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ブラック・スワン(上) ブラック・スワン(下) 『まぐれ~投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか 』 を著書に持つ、ナシーム・ニコラス・タレブ氏の2作目、 ブラック・スワンの上下巻を読みました。 前半部分は彼の生い立ちと 故郷であるレバノンの歴史を紹介し、 如何に開戦当時の人々が楽観的であったか 将来は不確実で予想は当てにならないかを説いています。 そして中盤から後半にかけては主に、 現状の経済学理論に基づく運用方針を批判しております。 その批判の具体的な内容なんですが、 まずこの世の中の事象を『月並みな国』と『果ての国』に分けます。 『月並みな国』とはプラトン的・形而上学的で 一つの例外的事例によって全体の平均値が変わる事のない 統計学の正規分布(ベルカーブ)が当て嵌まる稀な世界で、 医学、数学などがこれに当て嵌まります。 『果ての国』とは正規分布では無視する事の出来る筈の ものにこそ意味があって世間一般の殆どがこれに当て嵌まり、 特に歴史、軍事、金融の世界では これが当て嵌まると強調されております。 そして話を金融に戻すと 『パフォーマンスが 最も良かった上位10日を抜くと 株式投資のリターンは大幅に下がる』 と言われる事がその証左であるように、 正規分布では標準偏差の2倍を超える部分で 無視出来る筈の部分に大きく左右されています。 正規分布を 価格の変動に当て嵌まるのは 明確な間違いであると言えます。 よって、現在の投資信託業界で常識となっていて 正規分布によって導かれる (標準偏差)=(リスク)という考え方、 (シャープレシオ)=(リターン)/(標準偏差)、 ブラック・ショールズ・モデルで導かれるオプションの価値、 価格変動を正規分布に合わせたモダン・ポートフォリオ理論、 ポートフォリオ理論に基づくアセット・アロケーション、 等々は、 前提自体に欠陥のある 完全に間違ったものである という事が言えます。 これによって、 リターンは低いがリスクも低いのでシャープレシオは高く、 レバレッジをかけて高リターンを狙ってもも大丈夫 というアホな理屈が罷り通る事になります。 だからアメリカの金融機関は破綻した訳で・・・ 私も以前からアセット・アロケーションの胡散臭さや リスクという考え方のギャップを強く感じておりましたものの、 能力が足りない為に上手く説明する事が出来なくて もやもやした気持ちがあったのですが、 この本はその矛盾点を明確にかつ理論的に突いて 論破している辺りに痛快さを感じました。 相変わらずのもったいぶった難解で哲学的な言い回しと 他人を露骨に批判する変人ぶりが炸裂しておりますが、 内容自体はかなりの出来だったと思います。 かなり上質の、読んで良かったと思える2冊でした。
インデックス投資家を完全に敵に回しますよ(笑)
最近はインデックスブロガーも増えてきていますから。 バリュー投資家であれば各種理論が成り立っていないことを肌で感じることができるんでしょうが、投資信託の積立をしているだけの人には難しいかもしれませんね。(2010.01.24 10:43:32)
ブラックスワンってそんな事書いてるんですねー。
難しそうなんで、敬遠してました(笑。 金融のリスクの考え方で行くと、バリュー投資はリスクの塊みたいなもんですもんねーww。 あと、アセットアロケーションは資産を減らさないのには有効だと思いますが、増やすのには適切な感じがしません。大金持ちの人なら良い戦略だと思います^^(2010.01.24 16:11:29)
akipopさん
インデックスブロガーの方々も、この矛盾に気がついて欲しいですね。 現代のモダンポートフォリオ理論に基づくアセットアロケーションは完全に洗脳ですから。 例えば北朝鮮の拉致問題も、当初は共産党・社会党が事実無根と猛反発しておられましたが、 拉致被害者が帰国した途端に何もいえなくなってしまいました。 タレブ氏の論破はその位のレベルの徹底的な論破です。 この本を読んだ後でも、未だアセットアロケーションやリスク管理なんかを信じている人がいるならば、 それは狂信者としか言いようがないです。(2010.01.24 20:38:20)
ハク@島人さん
バリュー投資は一般的にはリスクそのものかも知れませんが、本当の意味でのリスクは極小なんですかどねぇ。 アセットアロケーションもタルムード3法くらいならばリスク管理として有りだと思いますが、 複雑に計算するとダメになりますね。 (2010.01.24 20:42:16)
ポートフォリオ理論では、分散投資により価格変動リスクを極小化し、市場金利よりも高いリターンを確保することを目的に据えているように思います。一般に企業が獲得した最終キャッシュ・フローは株主に帰属するわけですから、リターンとしては企業の利益、または配当金の額が想定されます。このようにして、さあレバレッジをきかせてがっぽり稼ごうか、というのが市場ポートフォリオ理論ですので、私のような貧乏人にはあまり縁のない世界ですよね。間た、株式だけに分散投資してもそれはリスク回避にならないので、本来は金や不動産、排出権なんかにも投資しなければいけないはずです。手数料ゼロで。そういう意味でも私のような貧乏人にはあまり縁の無い世界です。(2010.01.24 20:46:36)
たーちゃん001さん
>タレブ氏の論破はその位のレベルの徹底的な論破です。 面白そうなので私も読んでみようかと思います! 今はあまり時間が取れないので要点だけ読みたいんですが、下巻だけ買って読むというのはアリでしょうか?(2010.01.24 20:56:17)
数理系の大学院で統計学を学び、今も実務で用いているものです。
データを精査する限り経済活動は正規分布ではなくべき分布に近いです。べき分布の特徴のひとつに、平均と分散(標準偏差の二乗)を持たないことがある。。というものがおります。このあたりはご指摘の通りポートフォリオ理論の大前提に真っ向から対立します。 個人的な見解ですが、一定レベル以上の数学/自然科学を専門とする人間はその分野自体に畏敬の念を抱いていますが、経済学系の論文からはそれを感じられません。どちらかというと有能な自分が全てを説明できる!と言った論調で、数理系の人間からすると「こんなあやふやな理論でよく言い切れるな。。」と思うことが多いです。(2010.01.24 22:16:43)
住吉のひとさん
もしかして、value-setさんですか!? 私には関係の無い世界ですが、 投信では当たり前に出てくる単語の殆どが根拠の無いインチキだと分かったのは面白かったです。 価格変動を抑えてレバレッジをかけるなんてアホのやる事で、 それにインセンティブボーナスを与えるのはネズミ講ですよね。 あと、個人的には排出権の取引に関してはかなり疑問を持っています。(2010.01.28 00:37:44)
akipopさん
>今はあまり時間が取れないので要点だけ読みたいんですが、下巻だけ買って読むというのはアリでしょうか? ----- 下巻だけ買っても意味ないですよ、断言します。 頑張って時間作って読んでください。 統計がある程度分かっているならばすぐに要点は掴めますから。(2010.01.28 00:40:32)
とある統計家さん
統計の専門家の方にご意見頂けて恐縮です。 ご指摘の通り、価格変動はべき分布だと考えて差し支えないと思います。 そこで問題となるのが、ベキ乗数の設定が困難極まる上に、ブレが大きすぎるためにベキ乗数に意味が無い点ですよね。 つまり、価格変動分からないから 計算なんて出来っこないと言うことですよね(^^; あと、確かに経済学系の論文等は胡散臭過ぎて、 この人達は馬鹿なんじゃないかと疑ってしまいますね。 そんな理論がMBAファイナンスで必須項目として組み込まれているのが信じられないです。 いずれはこの風潮が是正される事を期待しますが、 投資家としてはこっちの方が儲かるのでこれで良いのかもとか考えたりもします。(2010.01.28 00:50:13) │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |