カテゴリ:文学
小林一三『曽根崎艶話』(展望社 2016) 小林一三(1873~1957)は明治・大正・昭和と生きた大実業家ですが、また茶の湯を好んで、すぐれた近代数寄者の一人に数えられています。数寄者としては「逸翁」という号をもって呼びたいですね。 山梨県に生まれた一三は、慶応義塾を卒業したあと三井銀行に職を得ました。その後、箕面有馬電気鉄道を興し、これを阪急電鉄へと大きく成長させました。宝塚少女歌劇団の発案者、阪急百貨店の創業者としてもよく知られていますね。 戦前、商工大臣をつとめた一三は、戦後、戦災復興総裁に任命され、我が国の高度経済成長のいしずえを築いた政治家でもありました。 表千家の生形朝生庵に茶の湯を学んだ一三は、大阪池田市に自宅・雅俗山荘を営むとともに、みずから開設した池田文庫に古彩庵を併せ設けて、生涯茶の湯に深い愛情を注ぎ続けたのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.08.07 15:41:47
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