家族を殺された気持ちが!」 緑の怒りに触れたのか大気が揺れる。しかし、それはすぐに緑ではなく別のものからだと二人が気づく。 「わぁー!!なんだ、あれ!?」 聡が少女を抱え上げて一目散に逃げてくる後に、巨大なクモが追ってきた。 「な、なんて大きさなの。空間が全部クモに見えるほど大きいわ」 麗美がびっくりしていると、緑が叫ぶ。 「あんたたちは下がってなさい!こんなの、私一人でやっつけるんだから!」 そう言うと腕輪を装着してスイッチを押した。まぶしい光が腕輪から発せられ、光が消えると南国の露出度の高い舞踏着を身にまとい、なたのような大きな甲刀と呼ばれる剣を携えた緑が現れた。 「ちょ、あんた一体?」 「説明は後、いっくよー!!」 緑はそう言って体制を低く構えると、残像が残るぐらいのスピードで巨大クモに 向かっていった。 作者あとがき 2週間ぶりの、いや、3週間ぶりのアップかな^^;; 体調不良だとろくなものが書けません><;; とくに、消化器系の不良は・・・・ね^^; あと~作中に出てくる武器や防具などの衣装は「真・三国無双オンライン」を参考にしてます。っていうか、そのまま出しています(笑) これ書き終わったら、真剣に無双系の話書こうっかな?w あ、当分先です・・・・はい
ミッション 2 ~皇女を探せ~ 夕日が生徒会室で外を見る光の顔を金色に染め上げている。 深いため息。ただの御用聞きが妖怪退治に。そして一年の舞の負傷。 「何が起ころうとしているのかしら・・・・・・」 振り返ると黒羽扇を持ったくるみが真っ白な封書を持って立っていた。 「政府から・・」 「ん?なんで、私達宛てに政府から来るのよ。職員に行くもんでしょ」 くるみから封書を受取り宛名を確認する。 「えー!!なにこれ!本当に私達宛てだわ・・・・・・でも、変ね~」 頭を傾げながらも、光は封書の封を切った。 「おい!いるか?」 ノックもせずにガラっと入ってきたのは、二年生の青井聡。同じく二年の赤井麗美と同じクラスで演劇部だ。 「ん?何、固まってるんだ?お~い」 聡が光とくるみに触れようとすると、光が聡の耳元で大きな声を出した。 「突然入ってくるんじゃないわよ!!!」 「わぁ!!!」 聡がびっくりして尻もちをつきそうになる。 「もう!ホント、あんたっていっつも唐突よね。その振る舞いは舞台だけじゃないの?これじゃ、相方の麗美も大変よね」 「おいおい、演劇部の二枚目にそれはないだろ?」 「二枚目~?三枚目の間違いじゃないの?ウフフフフフ」 「そうだ、お前は三枚目だ!」 息を切らせながら緑色の髪が印象的な少女が生徒会室に入ってきた。 「あら・・・・えっと・・・・あなたは、二年の緑さんだったっけ?」 少女はズカズカ歩み寄り、光の顔に息がかかるぐらい接近して言う。 「私の髪の色見て言ったでしょ?これは別に染めてるわけじゃないからね!これは親父の・・・・」 「分かってるわよ。草薙緑さん。あなたのお父様にはこの学園、いやこの国そのものが世話になっているのだから、悪くは言いませんわ。私達がここに存在できるのも、あなたのお父様あってですものね」 光の言葉に周りの意気が落ち込む。光たちが生まれる以前に起こったエンジェル狩り。それは凄惨を極め、魔女狩りの再来とまで呼ばれたほどだった。名目は異端者を狩れだったが、国々の上層部はその力を軍事利用するために日々研究実験を行っていたのだ。 その行為に終止符を打ったのが草薙博士、緑の父親だ。 「あ、あらごめんなさい。変なこと言っちゃって・・・・」 「あ~、良いんだ。別に気にしてないから・・・・」 光はふと思い返して聡の方を見た。 「あなたは何か用があって来たんじゃないの?要件は何?」 思い出したように聡が言う。 「そうそう、学園内に見たことない少女が迷い込んでいたんだ」 緑がさらに続ける。 「私も陸上部の部活の間に見かけて、追っかけたんだけど・・・・こんなの落として逃げちゃって・・・・探してるんだよ。これ返そうと思ってさ」 広げたハンカチの中央には金色の菊の紋章。 光とくるみはさっきまで読んでいた封書の中身を広げて二人に見せた。 びっしりと書かれた文字の背景に薄く金色の大きな菊の紋章。 「えーーーーー!!!!」 四人の驚きが生徒会室を抜けて、学校中に響き渡る。 「ちょっと!何騒いでるのよ!おちおち台本も読めないじゃない!って、聡!何こんなところで油売ってるのよ!今度やる劇のセリフ全部覚えたの?ん?緑さんね?あなたまた、うちの聡に手を出して!」 真っ赤なサラサラの髪を腰までおろした少女が、台本片手に生徒会室の開けっ放しになっているドアの前に立つ。 「何よ!別に聡はあんたのものじゃないでしょ!」 「いいえ、彼は演劇部にはなくてはならない唯一の男優なの。彼がいなければ私は輝けないわ。お客さんもげんなりよ」 「聡は物じゃないのよ。好きにさせたって良いじゃない」 緑が聡の腕をつかむと負けじと反対側の腕を麗美がつかむ。 「ちょ、ちょっと。痛いって」 聡が困っているのを光が手紙をヒラヒラさせながら見守る。 「光・・・・これどうする?」 くるみがもう一通の手紙を光に見せる。 「そうねぇ・・・・そうだ。これ、あなたたちに任せるわ。万が一だけど・・もし不測の事態があったらこれを装着して。使い方は緑さんに聞いてね」 そう言うと光は手紙を聡に渡し、くるみを連れ生徒会室を出て行った。 「え?ちょ、ちょっと!これは?」 聡が手紙を掲げて聞くと遠くなっていく声で言う。 「中身は読んで~。三人で対処してね~生徒会長命令だからねぇ~違反したら・・・・」 「違反したら・・・・なんなんだろ?」 緑が言うと、すぐ傍のパイプ管から光の声が大音響で放出された。 「停学だから!!!!」 あまりの大音量に緑は廊下の壁まで弾けるように飛び、気絶してしまった。 作者あとがき 聡君、きみは誰が好きなんだい?な~んて、聞いてみたいけど、私が作者だからすでにレールは出来てるような、出来てないような^^; 元気いっぱいの緑ちゃんに、妖艶な麗美さん。マクロスFに出てくるランカとシェリルみたいなもんかなぁ~。じゃぁ~聡はアルト? てか、女形じゃないし(笑) き~み~は誰とキスをす~る~♪・・・・誰ともしないよ~♪なんてね^^ノ 次回作も見に来てね^^v
日がすっかり暮れ、校舎が暗闇に包まれる。 三人は用具室のすぐそばにいた。 「ね、ねぇ~。もう、今日は帰ろうよ。暗いし、何かあったら大変だよ」 美咲が心細そうな声を出す。 「こんな面倒くさい物は、さっさと適当な証拠を突きつけて片付けるのが良いんだよ。会長だって、それほど重要視してないけど、何人かが通報したから仕方なく取り上げたんだろ?適当な結果が欲しいだけさ」 美咲が舞をじっと見る。 「ん?どうした?俺の言葉遣いが変か?やっぱり・・・・女の子の言葉にしたほうが良いか?」 美咲は首を横に振る。 「なんか・・・・大人見たい。なって言うか・・・・その、三十過ぎたバリバリの父ちゃんみたい」 美咲の言葉に二人がギクッとする。 「いや、それは・・なんて言うか・・・・」 シドロモドロしながら舞が困っていると、しぐれが機転を利かせて舞のおでこを指で軽く弾く。 「いてっ!何するんだよ」 「親父って言われてるんだよ。おぬし・・クックックック」 「え?そうなの?」 「いや、そう言うわけじゃないですよ~。しぐれさん、それは言いすぎです。ちょっと老けてるかなって」 美咲は思わず口をふさぐ。 「な・・なんだって!俺が年寄りだって?!」 舞の素っ頓狂な声を上げると用具室から物音がした。 三人は物音に気がつき、建物の陰に身をひそめる。 「やっぱり何かいそうじゃの。どうする?」 「俺が先頭でしぐれと一緒に行く。美咲ちゃんはここに残って、俺たちに何かあったら宿直呼んで」 「え~!私一人ここは嫌だよ」 「いや、三人一緒に行って、もし何かあったら・・・・危ない!!」 舞は美咲の後ろに迫る影を発見して、美咲の手を引き、しぐれに渡すと白羽扇で魔法陣を描き、影の方向に突き出した。 青白く光る魔法陣は空中をゆっくりと進み、何かを弾き飛ばすと霧のように消えた。 「誰だ!」 舞が大声で叫ぶ。 建物の陰から二階に届きそうなほどの人型の影がゆっくりと三人に向ってくる。 「物の怪の類か。なら、わらわの仕事じゃの。舞、あれを頼む」 「分かった」 しぐれが片手で印を結び、もう片方の手で舞の手をつかんだ。瞬間、しぐれの学生服が霧のように溶けて赤と白の巫女服に早変わりする。 「すごいすごい!舞ちゃんってマジシャンみたい!私も私も!」 「ちょ、そんないっぺんに二人なんて」 美咲がしぐれと舞の手と重なると、美咲の服が中国風舞姫の姿に変わると同時に舞の姿も同じような服に変わった。 「げ、これは、俺のお気に入り・・しかも・・・・なんか、力がみなぎってる!」 美咲は突然の服の変化にびっくりしながらもはしゃいでいる。 「すごいよ!これってすごい!」 「くるぞ!」 舞が影の方向を指さした。大きな腕の影が三人に振りかかるが間一髪、避ける。 地面が大きくへこみ、影はなおも三人に対峙する。 「会長の奴!こんな危険なもの俺たちに任せやがって!あとで文句言ってやる!」 舞がひどく怒ってるのをよそに、しぐれは何やら呪文を唱え始めていた。そして、その後方では美咲が変化した服をいじり、はしゃいでいる。 こんなでかい奴、俺一人で大丈夫なのか?しぐれの破魔の呪文はしばらくかかるだろうし・・・・ 舞がそう思いながら影と戦っていると、横から大きな足の影が出てきて体勢を崩された。 すぐさま舞の頭上に大きな腕の影が降ってくる。 「やられる!!」 白羽扇を頭を守るように上にして目を閉じた。 「大丈夫?」 目を開けると美咲が舞の前で影の攻撃を防御していた。 「美咲・・ちゃん?それ・・?」 舞は美咲の持つ武器を見て驚いた。 「あ、このステッキみたいなやつ?なんだろうね?この服かわいいから踊ったら勝手に出てきたよ」 「出てきたって。それは双錘ってやつなんだけど・・・・」 「なんか、体操に出てくる棒みたいだよね。これ」 影からの攻撃がさらに激しくなる。 「なんか、分からないけど適当にやってみるね。何か出来そうな気がする!」 「ちょ、危ないって!」 美咲の体に手をかけようとするが舞の手は美咲の体をすり抜けた。 「へっ?」 舞は美咲の姿にさらに驚く。最初はただぼやけていたのが、何人にも分身し、踊りながら影を取り巻いているのだ。 「さぁ~あなたは手も足も出ないわよ。観念しなさい!」 美咲はそう言うと全ての分身した双錘の全てを影にぶつけた。影が霧状になって霧散する。 「ふぅ~一件落着とっ」 「危ない!」 舞が気を抜いた美咲の体を引っ張り、伏せた。 大きな影の足が舞と美咲の体すれすれを通り過ぎる。 「な、なんでよ?私倒したのに!」 「影だから、いくらでも増殖するんだよ。勝ったと思って気を抜いちゃだめだぞ」 ニコッと笑う舞の頭から一筋の赤い筋が垂れた。 「ちょ、ちょっと、舞ちゃん頭から血が!」 「あぁ~ちょっとぶつかっちゃったからなぁ~」 そう言うと舞は美咲の膝の上に顔をうずめ、気を失った。 「ちょ、ちょっと!どうしよう?しぐれさ~ん!!」 美咲の叫びに、しぐれが全身からわき上がる紫色のオーラを纏い、美咲と影の物の怪の間に入った。 「二人とも良く頑張ったの。これで終わりじゃ!」 しぐれは全身に纏う紫色のオーラを魔法陣にして影を包んだ。逃げようとする影と言う影を吸い込み、魔法陣は渦となって空間に消える。辺りは静寂に包まれた。 「終わった~」 しぐれが力尽きて座り込むと同時に三人の姿が元に戻り、出てきた武器も霧となって消える。 「あ、しぐれさん!舞さんが!」 「こやつは、いつもこうなんじゃ。自分の身を呈して人をかばうの。わらわは、何度こ奴に助けられたことか・・わらわはしばらく立てん。すまんが、舞をこちらに。美咲殿は宿直に連絡してくだされ」 「わ、わかった」 美咲は舞を静かにしぐれに託すと、校舎内に駆けて行った。 「ほんと、おぬしは・・いつもいつも・・無理ばっかりしおって」 しぐれが舞の頭を身体で包むと、一筋の涙が頬を伝い舞の頬に落ちた。 作者あとがき ただの御用聞きが、妖怪退治へ。ディフェンスが舞でオフェンスが美咲。とどめはしぐれ。三人揃ってやっと倒したわけだけど、大事なのは団結力なのかな~。手をつなぐことにより、その人の持っているエンジェルコードを覚醒。もし現実にあったら、あなたはどうします? 次回もミッションです~^^ノ
ミッション 1 ~影を追え~ 入学から二カ月。やっと学園生活にも慣れた頃、美咲としぐれ、舞は生徒会室に呼ばれた。 「良く来たわね。一年生!あなた達にミッションよ!」 机をバンと叩いて、元気良く光が三人に言う。 「な、なんだよ。俺達、役員でもないのに、何がミッションだ。これから三人とも部活なんだから、勘弁してくれよ」 舞が二人を連れて帰ろうとすると、くるみが黒羽扇でドアへの道を遮る。 「な!?これって・・先輩も・・?!」 「舞さん。あなただけが異空間から武器を出せると思ったら、大間違いよ。きっかけがあれば、誰でも出せるようになるの」 光が金髪の長い髪をかきあげ、胸を張って言う。 「私たちは・・あんなの無いんですけど・・」 美咲が申し訳なさそうに言うと、くるみが美咲としぐれの肩を軽く叩く。 「・・・・大丈夫・・問題ない・・・・」 「まぁ~今のところ、一年生で自分の能力を少しでも引き出せるのは、あなた達ぐらいしかいないみたいだから、お願いするのよ」 「能力があるとかないとか、もしかして物凄く危険なんじゃないの?学生に危険行為させて良いのかよ」 舞が唇を尖らせて文句をつける。 「あなた・・なかなか良いわね。気に入ったわ。このチームのリーダはあなたとします」 「はい?ってあの?聞いてます?危険行為させて・・・・」 舞の言葉にかぶせるように光は説明する。 「まぁ~いろいろ、言いたいことはあるだろうけど、ちょっとした調査なのよ。近頃、この学園内で不審な影が出るって。んで、変質者ならそのまま通報してくれれば良いし、お化けとかそんな感じの類なら、あなた達にどうにかしてもらおうと思って」 「って、変質者発見も十分危険だし、お化けってなんだよ。そんな、除霊まがいみたいな事出来るかって!」 「大丈夫よ、舞さん。あなたのその武器なら出来るわ。くるみと似たような武器だもの。それに・・ね」 光はしぐれにウインクする。 「な、何言ってんだよ?へっ?先輩も除霊出来るの?」 「・・・・出来ない・・・・」 「もう。出来る出来ないじゃないの。やって。良い?きちんとした結果を持ってくるのよ。じゃないと、停学にするからね」 「光・・・・強権発動・・・・」 「くるみは黙って。さぁつべこべ言わずに行ってくるのよ」 三人は半ば強引にミッションを言い渡され、生徒会室を追い出された。 三人は校舎探索を続けたが特に何も情報を得ることが出来ず、校舎をつなぐ渡り廊下で輪になって座っていた。 「で、なんで俺たちなんだ?って、お前ら猫かまってないで聞けよ!」 舞がいらいらしながら二人にあたる。 「なんじゃ?あの日か?」 「ち、違う!もう終わったよ!」 「もう~舞ちゃん、プリプリしてる~。ほれ、猫でも触って和みなさい」 美咲に猫を渡されると、あったかさと柔らかさで思わず顔がほころんだ。 「そうそう、そういう顔するの。でも、ホントどうしよっか?」 「うむ。お化けの類なら、わらわがお祓いして終わるのじゃが、不審者は怖いのぉ」 「しぐれさん、お祓いできるんだ!」 「もちろんじゃ、巫女の力は伊達じゃないぞ。それに、会長殿はその辺のことも知っておったみたいじゃし」 「神社は燃えちまったけどな」 舞が猫と戯れながら言う。 「う、うるさい。あれは不慮の事故じゃ・・・・って言うか・・・・もう、それは良いのじゃ。ともかく任務をどうするかじゃ」 「まっ、俺達三人でウロウロ歩き回ったって、しょうがないよ。モニター室に行こっ」 「行ってどうするのじゃ?」 「まぁ~行けば分かるよ。ってか、今閃いたんだけどね」 舞の言葉で、三人はモニター室へ向かった。 「すみませーん」 「失礼しまーす」 人気のないモニター室には学園内を隅々まで監視できるモニターが幾つも置かれていた。 「人、居ないの?」 美咲がモニターを漠然と見ながら言う。 「まっ、ここのシステムは全自動だからね。ちょっと待ってて・・・・過去のビデオをサーチするから・・・・」 舞がコントロールボードに座り込むとピアノでも弾くように華麗にキーボードを叩く。 「あやつは、昔っからあの手の機械は得意なんじゃ」 「へぇ~女の子でコンピューターとか機械に強いって、あんまり聞かないよねぇ」 「う~ん。会長さんが言ってたのは、きっとこれだな」 「どれどれ?」 「お?もう見つけたのか?」 中央に映し出されたモニターには、体育館裏にある用具室が映し出された。ドア付近に黒い影が左右に揺れながらゆっくり動き、画面が途切れてしばらくすると用具室が映し出された。 「ど、どう思う?」 舞の言葉にしぐれが考え込む。 「う~ん。お化けなのか、人なのか、このモニターだけじゃなんとも・・・・お化けなら、マイナスオーラっぽい感じが出るんじゃが、それがどうにも足らんくてのぉ。機械のせいかのぉ」 「画像が途切れるときにノイズが結構入ったから、もしかしたらジャミングがかかったのかもしれないなぁ」 「美咲、分かんないよ。私に分かるように言ってよ」 しぐれが渋い顔をして言う。 「つまりじゃな・・・・分からんということだ」 「え~!あんな難しい話して分からないの?」 舞が空間から白羽扇を取り出した。 「まっ、そう言うことだから用具室に行こっ」 三人はモニター室を出て用具室へ向かった。 作者あとがき お化けが怖いのか、生身の人間が怖いのか、はたまた人間のようなお化けのようなよく分からない生物が怖いのか? 猫を抱くとホワ~ンとするのは何故なんだろう~(謎)
数日後の登校時。しぐれは舞の悲鳴で目覚めた。 「なんじゃ、なんじゃ?こんな朝っぱらから・・・・・・」 階段を寝ぼけ眼で降りたしぐれは、血の惨状を見た。 仁王立ちで立ち尽くす麗美。トイレに座り、うなだれる舞。 「ったく。朝から何かと思えば、あの日か。まったくうるさいやつじゃ」 「って、しぐれは知ってたの?舞ちゃん、初めてだったらしくて泣いてたんだよ!」 しぐれは、その言葉で完全に目覚めた。そうじゃった、あいつ女になったばっかりで、何も知らんかった。これは済まないことを・・・・・・。 そう思い、トイレで固まっている舞を見て噴き出しそうになった。 「な、なんだよ!悪いかよ!知らなかったんだ。こんなになるなんて・・・・・・」 顔を真っ赤にしてプイっと横を向く舞の横顔が妙に子供っぽくてかわいい。 「わかった。わかった。そうすねるでない。麗美、悪かったな。わしが教育しとくから」 「もう~こっちは部活のほうで寝不足なんだから朝ぐらい気持ちよく寝させてよ・・・・・・って、もうこんな時間!あと頼んだよ!」 「は~い」 しぐれは慌ただしく出ていく麗美を見送った。 「おはようございます。しぐれさん、舞ちゃん」 登校途中で美咲とアドルに会った。 「あ、おはよー・・・・・・」 「おはよー」 「どうしたの?舞さん?元気ないよ?」 「なに?お前、元気ないのか?腹減ってるのか?これ食べろ」 舞の目の前にバナナを差し出すアドルに、しぐれが呆れ顔で言う。 「ゴリラじゃあるまいし、差し出されて食べるか!まして、朝ごはん食べたあとなのに・・って食べるんかい!」 舞がヒョイッと取って皮を瞬時に向いて頬張る。 「だって~腹が減ったんだもん。朝からあれだし、なんか、歩きづらいし・・・・」 「しかたなかろう。学校帰りに自分に合うやつ買ってきたら良いじゃろ?」 「付き合ってくれるか?」 「あ~ごめん。ちょっと、部活の事でいろいろとあってな。一人で行けるじゃろ?」 「えぇ~?!無理無理!絶対無理!恥ずかしいよ~」 「俺がついて行こうか?」 アドルが身を乗り出して言う。 「駄目。絶対駄目」 三人の声が揃う。 「な、なんでだよ。薬か何か買うんだろ?バイトのついでに送ってってやるよ」 「もう!兄さんはそこまでしなくて良いの。ほんと、分からないんだから・・・・・・しょうがないなぁ。私が付き合ってあげよっか?」 美咲が舞に言う。 「良いの?ありがと!助かるよ」 「入部手続きしてからだから、ちょっと時間かかるけど、良いよね?」 「うん。あ、俺も・・・・じゃなくて、私も手続き済ませなきゃ」 「二人はどこに入るか決まったの?」 「私は保育部」 しぐれがすぐに答える。 「んと~俺・・じゃなくて私は工作部かな?」 舞がそう答えると美咲は意外そうな顔をする。 「えぇ?あそこの部って男ばっかりだよ?女子いなかったと思うけど・・・・良いの?他に入りたいところとか」 「いや、なんか、前やってたところだから入りやすいかなって思って」 美咲の頭に大きなクエッションが浮かぶ。 「これ、舞。そんな話したらわらわ達のややこしい話がもっとややこしくなるじゃろうが」 「あ、そっか・・いや、大丈夫だよ。趣味の範疇で答えれば良いんだろ」 「まぁ、そうじゃが・・・・」 「ねえねえ、二人でこそこそ話?何?」 ドキッとした二人はシドロモドロになる。 「な~んか、隠し事してる~。せっかく親友になれると思ったのになぁ~」 美咲がため息をつくと舞が美咲の手を取って笑う。 「いきなり、オープンじゃ面白くないだろ?少しずつ出していくから味があるんだよ」 「そんなもん?」 「そ、そうじゃな・・あ、アハハハハ」 しぐれがぎこちない笑いをする。 「まっ、そう言うことにしておくか~」 「で、美咲はどこに入るの?」 「もちろん、麗美先輩のいる演劇部よ」 「へぇ~演劇部か~」 「なんか、あの舞を見ていたら私もやりたくなっちゃって」 四人で雑談をしながらのんびり歩いていると校門にたどり着いた。 「ちょっと!待ちなさーい!私のパン返せー」 猛スピードの自転車がパンを咥えて学園内へ入って行った。 すぐそのあとを、自転車と同じスピードで追いかける少女が土煙を上げて校内へ入っていく。 「自転車がパンくわえて女の子に追われてたねぇ」 「いや、舞。あれは男の子がパンをくわえていたはずじゃぞ」 「ってか、自転車について来る女って・・・・」 三人の言葉にアドルが平然と言う。 「あぁ、あいつらか。自転車に乗ってた男が二年の青井聡で追っかけてた女がやっぱり二年の草薙緑だな」 「緑って子、絶対、陸上部だよね」 美咲の言葉にアドルがうなずく。 「で、男のほうが演劇部だったかな?」 「えぇ!しまった。顔見とけばよかった!カッコ良かったらどうしよう~」 「告白すれば?」 舞の言葉に美咲が両手で身体を押す。 「え?ちょ、校門にめり込むって!」 「だって~いきなり告白なんて~」 「いや、だから、付き合ってくださいって」 「アホか。ホントにお前はアホじゃの~。初対面で突然、付き合ってくださいはないじゃろ」 「そうなのか?」 「当り前じゃ」 「そうかなぁ~」 しぐれはアドルの手と舞の手を持ってくっつけた。 「ほれ、どうじゃ?付き合ってくださいって、言えるか?」 二人の顔が見る見るうちに紅潮していく。 「面白い奴らじゃの~」 「えぇ~兄さん、舞さんのこと好きなの?」 「いや、その、これは」 アドルがシドロモドロになりながらもつないだ手を放そうとしない。舞は思考が停止し、固まったまま気絶してしまった。 「あちゃ!こんなところで気絶するバカがいるか。まったく・・・・ほれ、アドルとやら舞を持って校内に入るのじゃ」 アドルが舞を抱きあげて校内に入ると警笛が鳴った。 「・・・・校則違反・・・・捕まえる」 風紀委員長のくるみが、他の委員に黒羽扇で指示を出す。 「ちょ、ちょっと。俺は悪くないって。これは深い事情が!」 アドルはそう言いながら、風紀委員に追われて舞を抱きあげたまま校内へ入って行った。 「なんか、面白いところじゃの」 「うるさいだけです。全く、兄さんったら。私、恥ずかしいよ」 二人は始業の鐘の鳴る学園へ駆けて行った。 作者あとがき 三国志が大好きで、そのつながりで三国無双をやってる私はどうしてもお気に入り武器とか出しちゃう^^ まぁ~嫌いな武器は無いのかもしれませんけどね~ ちなみに羽扇は諸葛亮孔明さんの武器。 黒羽扇は燕扇とも呼ばれ司馬い仲達の武器だったかな~ 桜扇は小喬の武器だったかな~ さて、大方の登場人物が出揃いました。 次回はミッションモード発動! 学園内外で起こる問題に生徒会長の光の指示で登場人物たちが、ミッションクリアーに動き出す!
真っ暗な講堂。大勢の人たちがいるのに物音さえ立たない静まり返った空気。 舞台にスポットライトがあたり、二人は思わず息をのんだ。 十二単を着た女性が、桜の模様をあしらった大きな扇と舞い踊る姿を隠す。 「麗美じゃ・・・・・」 しぐれは感心したように腕を組みながら観賞する。 「どうじゃ?あやつが演劇部の・・・・・・美咲殿?」 美咲は両手を組んで麗美の踊りに瞳を潤ませながら見つめている。 演舞を交えた演劇が終了すると大歓声が巻き起こり、講堂の明かりがついた。 通路にペタッと座り込んでしまった美咲は、舞台から楽屋へ下がる麗美の姿を目で追う。 「お~い。美咲殿?大丈夫か?」 「あ、その、あの・・・・・・ごめんなさい!なんか、痺れちゃって・・」 「何が痺れたのじゃ?もしかして麗美の演技に心奪われたか?」 「はい!って、しぐれさん麗美さんと知り合いなんですか?」 「そうじゃのぉ~。話せば長くなるんじゃが~、簡単にいえば居候じゃ!」 「居候はあなた達でしょ!」 学生服に着替えた麗美が二人のもとに歩いてきた。 「アハハハ、そうじゃの。私と舞が世話になってる麗美殿じゃ」 「そうだぞ。こいつの家燃えちゃって、私の家に下宿させてんの」 「ちょっと待って!なんで俺をあそこに置き去りにする!」 舞が息を切らせながら走りこんできた。 「いや~良い雰囲気だと思ってな」 「俺は・・・・・・いや、私は・・・・・・えっと・・・・・・男には・・・・」 声がだんだん小さくなっていく舞に、しぐれはニヤッと笑い意地悪く舞の横腹を肘で押す。 「な、何すんだよ!」 「おぬし・・・・恋をしたろ?うん?」 表情が一気に紅潮して、何かを口にしようとするが思うように声にならない。 「舞さんって純情なんですね」 美咲がニコッと笑って言うと、しぐれと麗美が声を揃えて言う。 「いや、そうじゃないと思うぞ」 「へっ、違うんですか?」 「や、やめろ!!」 舞が間に入って両手を広げる。 「ふむ。まさに乙女って感じで良いぞ。主もなかなか板についてるではないか」 「うん。そうだな。これで一人でトイレに行けるようになったら一人前だな」 しぐれと麗美の言葉に、舞は激しく動揺し、首を左右に振る。 「そ、そんなんじゃない・・・・ぞ。そんなんじゃーーー!」 舞のあわってっプリに、美咲がキョトンとして見ていると腕章をつけた小柄の三年生が入ってきた。 「あなたが・・・・・・黒波舞?ちょっと・・・・・・来てもらえるか?・・・・・・」 「げっ、風紀委員の夜天くるみ」 麗美の声にくるみが表情を変えずに顔だけ近づいてきた。 「何か用か?」 「いや・・・・なんでも」 「そうか・・・・私の用は、こいつだ・・・・もらって行くぞ」 「私、何かしたのかな~?」 舞が半泣き状態で引きずられるように連れて行かれるのを三人は手を合わせながら見送った。 「光。連れてきた」 生徒会室に連れてこられた舞は、ロープでグルグル巻きにされた上に、猛獣危険とか餌を与えるなとか紙を張られて座り込んでいるアドルが見えた。 「なんで、俺がこんな目に・・・・・・」 「当り前ですわ。公衆の面前で、あんな破廉恥な!」 胸に白の両翼をあしらったバッチが見える。 「せ・・生徒会長さん?」 舞が恐る恐る聞く。 「そうよ。このバッチの文字が見えないの?私は白央光。あなたは一年の黒波舞さんね」 圧倒的な堂々っぷりに舞は、足がすくんだ。 「光。・・・・・・怯えてる」 「あ、ごめんなさいねぇ~怖かったのねぇ~」 光はそう言うと舞をギュッと抱きしめた。桃の匂いが舞の鼻をくすぐる。 「お前が無駄に威嚇するから怯えてるんだろ!良いからこのロープを解けよ」 「何を言ってるの?あなた、新入生に対して無理やり抱きしめていたそうじゃない!なんて、卑劣なの?」 「だか~ら、それは・・・・・・」 アドルは舞の顔見ると、その場面を思い出し、顔を赤らめる。 「あ、あの・・・・それ、違うんです」 舞は両手を組んで光に言う。 「あの時、その・・・・後ろから野球ボールが飛んできて・・・・アドルさんが、助けてくれたんです」 シーンと静まり返る生徒会室。 「ふん。言ったろ。俺は無実だ。じゃぁ~帰るぞ」 アドルはそう言うと、気合でロープを弾き飛ばした。 「ちょ、ちょっと!学校の備品を壊さないでしょ!」 「ふん。その備品で無実の人を捕まえた、お前らが悪い。正義は勝つんだ。アハハハハ。じゃあな!」 そう言うとアドルは舞に向けてウインクすると部屋を出て行った。 「まったく。何なの?あの馬鹿力は。もう!」 「あの・・・・私はもう・・・・」 「あぁ~あなたね、紛らわしい行動とらないで頂戴。おかげで恥かいちゃったわ。帰っていいわよ」 「あ、はい。し、失礼しました~」 舞は光の言葉に弾かれるように部屋を出て行った。 作者あとがき いやはや、今週はいろいろあって、筆が進まない進まない^^;; 舞って大変だよなぁ~。ず~っと男のように生活していたのが、突然、女に戻っちゃったんだもんなぁ~。まぁ~考えるだけで、いろいろと大変そうだ><;; てな感じで、まったりと書いていきます。また来週以降アップしまーす^^ノ |一覧| |
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