こうもり ラ・ロゼ・ド・パヴィ 2004 ボルドー・ロゼ 2006/8/5
こうもり、といってもヨハン・シュトラウスのオペラとはぜんぜん関係なくて。 ロゼ、っていうと、なんか、どうも、チュートハンパな感じがして、躊躇してしまう。ロゼが一般のワインよりは花形っぽい扱いを受けているシャンパーニュにしても、わざわざ値段がややお高いロゼなんかより、シャルドネ100%のブラン・ド・ブラン飲みたい、って思っちゃう。ましてや、シャンパーニュ以外のワインならなおさら。要するに、僕にとって、ロゼって、鳥からも嫌われ、獣からも疎んじられるコウモリのような存在なわけ。白でも赤でもない、かといってロゼっていう存在や個性を主張できるだけのものも持ってない、白のような赤のような、チュートハンパな存在。生まれてこの方、ロゼってたった一本しか飲んだことがない、去年の正月に飲んだヴーヴ・クリコ ポンサルダン’85。ロゼっていうか、紅茶みたいな色だったけど。 そんなわけで、このロゼ・ド・パヴィは生涯二本目のロゼ。たしかにチュートハンパな存在で、それほど興味はない、とは言っても、時には魔が差すこともあるわな・・・とくに、この暑い季節。しかも、サンテミリオンのパヴィがつくったロゼならば、ブドウもいいだろうし、パヴィに使う果汁から「血抜き」したものだと言うことだし、ありふれたロゼのように雑な作り方もしてないだろう。(パヴィのセパージュからして)メルロー主体(それとも100%?)のロゼっていうのも、ちょっと面白そう。そういうわけで、ついつい・・・ 色は、何となくオレンジがかったロゼ。アロマは・・・はやくもコウモリの本領発揮、まるで薄めた赤ワイン。ちょっとクリーミーな感じ。かつ、華やかな感じがなく、やや愚鈍な感じは、やっぱりメルローかな、とは思わせてくれるものの、ふしだらで、甘美で、退廃的なメルローテイストをしっかり表しているわけでもなく、冴えないな。ブーケと言うほどのものはなく、深み、コクが加わる程度。 味は・・・・なんというか、やっぱり、赤ワインの上澄み、とでもいうか。上澄み、とは言ってももちろん、グレートなワインが持っている、様々な風味の要素を内包しつつも純粋であるような、そんな澄んだ感じではない。やっぱり、薄められた赤だ。 二杯目にはもう、ちょっと飲む気が起こらなくなった・・・ま、値段からしても1200円しないんだかそんなもんか・・・・。 ところが、だ。仕方ないから食事と摂ってみると・・・・これがかなり驚き。美味しい。ま、ロゼって言うのは、とくに南仏産のロゼは、きらめく地中海を見ながらランチと一緒にいただくとえも言われず幸福、なんていうのを読んだことがあるが、そういうことなのか。もっとも、きらめく地中海っていうのは今僕の目の前にはないが。 しかも、かなりいろいろな料理と相性がいい感じ。いっぺんにたくさん飲まなかったので、何食もお供をしたわけだが、その都度、美味しい、美味しい、と見直すことに。 もっとも料理と言ってもたいしたことないものばっかりだけど。我が家の質素な、というか、手抜きな食生活を暴露してしまうことになるのでちょっとお恥ずかしい話だが、どんな料理とマリアージュしたか、いちおう。 ハモの照り焼き丼 市販のハモの照り焼きを温かいご飯の上にのせて、添付のたれをかけただけのもの。ウナギの蒲焼き、より僕はこっちの方が好き。 牛と野菜の炒め物 これも、市販の味付け焼き肉(カルビ、ロースなど好みで)と、なす、タマネギ、ピーマンなどあり合わせの野菜とを炒めたもの。先に牛を炒め、おおかた火が通ったところで野菜を入れる。今の季節は、なすを入れるとめちゃくちゃうまい。というか、このなすが食べたいがばっかりに、味付け焼き肉を買ってくるようなもの。春頃だと、なすの代わりにグリーン・アスパラがうまい。 ゴーヤ と、うちでは短縮形。所謂、ゴーヤチャンプルー。うちは、トーフを入れない。ゴーヤ、玉子、ブタ、市販のゴーヤチンプルーの素。 からすみチャーハン からすみ、玉子、壬生菜の漬け物、タマネギ、余り物の野菜、ご飯、ナンプラー。壬生菜の漬け物、タマネギはみじん切り。からすみはタマネギよりも大きめにみじん切り。ニンジンも入れたいところだが、今年は高いのでパス。壬生菜は、高菜の漬け物でも。漬け物、タマネギ、その他野菜(ニンジンなど硬いものはみじん切り後レンジで下ごしらえする)、からすみの順で炒め、少量ナンプラー。火が通ったら具を別の器に移し、玉子、ご飯を炒め、火が通ったら、具を混ぜる。 と、以上四品、どれと飲んでもロゼ・ド・パヴィはうまかった。案外多情なお嬢さん、ってわけかな?