テーマ:本のある暮らし(3187)
カテゴリ:読書日記
いまさらですが、ナルニア国ものがたりを再読しています。
図書館に行くと一作目「ライオンと魔女」がなかったので、「魔術師のおい」から借りました。シリーズ順じゃなくて、ナルニア国の時間軸に合わせて読んでいってみようと思ったのです。 ナルニア国ものがたり、「箱」だけ持っていました。 中学生のとき、毎日のように図書室に入り浸る数人が、図書室新入庫の本の整理を手伝っていました。私もそのうちのひとりで、土曜日の午後の長い時間を本を触って過ごしたことが何度かあります。まだ、週休二日ではなかったころ。 お手伝いの特典は、誰より先に新入荷した、めぼしい本を借りられること。一度の貸し出しで一冊しか借りられなかったのだけど、図書室整理を手伝った土曜日だけは、日曜日に読む分として3冊、借りて帰ってもいいことになっていました。 ナルニア国ものがたりが、入荷したのは私が中2のときだったと思います。全7冊をセット購入していたので、「美装ケース」入りでした。美装ケースって言っても薄いぺこぺこの紙の箱。「魔術師とおい」の表紙の絵が、ふたの部分にカラーで印刷されていました。 「先生。この箱、捨てるんなら、ちょうだい。」 「おお、持って帰れ。」 足元の黒いビニール袋には梱包材やはがれたガムテープ、シールの台紙に混じって、容赦なく裂かれた新刊の帯やチラシや箱入り本のケースが放りこまれていました。ついでにひょいとのぞきこみ、「はてしない物語」の箱も拾って帰りました。(この箱については、また別のものがたり。) 中学入学を機にもらった私の部屋の私の本棚には、私の買った本だけが入っていました。13歳の本棚にはまだまだ隙間がありました。一番下の棚にすっぽりナルニアの箱は入りました。 晩御飯に呼びにきた母親が、目立つ黄色い箱を見てびっくりしてたっけ。どうやって買ったの?って。お年玉でないと買えないような値段だったから。箱だけだよ、もらってきた。説明すると(理解できない)って顔をしてため息をついていました。 さて、その箱はもうありません。ほんとに薄いぺらぺらの箱だったので、小物入れにもならなかったし、本棚のスペースが足りなくなったこともあり、いつの日にかに廃棄しました。空いた棚にはいま、「カ行」の作家名の文庫本がぎっしり入っています。 家からナルニアに行けるとしたら、あの本棚の向こうに扉があるはずです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[読書日記] カテゴリの最新記事
|
|