ワインの王 2 バローロ 1994 アルド・コンテルノ イタリア・ピエモンテ 2007/3/24 付 バルバレスコ リゼルヴァ 1993 ロアーニャ
つづき 1.5時間後 熱気を感じさせるアロマは、熟した濃いオレンジ、月桂樹・フェンネルなどのハーブ、そのなかに忍び込む肌や肉を思わせる官能的なフェロモンみたいな香り、グラスを揺すると分厚いブーケはアロマと同じハーブやクリーミーなチョコの香りを含みながら、わくわくさせる妖しいケモノ香を漂わせてくる。 飽くまでもエレガンスの塊の液体の色の濃い柑橘類の白い花の風味はさらに強くなり、そのなかに肉付きのよいサクランボ、リンゴなども。分厚く複雑で深遠なのは変わりない。エキス分の多さ、というより分厚さを充分に堪能させてくれる。 二日目は、よく熟れた苺のようなブーケも楽しむことができた。 三日後、ビンの底に残った澱の混ざったワインは、とても甘い。澱が苦くないのだ。レバノンのミュザールを思わせる。 バルバレスコ リゼルヴァ 1993 ロアーニャ 2005/4/24 全体に透きとおった、ややくすんだレンガ色(というか、チョコレートのようでもある)。ポムロールの熟成したものようだが、ちょっと違う。 青い色をしたトロピカルフルーツを思わせるアロマには、ナツメグやカルダモンや白檀なども感じ取れる。また香りの甘みにはマンゴーのようなぬめっとした感じを思わせる。 ブーケは、さほど臭くないドリアンのよう。 アロマそのままの風味、その中に感じられる苦味もトロピカルフルーツのそれ。 苦爽やか。酸味にはキャンティっぽさもある。 フィニッシュでは、口の中がぽわっと熱くなる感じ。トロピカルフルーツの苦味が残る。 と、以上が当時のメモ。 ただ、バローロを飲んだあとの現時点では、その時は感じなかったけど、このバルバレスコがとても繊細で、線が細く、しなやかで(口当たりではなく、酒質が、というか、スタイルが、というか)女性的だったということ。しかも、風味はこんな風味だったけど、確かに同じ葡萄から作られている、と思わせてくれる共通性がある。だからこそ、より、バローロが男性的であり、バルバレスコが女性的だと、鮮明に感じる。ヘルマフロディトス、っぽいのかな、ネッビオーロって。ヘルメスと、アフロディティの子供。(2007/3/28) ワインの王 1