テーマ:京生菓子(15)
カテゴリ:おたべやす 京都 和菓子編
水映え ういろう餅
やや緑がかった透きとおったようなういろう餅に水紋と桜色のぼかし。 清流にうつる桜の花影の風情を表す。 中は白てぼ餡。 同じ水を主題にしている鶴屋吉信の「みやまがくれ」と比較してみるのも面白い。 様式化した水紋にぼかしの「水映え」。 一方、様式化しているとはいえ抽象度がひくい「みやまがくれ」の水流と桜の花と花びら。 素材の違い、また素材のやわらかさなどの違いによっても、それぞれに違った面白みが演出される。 より涼しげな「水映え」。 この清らかな流れに桜の花影は、今頃の、哲学の小径から疎水あたりの風情がふと思い浮かぶ。 おなじ水流に桜でも、一方はつらゆきの歌で、一方は実際の風景。より抽象度が低い「みやまがくれ」がより一般的な風情を歌ったつらゆきの歌で、より抽象度の高い「水映え」が個別の風景を連想させてくれるというのも、ちょっと面白い。 「菜の花」に比べういろうがやや固めなのは、角の立ったこのカタチと水紋をはっきりと保つためか。 風味はういろう餅の甘み控えめ、てぼ餡の爽やかで上品なことは、いつもの俵屋テイスト。 同じ観世水の姿をした上用水陰はこちら。 藤 上用 織部に藤の焼き印。藤の焼き印の下には紫色のぼかし(写真ではあまりはっきり見えないけど)。 抹茶餡。余韻に抹茶の爽やかさがこの季節らしい。 藤が咲く頃にはなくなっているのだろう。 「都おどり」にくらべてやや固めなのは、抹茶餡だからか。 各350円(税抜き) ** 桜餅 京都の桜餅は、皮が道明寺粉。 道明寺粉とは、蒸した餅米(あるいは、うるち米)を乾燥させて粗挽きにしたもの。 つやつやの道明寺の皮は、ひとつぶひとつぶがぷっちりしながらも違和感なくひとつにとけあっていて、もっちり、しっとり、ぷりぷり。 桜の葉はうすく、はりっとしながらもやわらかく、塩気はほとんどなく、皮と餡にとてもマッチしている。 晴の日のお菓子ではない普段着のものとはいえ、桜の葉、皮、こし餡とも、さすがはと思わせるような、上生菓子と変わりない俵屋の上品さ。 もっと食べたい・・・ 1個 180円(税抜き) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/05/28 08:30:13 PM
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