三日坊主

郵政省時代の郵便貯金総合口座を持っています。
いわゆる「ぱるる口座」です。

通帳の1行目に記帳されている日付は、「平成5年3月29日」。
大学入学にあたり、一般教養過程は家から片道3時間ほど掛かるので、2年間だけ一人暮らしをすることになり、その際の仕送り用の口座として作ったものでした。
上記の平成5年3月29日は、そんな入学直前の日だったのです。

月日も経ち、今は平成23年1月。
私のメイン行は三井住友銀行で、ちょいちょい楽天銀行を使う私にとって、ゆうちょ銀行の口座は必要不可欠なものとなりました（楽天銀行へ振込？振替？する為のゆうちょ銀行の口座）。
で、その手続をしようとしたのですが、通帳を見てビックリ。

「住所が違うぞ」。
ついでに言うと、「こんなチャチぃ印鑑もどっか行ったぞ」と。


非常に大きな問題点です。
(1)平成5年以降、住所変更を1回もしていない。
(2)登録した印章が見当たらない。
(3)もう一つついでに書くと、ゆうちょ民営化の際の本人確認もしていない（住所が古いから、案内も届いていない）。
もはや銀行口座としては致命的です。口座を潰されていたとしても文句も言えません。


通帳に記載されている住所は千葉市稲毛区宮野木町。
当然のことながら、現住所とは違う。
私の住民票は、千葉市稲毛区→千葉市花見川区→東京都江東区→東京都板橋区→千葉市花見川区の順で動いている。

金融屋時代の経験から、住民票では千葉市稲毛区から現住所への連続性の証明が出来ないことは明らかだ。
戸籍の附表を取得するしか方法は無いが、私の本籍地は石川県。
それも日本海側へ突き出た輪島市。
言ってみれば、石川県でも一番遠い所。
北海道で言えば稚内であり、千葉県で言えば館山みたいなもの。
郵送で取り寄せられるが、ハッキリと言ってしまえば面倒なことこの上無い。

なので、ダメモトでゆうちょ銀行のフリーダイヤルへ問い合わせてみた。
「4～5回ほど引っ越しをしていて、稲毛区から花見川区への転居を住民票では証明出来ない。しかも、印鑑も紛失した」と。
それに対する回答は、「住民票で出来るよ」と。
「本当に出来るのか？」と問い質す私に、「ええ。出来る筈です」と。

知らなかった…。
2002年に金融屋から足を洗って、早9年。
普通の仕事では、裁判所にも法務局にも市役所・区役所にもなかなか行かないものだ。
私の知らないところで、時代も住民票も変わってしまっていたのか…。


と素直に思う私ではないので、念の為に、千葉市役所へ電話で聞いてみた。
答えは勿論、「ムリです」。
ああ、やっぱりね。
「戸籍の附表以外で証明出来るか？」の問いにも、「ムリです」と。

おい。ゆうちょ銀行。
ムチャクチャ言うとるな。



で、再び、ゆうちょ銀行のフリーダイヤル。
「おい。話が違うぞ」と責めたところで問題が解決する訳でもないので、無駄なことはしない。
聞きたいことは、ただ一つ。
「一人で2冊の通帳を持つことは可能か？」と。
つまり、ゆうちょ銀行で2つ口座を持つことは可能なのか？と言うことを聞いた訳です。
変更手続は諦めて、新しく口座をもう一つ作ってしまえ、と。

一般的には認められない行為だが、予想に反して答えは「出来る」。
法律が変わり、郵便貯金時代には1人1通しか持てなかったが、今では口座数に制限は無いとのこと。
つまり、現在では、一人でゆうちょ銀行の口座を何口でも持てるのです。


それを聞いた私は、「これしかないね」と思いました。
で、ゆうちょ銀行に行って来ました。

かくかくしかじかと説明して、「新しく2つ目の口座を作りに来た」と。
勿論、「ゆうちょ銀行のフリーダイヤルで、2つ目の口座を持つことに何の問題も無いことは確認した」旨も伝えました。

そうしたところ、「新しい印鑑だけで印章変更は出来る」、「運転免許証と古い通帳だけで、住所変更も出来る」と言うではありませんか。
私は、事前にあれこれと調べ上げていた訳ですが、その全てがムダだったのです。
身分を証明する運転免許証と新しい印鑑と古い通帳を持って店頭に来れば、全てが解消される。
まさしく、案ずるより産むが易し。
って、なんじゃ、そりゃ？


新通帳を手に入れた！


印章も銀行印に変更済！



多分、アレなのかな？
「確信犯的に2つ目の口座を持たれるくらいならば」とでも思われたのでしょうか？「悪用されても困るし、コイツに2つ目の口座はやらん！」みたいな。
結果、本当に全ての手続が終わりました。


世の中、建て前だけで話が進む訳ではないですし、現場の実務上、規則通りの運用では廻しきれないので便宜を図ると言うこともあるでしょう。
しかし、ゆうちょ銀行のHPに記載されていた変更手続のフローは、まるで意味が無かった。
何と言うか、すごかったぞ。ゆうちょ銀行。
重宝するぞ、花見川支店。