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ライター大元よしき             “創意は無限”  

ライター大元よしき “創意は無限”  

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2006年02月09日
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カテゴリ:ラグビー
トイレもフロも無い、四畳半のアパート。

「おとなしくしてろよ」

あいつは何事も無いように出掛けて行った。

残ったタツと私は、テレビのスイッチを入れた。

会話らしいものは無い。

ただ空しく画面を眺めているだけだ。

タバコに火をつけた。

無感動に時間だけが流れていった。

これが毎日決まった日常だった。

私たちにあったのは、この四畳半だけだ。

世界にあった、たったひとつの居場所だった。

私たちは、

ここにぽつんと膝を抱えているだけだった。




ついこの間までは、

ガクランを着て授業を受けていた時間だ。

しかし、今はどうだ。

この無様ななりはどうしたんだ。

毎日を過ごすうちに、私の心にもうひとりの自分が現れた。

「おまえそれでも男かよ」

「悔しくねぇのかよ」

もうひとりの自分が、私の弱い心を責めてきた。




「おまえそれでも男かよ!」

「悔しくねぇのかよ!」

もうひとりの自分の声は、日々大きくなった。

そして、弱い心を容赦無く責めたてた。

けれど、あの苦しい練習を思い出せば、

毛がそそけ立ち、冷やせが流れ出た。

もうひとりの自分は、それでも私を責めてきた。

そして、時が過ぎた。



金木犀が香る頃となった。

私の中のもう一人の自分は、とうとう弱い心をねじ伏せた。

―よし、明日帰ろう―

そう決断するまでに二十日間を要していた。



 人間の中には、強い自分と弱い自分が共存しています。
 ある場面に出くわした時、どちらの自分が勝つかで
 その後が決まります。
 その選択の積み重ねが人生です。


私は家の前に立った時、玄関への一歩が踏み出せずにいた。

―無様な姿を家族に見せられない―

という思いからだ。

どれくらいの時間が経ったのだろう、

「帰ってきたのかい、早く入っておいで」

と母の声がした。

母からは私の姿が見えなかったはずだ。

なのに、どうして…そんな思いがよぎった。

「お腹空いてるだろう、早く食べなさい」

母の声は優しく、

また、祖母の眼差しも慈愛に満ちていた。

―こんなに情けない俺にも、待っていてくれる人がいた―

そう思った時、熱いものが頬を伝った。



 私は中学時代、複数の教師から「おまえは最低の男だ」
 と言われ、半ば腐っていました。
 けれど、中学3年のA先生のお陰で、それまでの自分を
 リセットする道を選びました。
 それがラグビーだったのです。

 私はラグビーでは名門と呼ばれる高校に進みました。
 それは自分をリセットするための修行でした。
 けれど、あまりに過酷な毎日に耐え切れず、逃げ出し
 たのです。
 家からも学校からも逃げ出したのです。

 家出をして二十日間が過ぎた頃、やっとです。
 やっと決心がついて家に戻りました。
 ラグビーをするんだ。日本一を目指すんだと言って
 入った高校です。
 それが一年も経たないうちに逃げ出してしまったのです。
 情けなくて親にそんな無様な自分を見せられませんでした。

 でも、その歳なりに学んだことは大きかった。
 それは、人の愛情でした。
 家出中の出会いもそうですし、家族もそうです。
 そして学校の担任、ラグビー部の顧問、皆そうでした。

 それにもうひとつ大事なことを学びました。
 自分の中には、強い自分と弱い自分がいるということです。

 常に強い自分はありえません。
 必ず弱い面を見せるときがあるのです。
 でも、必ずもうひとりの強い自分が現れる。
 それを知りました。
 もしかすると、それが「自分を信じる」ということなの
 かもしれません。

 いま自分は原点回帰の時だと思っています。
 私の人間形成は、あの高校3年間にあったと思っています。
 これまでも、苦しいことや弱い自分を見たときには、
 常にリセットしようと頑張っていたあの頃に帰ろうとしてきました。

 だから今もなのです。
 今夜はそんなことを誰かに伝えたくてここに記しました。
 さぁ愛と誠と本気で今夜も頑張ろうと思います。
 今夜も長そうです。

 「楕円球の思い出」葛藤でした。
 ふと思いついた時にまた書きたいと思います。
 その時はまたお付き合い下さいませ。


☆人には誰でも「あの時」「あの瞬間」がある。
 人の数だけドラマがある。
 
 スポーツも同じだ。
 表舞台だけがドラマじゃない。
 日の当たらないところにだってドラマはある。
 
 熱い思いがある、熱い血がある、尊い人生がある。
 私はその代弁者だ。

 人に乾杯!青春に乾杯!スポーツに乾杯!
 飛べ!!「イーブック・アスリート 

「ジャパンへの道」を実現します。
 応援ありがとうございます。









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Last updated  2006年02月10日 01時05分54秒



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